電気使いは今日もノリで生きる
他人の戦いって参考になるよね
???
せっかくだし待機するついでに他の人たちの戦いっぷりを見ようか。よくよく考えればこんな機会なんて滅多にないんだし特にハルさんなんてあれおそらく『雷』スキルだから参考にできることが多そう。それにヤマトさんやケイさんだって戦いの際の立ち回りとかいいお手本になりそうだし。
まずはハルさんの方から見ようかな。ハルさんの遠距離魔法を用いてキメラアントの数をどんどん減らしていっている。そして近づいてきた敵はケイさんが『挑発』で引き付けて倒していっている。なるほどこうやって連携を取っているのか
「ハルさん!敵新たに出現、場所は・・・僕の火で示します『火』」
クレアの探知魔法を用いて・・・ないのか。これは『浮遊』か。空から見渡すことで効率的に殲滅していっているな。そして口頭ではなく魔法による視覚的な指示。これなら雷を落とす場所をしっかりと見極めることができる。
でもなんでこんなにも大軍が出現しているのだろう。蟻だっていうし近くに巣でもあるのかな。
「!ハルさん注意してください。接近個体アリ。その数およそ10」
「了解。・・・ユンさん打ちもらしが増えてきました。そろそろ限界です」
「わかった。ミライ!いけるか?」
「休んだので大丈夫です」
魔力も・・・これくらいならある程度戦えるな。さっきみたいに同時に三つの魔法を展開とかしなければなんとかなりそうだ。確かにキメラアントは脅威ではあるけれども個体だけで見ればまだゾンビやスケルトンの方が強い。こいつらはただただ数が多いだけだ。それが問題なんだけど。
「さてっと。こいつらを倒して交代するか・・・1年にいいとこ見せないとだしね。ケイさんここは僕がするので大丈夫です」
「わかった。じゃ、最後頼むな」
「ふう、『蓄電』」
ハルさんは剣を取り出し、構える。・・・ま、まじかよ。あの剣にどれだけの電気が纏わされているのか感じられるだけでも恐ろしい。しかもなにより恐ろしいのはそれを隠していることだ。あれ普通の人間にはただの剣にしか見えない。実際僕が感じ取れるのもこの『電気』スキルのおかげだろう。かなり凝縮された雷の塊がそこにある。
「『地走り』」
そしてせっかく蓄えた剣をそのまま地面に突き刺した。そんなことすれば地中に電気が逃げてしまうのではないのだろうか。いや、確かに逃げているんだけどそれをはるかに上回るぐらいに供給されている・・・・?あんなの僕がしようとしたら一瞬で魔力が溶けてしまう。そして突き刺した場所を皮切りにそこから電流が伸びていき、キメラアントの足のところまで流れていく。なにをするつもりなんだ?あれでは全くダメージを与えられていない。むしろそれによって敵愾心が集まったのかキメラアントたちがハルさんのところに向かって進んできた。
「大丈夫なんですか?」
さっき魔力の限界が近いって話していたし一度に襲われたらかなりやばいんじゃないだろうか。
「心配するなって『反転』」
「!」
剣に纏わされてていた電気の性質が変わった?例えるならプラスの電気からマイナスの電気みたいな。化学でいうところの陽イオンから陰イオンみたいな。そんな感じ。あ、キメラアントに蓄積されている電気と互いに反応しあって、引きつけあってる。
「それじゃあ、行きますか」
その言葉を最後にハルさんの姿が消える。その直後、一番近くにいたキメラアントが絶命するのが見えた。つまり互いに引きあう電気を頼りにひたすら突っ込むってことなのか。常に前方向に加速を受けているから速度は上昇し続ける。こんな戦い方があったなんて・・・おまけにキメラアント同士は反発しあっているからいい感じにバラバラになっている。これなら向こうが有利だった数の多さを活かすことができない。1対1ならハルさんのほうが圧倒的に強い。
「これで終わり・・・はあ、これ結構疲れるからあんまりやりたくないんだけどね。じゃ、ミライくん頑張ってね」
瞬く間にキメラアントの群れを殲滅させた。強い、強すぎる。最初の魔法もそうだし、この人にはまだ切り札が残っている。比べるのも失礼だとは思うけど鳴村との差が激しすぎる。上位スキルである『雷』持ちにも勝てるとか思っていたけど・・・これはまだまだ修練が足りないな
「はい、頑張ります」
でもそんなことは後回しだ。今はこの群れの殲滅をしっかり意識しよう
「クレア!もうハルによる遠距離魔法はないから地上に降りてミライのサポートを頼む。ケイは一旦待機」
「はい!」
「了解」
この場を僕とクレアの二人だけで行う。こいつは魔力は大丈夫なのだろうか。「僕は誰かさんと違ってほぼ同時に魔法を展開するなんてバカなことしてないからね」はいはい、そうですか。
「『地雷』の設置はできる?」
「いや、さすがに無理。あれ設置可能時間が短すぎる。もっと練習しないと厳しい」
「了解・・・交互に『領域』展開で凌ごっか?」
「そうだな」
探知魔法を同時に使えば消費が激しい。だから現れて接近されるたびにどちらかが『領域』を発動させてキメラアントとの距離を取っていく。これならさっきみたいにすぐにガス欠になることが避けられそうだ。
「てかさっきなんであんなにバカみたいに使ったの?『火剣乱舞』」
「バカバカうるさいっての・・・ヤマトさんと張り合ってつい。それに新技も使ってみたかったし『放電』」
「はあ・・・『火の領域』」
呆れられた。いやこんな時じゃないと練習なんてできないでしょうに「それで死んだら元も子もないでしょ・・・ほらほら、『領域』使って。接近されちゃう」ごもっともです。
やっぱいいな。こういう風にクレアと馬鹿話しながら戦うってのが。ハルさんがかなり数を減らしてくれたみたいでそこまでまだ来ない。まあ本番はまったくダメージを受けていない隊が来てからだけどな
「そういえば、巣ってどこにあるかわかるのか?『電気の領域』」
「え?ああ、多分だけどこの階層の地面全部が巣になっているみたいだ『火』」
「まじか!」
え、つまり大きいどころの騒ぎじゃねえ。てかここそんなに二階層と高さに違いがあったのだろうか。あ、ここダンジョンだったからそんなこと関係ないのか。つまり今僕の下にキメラアントがいるってわけなのか。考えただけで気持ち悪くなってきた。
「ユン!やべぇこいつら・・・ここに入り口作ってたぞ」
「まじか!ここの位置がバレてしまったのか。ケイ、ハル頼む。それを見越してお前らを俺たちの中心に据えたんだし。ユリはクレアたちの援護を中心にしてくれ。俺たちも余裕なんてない。全力で潰す」
さすが、としか言いようがない。来るかもしれない脅威に備えているなんて。キメラアントたちは僕たちがどこにいるのかを見つけて最短経路で巣から出られるように真ん中に入り口を作っていたと。確かにこういう場面ではかなり有効だからね。真ん中をとれば両方に後ろを取ることができる。そうなれば一気に僕らは壊滅だ。
「まずいな・・・加減はできないぞ『炎の鎧』」
「そうだね『電気の領域』『創造』」
適度にさっきの広範囲攻撃を使いながら戦うしかない。これからさらに数が増えそうだし。
「ふたりを手助けします『加速』『強化』」
「「ありがとうございます」」
「ここが正念場だぞ!ここを凌げば数による暴力は終わるからな」
「はい!」
ちょっとその含みある言い方やめてくれませんかねー。まあ、ユンさん的にはそっちの方が楽なんでしょうけど・・・
せっかくだし待機するついでに他の人たちの戦いっぷりを見ようか。よくよく考えればこんな機会なんて滅多にないんだし特にハルさんなんてあれおそらく『雷』スキルだから参考にできることが多そう。それにヤマトさんやケイさんだって戦いの際の立ち回りとかいいお手本になりそうだし。
まずはハルさんの方から見ようかな。ハルさんの遠距離魔法を用いてキメラアントの数をどんどん減らしていっている。そして近づいてきた敵はケイさんが『挑発』で引き付けて倒していっている。なるほどこうやって連携を取っているのか
「ハルさん!敵新たに出現、場所は・・・僕の火で示します『火』」
クレアの探知魔法を用いて・・・ないのか。これは『浮遊』か。空から見渡すことで効率的に殲滅していっているな。そして口頭ではなく魔法による視覚的な指示。これなら雷を落とす場所をしっかりと見極めることができる。
でもなんでこんなにも大軍が出現しているのだろう。蟻だっていうし近くに巣でもあるのかな。
「!ハルさん注意してください。接近個体アリ。その数およそ10」
「了解。・・・ユンさん打ちもらしが増えてきました。そろそろ限界です」
「わかった。ミライ!いけるか?」
「休んだので大丈夫です」
魔力も・・・これくらいならある程度戦えるな。さっきみたいに同時に三つの魔法を展開とかしなければなんとかなりそうだ。確かにキメラアントは脅威ではあるけれども個体だけで見ればまだゾンビやスケルトンの方が強い。こいつらはただただ数が多いだけだ。それが問題なんだけど。
「さてっと。こいつらを倒して交代するか・・・1年にいいとこ見せないとだしね。ケイさんここは僕がするので大丈夫です」
「わかった。じゃ、最後頼むな」
「ふう、『蓄電』」
ハルさんは剣を取り出し、構える。・・・ま、まじかよ。あの剣にどれだけの電気が纏わされているのか感じられるだけでも恐ろしい。しかもなにより恐ろしいのはそれを隠していることだ。あれ普通の人間にはただの剣にしか見えない。実際僕が感じ取れるのもこの『電気』スキルのおかげだろう。かなり凝縮された雷の塊がそこにある。
「『地走り』」
そしてせっかく蓄えた剣をそのまま地面に突き刺した。そんなことすれば地中に電気が逃げてしまうのではないのだろうか。いや、確かに逃げているんだけどそれをはるかに上回るぐらいに供給されている・・・・?あんなの僕がしようとしたら一瞬で魔力が溶けてしまう。そして突き刺した場所を皮切りにそこから電流が伸びていき、キメラアントの足のところまで流れていく。なにをするつもりなんだ?あれでは全くダメージを与えられていない。むしろそれによって敵愾心が集まったのかキメラアントたちがハルさんのところに向かって進んできた。
「大丈夫なんですか?」
さっき魔力の限界が近いって話していたし一度に襲われたらかなりやばいんじゃないだろうか。
「心配するなって『反転』」
「!」
剣に纏わされてていた電気の性質が変わった?例えるならプラスの電気からマイナスの電気みたいな。化学でいうところの陽イオンから陰イオンみたいな。そんな感じ。あ、キメラアントに蓄積されている電気と互いに反応しあって、引きつけあってる。
「それじゃあ、行きますか」
その言葉を最後にハルさんの姿が消える。その直後、一番近くにいたキメラアントが絶命するのが見えた。つまり互いに引きあう電気を頼りにひたすら突っ込むってことなのか。常に前方向に加速を受けているから速度は上昇し続ける。こんな戦い方があったなんて・・・おまけにキメラアント同士は反発しあっているからいい感じにバラバラになっている。これなら向こうが有利だった数の多さを活かすことができない。1対1ならハルさんのほうが圧倒的に強い。
「これで終わり・・・はあ、これ結構疲れるからあんまりやりたくないんだけどね。じゃ、ミライくん頑張ってね」
瞬く間にキメラアントの群れを殲滅させた。強い、強すぎる。最初の魔法もそうだし、この人にはまだ切り札が残っている。比べるのも失礼だとは思うけど鳴村との差が激しすぎる。上位スキルである『雷』持ちにも勝てるとか思っていたけど・・・これはまだまだ修練が足りないな
「はい、頑張ります」
でもそんなことは後回しだ。今はこの群れの殲滅をしっかり意識しよう
「クレア!もうハルによる遠距離魔法はないから地上に降りてミライのサポートを頼む。ケイは一旦待機」
「はい!」
「了解」
この場を僕とクレアの二人だけで行う。こいつは魔力は大丈夫なのだろうか。「僕は誰かさんと違ってほぼ同時に魔法を展開するなんてバカなことしてないからね」はいはい、そうですか。
「『地雷』の設置はできる?」
「いや、さすがに無理。あれ設置可能時間が短すぎる。もっと練習しないと厳しい」
「了解・・・交互に『領域』展開で凌ごっか?」
「そうだな」
探知魔法を同時に使えば消費が激しい。だから現れて接近されるたびにどちらかが『領域』を発動させてキメラアントとの距離を取っていく。これならさっきみたいにすぐにガス欠になることが避けられそうだ。
「てかさっきなんであんなにバカみたいに使ったの?『火剣乱舞』」
「バカバカうるさいっての・・・ヤマトさんと張り合ってつい。それに新技も使ってみたかったし『放電』」
「はあ・・・『火の領域』」
呆れられた。いやこんな時じゃないと練習なんてできないでしょうに「それで死んだら元も子もないでしょ・・・ほらほら、『領域』使って。接近されちゃう」ごもっともです。
やっぱいいな。こういう風にクレアと馬鹿話しながら戦うってのが。ハルさんがかなり数を減らしてくれたみたいでそこまでまだ来ない。まあ本番はまったくダメージを受けていない隊が来てからだけどな
「そういえば、巣ってどこにあるかわかるのか?『電気の領域』」
「え?ああ、多分だけどこの階層の地面全部が巣になっているみたいだ『火』」
「まじか!」
え、つまり大きいどころの騒ぎじゃねえ。てかここそんなに二階層と高さに違いがあったのだろうか。あ、ここダンジョンだったからそんなこと関係ないのか。つまり今僕の下にキメラアントがいるってわけなのか。考えただけで気持ち悪くなってきた。
「ユン!やべぇこいつら・・・ここに入り口作ってたぞ」
「まじか!ここの位置がバレてしまったのか。ケイ、ハル頼む。それを見越してお前らを俺たちの中心に据えたんだし。ユリはクレアたちの援護を中心にしてくれ。俺たちも余裕なんてない。全力で潰す」
さすが、としか言いようがない。来るかもしれない脅威に備えているなんて。キメラアントたちは僕たちがどこにいるのかを見つけて最短経路で巣から出られるように真ん中に入り口を作っていたと。確かにこういう場面ではかなり有効だからね。真ん中をとれば両方に後ろを取ることができる。そうなれば一気に僕らは壊滅だ。
「まずいな・・・加減はできないぞ『炎の鎧』」
「そうだね『電気の領域』『創造』」
適度にさっきの広範囲攻撃を使いながら戦うしかない。これからさらに数が増えそうだし。
「ふたりを手助けします『加速』『強化』」
「「ありがとうございます」」
「ここが正念場だぞ!ここを凌げば数による暴力は終わるからな」
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