電気使いは今日もノリで生きる
誘拐されました
水無月5週目月曜日
「『電気鎧・第三形態』」
脳内に信号を発生させる。眠らないように、クレアを助けてとにかく逃げる。それだけを第一に考えよう。
「やっぱり動くことができるか・・・あの催眠術を破ったのは伊達じゃないわね」
楠の魔法はここの世界の人から見てもおかしい部類なのか。まあ龍さえをも眠らせているしね。クレアの首根っこを掴んで引っ張る。意外とこいつ重いな。腕にも電気を回して動かすか。
「いや引きずりながら私たちの攻撃を躱すの無理あるでしょ」
「私たち?」
「ええ」
「!『感知』」
慌てて探知魔法を発動させる。どこにいるのかわかれば対処できるしその場所を回避して逃げることもできる。えっと、僕の近くに反応が二つ。少し違うような気がするけどこれがクレアとリンナ先輩かな。
それから近くに4・・・いや5?移動しているのかあちこち動いてて判断できない。ひとまず全部敵だと思って動くことにしよう。リンナ先輩はおそらくサポート系のスキルだろうから攻撃魔法なんて持っていないと思う。セリア先輩の顔が浮かんだけどあの人は特別だろうしきっと大丈夫
「『放電』」
「あら・・」
牽制で電気を放ちできる限り人数の少ない方へ逃げる。『電気鎧・第三形態』を発動させているから他にあまり電気を割けないのが辛いな。これもある意味弱点かな。他の魔法が使えないって結構きついな。
「ふーん、そっちに逃げていいの?」
「え?」
だってこっちには誰もいないし・・・少なくとも僕の探索範囲には誰もいないように思う。もしかしてこれはブラフか?本当はこっちには誰もいないけどあえてそんな言葉を言うことで僕を混乱させるとか。
「そんな手にはのらな・・・」
首筋に痛みを感じる。何が起きたっていうんだ・・・意識を失いながら後ろを見ると男が二人立っているのが見えた。なぜだ。僕の探知にはまったく引っかかっていなかったはずなのに。
ああ、そっか、そりゃ探索魔法があるなら当然隠密魔法もあるに決まっているよな。これはリサーチを行わなかった僕の落ち度だ。というか困難わかるわけないじゃないか初見殺しすぎるでしょ
「ごめんね。本当は君たちを傷つけたくなかったんだ・・・ゆっくりおやすみ」
なんか言葉を呟いたような気がしたけど、正直もうどうでもいい。最近結構対人戦で勝ってきたからいけるかと思ったけど世の中やっぱり甘くないんだな
???
「ミライ!ミライ、起きて」
ん、なんか僕を呼んでいる声がする?誰だよせっかく人がぐっすり寝ているんだからうおえ
急に揺れたと思ったら何かに頭を強打したんだけど。痛い。コブできたかも
「クレア?ここは・・・」
目を開けるとクレアの姿が見えた。意識を取り戻すと最初に見るのがクレアなのか・・・シェミン先輩の方が良かったな「悪かったな」ごめんて。クレアでも嬉しいよ
「気持ち悪い」
「ねえ酷くない?」
起きて一発目にこれって結構きついんだけど。でもそれよりもここはどこだろう?ガタガタ揺れているから移動しているのかな?今寝ていたこれは・・・木?木の乗り物って何があったっけ?手押車か?
「ここは馬車の上よ」
「おまえは」
横から声が聞こえたと思ってみたらなんでお前がいるんだよ。あ、なんかだんだん思い出してきたたしかこのリンナ先輩の目の前で気絶したからそれもそうか。なんだよ、綺麗な人なのになんでこんなことを。やっぱり美人には性格の悪い人が多いって都市伝説?は本当だったのだろうか。かわいい顔して近づいてきてこうして捕まえるだなんて
「なにその話。初耳なんだけど」
「ミライは時々おかしなことを言うからね(あんま変なことをいうなよ。ミライが転移してることは隠しておきたいだろ?)」
納得いかないけどここはクレアの言葉ももっともだし黙っていよう。沈黙は金だ。僕にだって黙秘権はある。でももう少し今の状況を知っておきたいな
「それで、今どこに向かっているんですか?」
考えたくはないけど人身売買をかではないのだろうか。それだったらかなり辛い。異世界だしそんなことも普通にあり得るよな。小説とかを読んでいるとよく奴隷のいる世界の話も多いもんな。そういえばこの世界には奴隷とかいるのかな?幸か不幸か今までそういう話聞いたことないけど・・・どうなんだろう
「目的地は言えないわ。それと、言うまでもないことだけど逃げようとか考えないことね。あなたたちには魔力を封じる手錠をつけているから」
言われてみれば手が縛られている。あーこれ魔力封じの手錠なのか。試しに魔法を使ってみるけどやっぱりなにも起きないな。綺麗に封じ込められている。・・・てか
「いったたたたたたた」
「なに?きゅ、急にどうしたって言うのよ」
クレアを無理やり引っ張ったせいで左手の筋を痛めたんだけどそれがかなり痛い。治療もされていないし。おまけに右腕も無理をして動かしたせいで悪化しているし。痛いというかもはや感覚なくなってきたんだけど
縛られてしまったせいでこれ多分血流が巡っていないのかな?痺れてきたって言うか右手がもはや色がなんかおかしいんだけど。
「僕の手を見てくれ・・・ちょっとやばいから」
「我慢しなさい」
「壊死してもいいのかよ」
「すぐに死なないでしょ」
それを言われてしまったらもうどうしようもない。手が死ぬだけで他の部分は確か大丈夫だったよね。でもということはこの先一生右手を使うことができなくなるっていうことじゃないか。それだけは嫌だ
「まったくうるさいわね・・・ほら、これでいいでしょ」
おお、心なしかちょっとだけ緩んだ気がする。手に血が巡っていくような感じがするなぁ。生きてるって実感するよ。痛いのは痛いけれどもこれくらいならなんとかなるかな?
「ふう」
少しでも楽になるような体勢を探してみる。あ、壁に背中をしっかりつけてもたれかかったら大分楽だなガタンいやそれは予想していなかったなぁ。馬車の揺れによって頭を打ちました。どんだけあしばの悪い道のりを進んでいるんだよ。これ絶対ろくな場所に行かないな
「これから行く先のことをバカにしたら許さないからね」
「それはすみません」
怒られたのですぐに謝る。でもこれで行き先が少し絞れたな、リンナ先輩がここまで怒るということはリンナ先輩に関わりのある場所。そんなことわかってどうなるって言われるとなんにも言えないけどね
「もしかして森に向かっていますか?」
「クレア?」
突然どうしたんだ?あ、先輩が少し焦った表情をしているところをみるとあたりなんだろう。でもよく当てたなぁ
「この手錠はとある一族の技術によって作られるもの。それを先輩が持っているということは先輩もその一族の一人だということ。そして、今先輩は森に行くと言いましたね?」
「カマかけたのね」
「まあ確証がなかったので」
おーい、僕を置いて話を進めないでくれよ。さっきからなにを言っているのかまったくわからないんだけど。なに一族って特別な一族か、なんだろ精霊の一族とか?
「それに近いよ・・・先輩はおそらくエルフの人間だ。そしてこれから向かう先は彼らの住む『エルフの森』だろうね」
「なるほど」
わからん
「『電気鎧・第三形態』」
脳内に信号を発生させる。眠らないように、クレアを助けてとにかく逃げる。それだけを第一に考えよう。
「やっぱり動くことができるか・・・あの催眠術を破ったのは伊達じゃないわね」
楠の魔法はここの世界の人から見てもおかしい部類なのか。まあ龍さえをも眠らせているしね。クレアの首根っこを掴んで引っ張る。意外とこいつ重いな。腕にも電気を回して動かすか。
「いや引きずりながら私たちの攻撃を躱すの無理あるでしょ」
「私たち?」
「ええ」
「!『感知』」
慌てて探知魔法を発動させる。どこにいるのかわかれば対処できるしその場所を回避して逃げることもできる。えっと、僕の近くに反応が二つ。少し違うような気がするけどこれがクレアとリンナ先輩かな。
それから近くに4・・・いや5?移動しているのかあちこち動いてて判断できない。ひとまず全部敵だと思って動くことにしよう。リンナ先輩はおそらくサポート系のスキルだろうから攻撃魔法なんて持っていないと思う。セリア先輩の顔が浮かんだけどあの人は特別だろうしきっと大丈夫
「『放電』」
「あら・・」
牽制で電気を放ちできる限り人数の少ない方へ逃げる。『電気鎧・第三形態』を発動させているから他にあまり電気を割けないのが辛いな。これもある意味弱点かな。他の魔法が使えないって結構きついな。
「ふーん、そっちに逃げていいの?」
「え?」
だってこっちには誰もいないし・・・少なくとも僕の探索範囲には誰もいないように思う。もしかしてこれはブラフか?本当はこっちには誰もいないけどあえてそんな言葉を言うことで僕を混乱させるとか。
「そんな手にはのらな・・・」
首筋に痛みを感じる。何が起きたっていうんだ・・・意識を失いながら後ろを見ると男が二人立っているのが見えた。なぜだ。僕の探知にはまったく引っかかっていなかったはずなのに。
ああ、そっか、そりゃ探索魔法があるなら当然隠密魔法もあるに決まっているよな。これはリサーチを行わなかった僕の落ち度だ。というか困難わかるわけないじゃないか初見殺しすぎるでしょ
「ごめんね。本当は君たちを傷つけたくなかったんだ・・・ゆっくりおやすみ」
なんか言葉を呟いたような気がしたけど、正直もうどうでもいい。最近結構対人戦で勝ってきたからいけるかと思ったけど世の中やっぱり甘くないんだな
???
「ミライ!ミライ、起きて」
ん、なんか僕を呼んでいる声がする?誰だよせっかく人がぐっすり寝ているんだからうおえ
急に揺れたと思ったら何かに頭を強打したんだけど。痛い。コブできたかも
「クレア?ここは・・・」
目を開けるとクレアの姿が見えた。意識を取り戻すと最初に見るのがクレアなのか・・・シェミン先輩の方が良かったな「悪かったな」ごめんて。クレアでも嬉しいよ
「気持ち悪い」
「ねえ酷くない?」
起きて一発目にこれって結構きついんだけど。でもそれよりもここはどこだろう?ガタガタ揺れているから移動しているのかな?今寝ていたこれは・・・木?木の乗り物って何があったっけ?手押車か?
「ここは馬車の上よ」
「おまえは」
横から声が聞こえたと思ってみたらなんでお前がいるんだよ。あ、なんかだんだん思い出してきたたしかこのリンナ先輩の目の前で気絶したからそれもそうか。なんだよ、綺麗な人なのになんでこんなことを。やっぱり美人には性格の悪い人が多いって都市伝説?は本当だったのだろうか。かわいい顔して近づいてきてこうして捕まえるだなんて
「なにその話。初耳なんだけど」
「ミライは時々おかしなことを言うからね(あんま変なことをいうなよ。ミライが転移してることは隠しておきたいだろ?)」
納得いかないけどここはクレアの言葉ももっともだし黙っていよう。沈黙は金だ。僕にだって黙秘権はある。でももう少し今の状況を知っておきたいな
「それで、今どこに向かっているんですか?」
考えたくはないけど人身売買をかではないのだろうか。それだったらかなり辛い。異世界だしそんなことも普通にあり得るよな。小説とかを読んでいるとよく奴隷のいる世界の話も多いもんな。そういえばこの世界には奴隷とかいるのかな?幸か不幸か今までそういう話聞いたことないけど・・・どうなんだろう
「目的地は言えないわ。それと、言うまでもないことだけど逃げようとか考えないことね。あなたたちには魔力を封じる手錠をつけているから」
言われてみれば手が縛られている。あーこれ魔力封じの手錠なのか。試しに魔法を使ってみるけどやっぱりなにも起きないな。綺麗に封じ込められている。・・・てか
「いったたたたたたた」
「なに?きゅ、急にどうしたって言うのよ」
クレアを無理やり引っ張ったせいで左手の筋を痛めたんだけどそれがかなり痛い。治療もされていないし。おまけに右腕も無理をして動かしたせいで悪化しているし。痛いというかもはや感覚なくなってきたんだけど
縛られてしまったせいでこれ多分血流が巡っていないのかな?痺れてきたって言うか右手がもはや色がなんかおかしいんだけど。
「僕の手を見てくれ・・・ちょっとやばいから」
「我慢しなさい」
「壊死してもいいのかよ」
「すぐに死なないでしょ」
それを言われてしまったらもうどうしようもない。手が死ぬだけで他の部分は確か大丈夫だったよね。でもということはこの先一生右手を使うことができなくなるっていうことじゃないか。それだけは嫌だ
「まったくうるさいわね・・・ほら、これでいいでしょ」
おお、心なしかちょっとだけ緩んだ気がする。手に血が巡っていくような感じがするなぁ。生きてるって実感するよ。痛いのは痛いけれどもこれくらいならなんとかなるかな?
「ふう」
少しでも楽になるような体勢を探してみる。あ、壁に背中をしっかりつけてもたれかかったら大分楽だなガタンいやそれは予想していなかったなぁ。馬車の揺れによって頭を打ちました。どんだけあしばの悪い道のりを進んでいるんだよ。これ絶対ろくな場所に行かないな
「これから行く先のことをバカにしたら許さないからね」
「それはすみません」
怒られたのですぐに謝る。でもこれで行き先が少し絞れたな、リンナ先輩がここまで怒るということはリンナ先輩に関わりのある場所。そんなことわかってどうなるって言われるとなんにも言えないけどね
「もしかして森に向かっていますか?」
「クレア?」
突然どうしたんだ?あ、先輩が少し焦った表情をしているところをみるとあたりなんだろう。でもよく当てたなぁ
「この手錠はとある一族の技術によって作られるもの。それを先輩が持っているということは先輩もその一族の一人だということ。そして、今先輩は森に行くと言いましたね?」
「カマかけたのね」
「まあ確証がなかったので」
おーい、僕を置いて話を進めないでくれよ。さっきからなにを言っているのかまったくわからないんだけど。なに一族って特別な一族か、なんだろ精霊の一族とか?
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