電気使いは今日もノリで生きる
『領域』の秘密
水無月4周目日曜日
『「拒絶」はな、その名の通り心の拒絶によって引き起こされる現象のことだ』
「は?」
『貴様らもなにか他人に対して強く拒絶したことがあるだろう?』
それが発動の、習得の条件。自分の他人に対しての心の壁を現実世界に引き起こす魔法。自分の属性を有利にするのは自分にとって都合のいい世界を展開するから
『そしてそれが使えるということは他者を信頼していないから』
「え?」
『貴様はそこのものたちを信頼してないのではないか?』
クレアの方を見る。クレアが使えるということは、そしてグレン先輩やシオン先輩が使えるということは、他人に対して心を開いていないということなのだろうか。そしてそれは僕自身にも当てはまる
この人たちは僕にたくさん親切にしてくれたけどそれらは全て偽物だったのだろうか。また僕もこの人たちを信じていない?それは・・・悲しいな
「ミライ」
「クレア」
お互いに顔を見る。思うことは同じ。でもそれを口に出すことができない・・・どうすればいいのだろう
「それは当たり前です」
『ほお?』
「サリア先輩?」
いきなり何を言い出すのだろう
「私たちは出会ってまだ3ヶ月程度しか経っていません。それくらいで築かれる信頼などそれこそ信頼できません」
そっか。そうだよな。当たり前な話だよな。なんでウジウジしてしまったのだろう。
「それにこの二人が拒絶しているのは他の一年生に対してです。私たちじゃないですわ」
「そこは否定してくれないんですか」
確かに・・・間違えてないかも。最初に発動に成功した時も周りの観客のあまりにも理不尽な言い回しにムカついたからにすぎないし。
『はははは。面白い』
こいつだんだんキャラがぶれてきてないか?大丈夫か?
『ならばその拒絶の力をもっと見せてみろ世界を作ってみせろ』
いやここ一番で何を言っているのかわからないんだけど。何を言っているんだか
「ミライ・・・確かに3ヶ月では信頼は築けない。でもそれは普通の場合。僕らは違う、だろ?」
「・・・ああ、そうだな」
特別な体験をすれば人はより親密になれる。それはまぎれもない事実だ。吊り橋効果もあるけど・・・クレアは男だからね・・・なんでこいつ美少女じゃないのだろうか
「ねえ、君とのコンビ解消していいかな?」
「冗談だって・・・本気にしないでくれ」
口は災いの元だから気をつけないと・・・うん。むり。でも今の言葉でわかった。それに癪だけどこの黒龍の言葉からも
なんか途中からおかしかたってけどこいつも言っていたじゃないか。「奴に対抗できる人を見つけに来た」って。最初から僕とクレアに興味を抱いていたみたいだからヒントを与えたかったんだろう。その理由がわからない。見定めたいっていうのもあるけどならなぜそんなことを思ったのか謎だ
「おい、龍」
『なんだ』
「みせてやるよ。信頼などなくても共に戦うことができるってことを」
『そこは信頼で共に戦うじゃないのか?』
「ないって言われたからね!」
3ヶ月じゃむりって言われたよ直接。あれ地味に心にダメージを受けたからね!
『面白い。我に見せてみろそれで?役に立たない貴様は何をする』
「お前の『領域』を打ち砕く」
シオン先輩も最初に言っていたじゃないか。これは魔族の使う『気』を防ぐための魔法だって。でも実際今の黒龍を前にして何もできなくなっている。だからこれを防ぐ手段を考えなければいけない。今は僕らを殺そうとしていないから問題ないけど、魔族と戦うってなるとそうはいかない。
だから、『領域』をもっと強く意識する。自分だけの世界を創り上げる。他人を拒絶することで生み出される力ならば強く意識すればきっと黒龍の領域だって吹き飛ばせるはずだ
「『電気の領域』」
さっきは弾かれたのは意識していなかったと仮定する。つまり黒龍をしっかりと拒絶すれば押し通せるはずだ、黒龍なんて嫌いだーあっちいけー
「急に子供みたいに・・ああ」
納得されるのなんかつらい。というか17歳ってまだ十分に子供だからね。未成年だよ青春真っ盛りだよ・・僕が青春しているのかを議論するのは置いといて、ね
「え?」
いや、ちゃんと発動したんですけど・・・なんで弾けないんだよ。あ、もしかして黒龍の拒絶の力が強すぎるとかか?あいつ友達いなさそうだしきっともう何百年って単位で一人で生きてきてそうだな
『は、我は馴れ合いとか興味ない』
「なら寂しく一人で過ごしててください」
お、サリア先輩もいうねぇ。つまりはもう帰ってくれってことだからね。
『黙れ。貴様らなぞ一捻りだ・・・もう話は終わりだ「隕石」「竜巻」「津波」』
げ、魔法の同時使用かよ。空からは巨大な岩が降り注ぎ地面には竜巻が発生し・・・津波ってどこから水が出て来るんだ?まあそんなことを言ったら岩もそうだけれどさ
「これは・・・まずいですね」
「どうしよっか」
「レイとセリアは岩を竜巻は私が、津波を・・・ミライいけます?」
「大丈夫です・・・クレア!準備よろしく」
さすがに水ならば全部電気分解していけば多分なんとかなるはずだ。えっと、どれだけの電気量が必要なんだっけ?というか向こうからなんかたくさんの水がっていうか津波が押し寄せてきてるんだけど
「『転移』。ミライとシオン頼む・・・あとクレアもか?」
セリア先輩の力によって少し離れたところに転移される。黒龍と戦っていたところで受けても大惨事になるのは明らかだしね。なんで少しずれた場所から発生しているのかわからないんだけどね
「『電気の領域』・・・よし!使える」
黒龍から離れたことによって使えることができるようになったみたいだ。これはちょっとありがたいね。
「『放電』」
どんな感じか一発電撃をぶち込んでみる。さあこれでどれだけの水が分解されるかな・・・
「まったく変化しないね」
「そうだな」
悲しいかな。蒸気が発生しているから多少は分解されているのだろうけど全体の量がおおすぎて減ったように見えない。
「まあだから僕も飛ばされたんだよ『氷の領域』」
僕のだした『領域』の邪魔にならないようにシオン先輩も『領域』を展開していく。
「『冷凍』」
そして橋からどんどんと凍らせていく。これなら間に合いそうだけど、少し足りないかもしれないな。・・・なら、僕がするべきことは
「クレア!僕をあの水まで吹き飛ばしてくれ」
「はあ?・・・ああ、なるほどね『魂の火剣』」
巨大な火の剣が現れる。これなら僕でも乗れそうだ。火傷しないか少し心配だけど
「さあ乗って。多分大丈夫だから」
「了解・・・『全力・電気鎧』」
『簡易版・領域』を発見したときに同時に気がついた。他の魔法でもうまい具合に出力の調整を行うことができるのではないかと。そこでまずは慣れた『電気鎧』を研究してみた。そこで見つけたのがこの『全力・電気鎧』。どんな魔法かっていうと自分の周りに発生する電気が通常の『電気鎧』の約10倍になる代わりに魔力の消費が桁違いになって尽きるまで解除不能。およそ実戦で使うことができるような魔法ではない。シオン先輩と最初に戦ったときや『麒麟』と出会ったときに使った魔法がこれに当たるんじゃないのかな?大体時間にして30秒。だが、これで十分だ
「いっけええええええ!」
クレアが生み出した剣に乗って津波に突っ込む。そして僕の最大電力で分解をしていく。たしかこういうのって電圧が高ければ高いほど分解の速度が高まっていくんじゃなかったんだっけ?まあ変わらなかったら変わらなかったで・・よくないけどあれだ!水に触れている面積が多いから早いんだと思うようにしよう
「弾けろ・・・!」
電気を全て解放する。これで少しでも水が残ってしまったら僕は死んでしまうんだけど・・・どうだ?
『「拒絶」はな、その名の通り心の拒絶によって引き起こされる現象のことだ』
「は?」
『貴様らもなにか他人に対して強く拒絶したことがあるだろう?』
それが発動の、習得の条件。自分の他人に対しての心の壁を現実世界に引き起こす魔法。自分の属性を有利にするのは自分にとって都合のいい世界を展開するから
『そしてそれが使えるということは他者を信頼していないから』
「え?」
『貴様はそこのものたちを信頼してないのではないか?』
クレアの方を見る。クレアが使えるということは、そしてグレン先輩やシオン先輩が使えるということは、他人に対して心を開いていないということなのだろうか。そしてそれは僕自身にも当てはまる
この人たちは僕にたくさん親切にしてくれたけどそれらは全て偽物だったのだろうか。また僕もこの人たちを信じていない?それは・・・悲しいな
「ミライ」
「クレア」
お互いに顔を見る。思うことは同じ。でもそれを口に出すことができない・・・どうすればいいのだろう
「それは当たり前です」
『ほお?』
「サリア先輩?」
いきなり何を言い出すのだろう
「私たちは出会ってまだ3ヶ月程度しか経っていません。それくらいで築かれる信頼などそれこそ信頼できません」
そっか。そうだよな。当たり前な話だよな。なんでウジウジしてしまったのだろう。
「それにこの二人が拒絶しているのは他の一年生に対してです。私たちじゃないですわ」
「そこは否定してくれないんですか」
確かに・・・間違えてないかも。最初に発動に成功した時も周りの観客のあまりにも理不尽な言い回しにムカついたからにすぎないし。
『はははは。面白い』
こいつだんだんキャラがぶれてきてないか?大丈夫か?
『ならばその拒絶の力をもっと見せてみろ世界を作ってみせろ』
いやここ一番で何を言っているのかわからないんだけど。何を言っているんだか
「ミライ・・・確かに3ヶ月では信頼は築けない。でもそれは普通の場合。僕らは違う、だろ?」
「・・・ああ、そうだな」
特別な体験をすれば人はより親密になれる。それはまぎれもない事実だ。吊り橋効果もあるけど・・・クレアは男だからね・・・なんでこいつ美少女じゃないのだろうか
「ねえ、君とのコンビ解消していいかな?」
「冗談だって・・・本気にしないでくれ」
口は災いの元だから気をつけないと・・・うん。むり。でも今の言葉でわかった。それに癪だけどこの黒龍の言葉からも
なんか途中からおかしかたってけどこいつも言っていたじゃないか。「奴に対抗できる人を見つけに来た」って。最初から僕とクレアに興味を抱いていたみたいだからヒントを与えたかったんだろう。その理由がわからない。見定めたいっていうのもあるけどならなぜそんなことを思ったのか謎だ
「おい、龍」
『なんだ』
「みせてやるよ。信頼などなくても共に戦うことができるってことを」
『そこは信頼で共に戦うじゃないのか?』
「ないって言われたからね!」
3ヶ月じゃむりって言われたよ直接。あれ地味に心にダメージを受けたからね!
『面白い。我に見せてみろそれで?役に立たない貴様は何をする』
「お前の『領域』を打ち砕く」
シオン先輩も最初に言っていたじゃないか。これは魔族の使う『気』を防ぐための魔法だって。でも実際今の黒龍を前にして何もできなくなっている。だからこれを防ぐ手段を考えなければいけない。今は僕らを殺そうとしていないから問題ないけど、魔族と戦うってなるとそうはいかない。
だから、『領域』をもっと強く意識する。自分だけの世界を創り上げる。他人を拒絶することで生み出される力ならば強く意識すればきっと黒龍の領域だって吹き飛ばせるはずだ
「『電気の領域』」
さっきは弾かれたのは意識していなかったと仮定する。つまり黒龍をしっかりと拒絶すれば押し通せるはずだ、黒龍なんて嫌いだーあっちいけー
「急に子供みたいに・・ああ」
納得されるのなんかつらい。というか17歳ってまだ十分に子供だからね。未成年だよ青春真っ盛りだよ・・僕が青春しているのかを議論するのは置いといて、ね
「え?」
いや、ちゃんと発動したんですけど・・・なんで弾けないんだよ。あ、もしかして黒龍の拒絶の力が強すぎるとかか?あいつ友達いなさそうだしきっともう何百年って単位で一人で生きてきてそうだな
『は、我は馴れ合いとか興味ない』
「なら寂しく一人で過ごしててください」
お、サリア先輩もいうねぇ。つまりはもう帰ってくれってことだからね。
『黙れ。貴様らなぞ一捻りだ・・・もう話は終わりだ「隕石」「竜巻」「津波」』
げ、魔法の同時使用かよ。空からは巨大な岩が降り注ぎ地面には竜巻が発生し・・・津波ってどこから水が出て来るんだ?まあそんなことを言ったら岩もそうだけれどさ
「これは・・・まずいですね」
「どうしよっか」
「レイとセリアは岩を竜巻は私が、津波を・・・ミライいけます?」
「大丈夫です・・・クレア!準備よろしく」
さすがに水ならば全部電気分解していけば多分なんとかなるはずだ。えっと、どれだけの電気量が必要なんだっけ?というか向こうからなんかたくさんの水がっていうか津波が押し寄せてきてるんだけど
「『転移』。ミライとシオン頼む・・・あとクレアもか?」
セリア先輩の力によって少し離れたところに転移される。黒龍と戦っていたところで受けても大惨事になるのは明らかだしね。なんで少しずれた場所から発生しているのかわからないんだけどね
「『電気の領域』・・・よし!使える」
黒龍から離れたことによって使えることができるようになったみたいだ。これはちょっとありがたいね。
「『放電』」
どんな感じか一発電撃をぶち込んでみる。さあこれでどれだけの水が分解されるかな・・・
「まったく変化しないね」
「そうだな」
悲しいかな。蒸気が発生しているから多少は分解されているのだろうけど全体の量がおおすぎて減ったように見えない。
「まあだから僕も飛ばされたんだよ『氷の領域』」
僕のだした『領域』の邪魔にならないようにシオン先輩も『領域』を展開していく。
「『冷凍』」
そして橋からどんどんと凍らせていく。これなら間に合いそうだけど、少し足りないかもしれないな。・・・なら、僕がするべきことは
「クレア!僕をあの水まで吹き飛ばしてくれ」
「はあ?・・・ああ、なるほどね『魂の火剣』」
巨大な火の剣が現れる。これなら僕でも乗れそうだ。火傷しないか少し心配だけど
「さあ乗って。多分大丈夫だから」
「了解・・・『全力・電気鎧』」
『簡易版・領域』を発見したときに同時に気がついた。他の魔法でもうまい具合に出力の調整を行うことができるのではないかと。そこでまずは慣れた『電気鎧』を研究してみた。そこで見つけたのがこの『全力・電気鎧』。どんな魔法かっていうと自分の周りに発生する電気が通常の『電気鎧』の約10倍になる代わりに魔力の消費が桁違いになって尽きるまで解除不能。およそ実戦で使うことができるような魔法ではない。シオン先輩と最初に戦ったときや『麒麟』と出会ったときに使った魔法がこれに当たるんじゃないのかな?大体時間にして30秒。だが、これで十分だ
「いっけええええええ!」
クレアが生み出した剣に乗って津波に突っ込む。そして僕の最大電力で分解をしていく。たしかこういうのって電圧が高ければ高いほど分解の速度が高まっていくんじゃなかったんだっけ?まあ変わらなかったら変わらなかったで・・よくないけどあれだ!水に触れている面積が多いから早いんだと思うようにしよう
「弾けろ・・・!」
電気を全て解放する。これで少しでも水が残ってしまったら僕は死んでしまうんだけど・・・どうだ?
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