電気使いは今日もノリで生きる
結局みんなから嫌われる
水無月一週目月曜日
次にスキルの授業に向かう。ここではさっきと違いこの世界の人・・・回りくどい言い方をしなければlクラスメート以外の人間がいる可能性が高くなる。うん、実は同じ授業を受けている人をよく覚えていないんだ。この辺りが万年ぼっちの所以だろうね。人の顔を覚えていない。これは人とコミュニケーションをとるにあたって必要不可欠なことだから。
「ミライ」
「あ、クレア。」
同じ授業を取っているからそりゃ出会うよね。いつも隣だったし。あ、出会ったことだし聞いてみよう
「クレア、お前はなんか噂されてた?」
でた。コミュニケーションが苦手な人特有の説明不足。これだけでわかるってそれどんだけの読解力をもっているのだろう。うん、少なくとも僕は無理だね。
「あーなんかギルドに寄った時にチラチラって見られてたな」
「クレアもか・・僕もなんか変な目で見られててさ」
「サリア先輩のおかげで大事にはならなかったけど、それでも僕らは王族に逆らったからね」
クレアがいうからにはやっぱりそれだけのことをしちゃったってことなのか
「それも覚悟の上でしょ?」
「それはそうだけどさ」
「ま、そんな噂話を気にする性格だっけ?」
僕の性格では気にしないと思われているのか。僕だって心が傷つくことだってあるんだぞ。ガラスのハートの持ち主なんだぞ
「いや、どう見繕ってもガラスではない」
「そんなこと言っちゃう?」
ま、こんな冗談をお互いに言い合えるくらいには気にしていないってことかな。さ、次の授業のミラさんからスキルについて説明を受けなきゃ
「ねえ、あいつらじゃない?」
「あー王様に喧嘩売って見事に返り討ちにあったっていう?」
「そうそう、自分が弱いことを受け入れられなくてわがまま言って勝負申し込んだんだって」
「うわーださ」
そんな時に、こんな言葉が聞こえてきた。僕とクレアは互いに顔を見合わせ、肩をすくめる。噂が全ていいものであるとは思っていなかったし、なんなら悪いのしかないとさえ思っていた。だからまあ、彼女たちの言葉は割と正論だ。つーか、サリア先輩、僕らが勝手に喧嘩ふっかけて返り討ちになったってことで通したんですね。別にいいけど
「ミライ、サリア先輩から。ごめんなさいって」
どうせあの王様がそんなことを言ったんだろうとは思ってましたよ。本当のことが広まってしまったら色々とまずいし。中立を歌っているこの「星」の国からどんな目で見られるか。それに聞いたところによれば「光」の国っていくつかの国と緊張状態にあるみたいだし、変に弱みを見せたくないもんね。だから箝口令を敷いたと。サリア先輩の方も公にはしたくなかったみたいだし、シェミン先輩についてなにかしらあるみたいだからそれを隠したかったんだろう。「なぜ」シェミンにあそこまでの恨みがあったのかを知られたくないのだろう。あくまで予想でしかないけど
「みなさん、今日も授業を始めますよ」
ミラさんきた。いつも通りの授業になった・・って言いたかったな。でもそれはできなかった。僕とクレアの方にちらりちらりと視線がずっと送られてくる。まえの授業の比ではない。うちの学校はなんだかんだんで真面目な人多いしなによりアルバさんの影響が有無を言わせぬ威圧感的なのが大きかったんだろうな。でも今回はちょっと無理そう。それで僕らに好奇の視線が向かってきているのだ。あ、理由もう一つあった。僕らについてあまり知らなかったらそりゃ興味が湧いてくるよね。
「みなさん、どうしたんですか?今日は特に集中力がないですよ?確かに新人戦の予選は来週ですが・・・」
「ミラ先輩。あそこにいる二人がミライとクレアですか?」
「え?それがどうしたんです?」
「やっぱりか・・・」「そうなのか。まあ確かに弱そうな顔をしてるけど」「てかあいつら新人戦に出るんだっけ?」「あ、それ私も聞いたサリアさんが出願をしたって」「は?あいつらなにさせてんだよ」「もしかして親がどっかの貴族とか?」「じゃあそれで親の権力を笠にそんなことしてるのか」「サリア先輩かわいそう・・・」
まてまて、話がおかしな方向に広がっていっているぞ。
「僕が貴族なのは間違って・・・ない?」
「それはそうか」
そして僕は貴族ではないけど・・・まあ異世界人だからそれに近いのかな。思わず笑ってしまう。でも、これが良くなかった
「なんであいつら笑って入れるんだよ」「反省してないのか・・・ひどい奴らだ」「本当にひどい人たちだったんだ」「クレアってあれかもしかして一年最速の・・・」「それもどうせ親の力だろ」「あいつら・・・俺のシズク先輩に」「お前んじゃねえだろ」
うん、名もなき学生よ。シズク先輩はお前ごときが従えることができるとは思わないことだ。と謎の人物的な感じのことを言ってみる。いやぁ、にしてもかなりひどい言われようだなぁ。ここまでくると笑ってしまうよ
「散々だね」
「ま、しょうがないか」
僕らが普段絡んでいるのが人気な人たちばっかりみたいだからねぇ。ま、こういう時もあるさってことで。少し授業が荒れてしまったけどそれ以降はミラさんがなんとかこの場を収めてくれた。これでなんとかなるって思っていたんだけど・・・事態はよそう以上に深刻だった。
それからというもの、僕らは常に注目され、批判を受けるようになった。どうやら僕たちは貴族のボンボンだと思われているらしい。しかも傲慢でどうしようもなく酷い人間だと言われてしまった。こういう時に助けてくれそうなクラスメイトもとい同郷の人たちは、僕の山胡桃さんの対応とかこれまでしてきた行いとかもろもろによって僕が噂されている通りの人間だと、ひどくて心のない人間であると思ってしまったらしい。さすがに四万十さんや天衣は違うとわかってくれているが訂正する気はないらしい。
「すまん、よくよく思えば地球にいたときお前と絡んでなかったわ」
だから僕の本質をよく知らない、と。ま、それもそうだね。で、僕のことを唯一わかってくれているというか知っている角先はといえばなにもしてくれない。まあ一度聞かれたけど正直に山胡桃に酷い言葉を言いましたっていうと「君がそんなやつだったんだね」って一言。まあこいつは山胡桃と付き合ってるし友人よりも恋人を優先するよね。は、これだから恋ってのは面倒なんだよ。恋は盲目ってよく言われるよね。うん、身をもって実感した
少し脱線しちゃったけど、ようは僕とクレアはみんなから嫌われ者になってしまったらしい。嫌われ者という表現は少し違うかもしれないけど、なんていうか、うん嫌われ者がぴったしかな。僕の語彙力がないからこれで勘弁してほしい。それ以上に今の状態を表す言葉を僕は知らないんだ。もっと国語の勉強をしておけばよかったよ。
そんなこんなで一週間が経ち新人戦に突入した。今日はその説明会だ。僕らは村八分にされているのでクレアと仲良く説明会上の後ろの方で縮細ってっていることにした。
「みなさん、この度は新人戦に参加してくださりありがとうございます。では、私がルールや予選について説明を行っていこうと思います」
いつものようにサリア先輩が説明しようとした時に、そのヤジが飛んできた
「サリアさん、どうしてあの二人を参加させるんですか?」
その言葉に、会場は騒然となった
「彼らは規約に従って申請し、受理されました。だから問題ないはずです」
「それが問題なんですよ」
サリア先輩の声を無視して食いついていく。やっかみとかは受けるとは思っていたけどもまさかここまで直接的なものが来るとは思っていなかったな。で、彼らの主張を聞くとしようか
「あの二人の申請をしたのはサリア先輩、あなただと聞きました。つまり彼らは『自分自身』でエントリーしてないのですよ」
「それは彼らが事故により意識不明で、彼らのギルドマスターより参加の旨を聞いていました。なので問題ないと思いますが」
「その意識不明も彼らの自業自得だと聞いています」
「そうです。自分で戦いをふっかけて返り討ちにあって意識不明になったんだ。これに救済措置を取るわけにはいきません」
「ですが・・・」
あー、そういうことね。サリア先輩は事情を知っているから特例として認めることができるけどまったく知らない人からすればたまったもんじゃないよな。でもまさか他に申請を忘れてしまった人とかいるのかな。それならわからなくもないけど・・・
「とにかく、あの二人は参加すべきでないです」
「そうだそうだ!弱いくせに粋がって負けるとか酷すぎる」
てかなんで参加させないって話になっているのかまったくわからないんだけど。そして弱いくせにって・・・僕らどんだけ弱い人認定されているのか
「なら問題ないのでは?」
「え?」
「彼らが弱いのであれば、あなたたちが勝てるというもの。負ければ本線には当然出られない。ですので問題ないのでは?」
「まあそうだけど・・・」「てかなんで参加させたくなかったんだっけ?」「あれだろ特別扱いが気にくわないとか」「あーそれはわかる。弱いくせになんで特別扱い受けるんだって思いは確かにわかる」
さて、僕はなにか動くべきだろうか。正直な話、なんかどうでもよくなってきた。
「では・・・そこまで言うのなら、あの二人のうち出場できるのは一名ということにしましょう」
「?」
何言っているんだ。つまり僕とクレアで戦うってことなのか
「予選として四人一組でリーグ戦をおこなってもらいます。つまりこの4人のなかで一位のみが本線に出られます。そしてミライとクレアを同じグループにしましょう」
そういうことか。それは僕としても望むところだな。優勝を目指す以上最も高い壁になるのはクレアなんだよな。だから早いうちに決着をつけることができるのはありがたい。
「ミライ」
「わかってる」
そしてサリア先輩からグループわけが発表されていく。どの4人になるのかはわからないけど、ここでクラスメートと当たるとか普通にありえそうだな。もう投げやりで僕らのところにまとめて放り込んできそう。
「では、次にグループP、ミライ、クレア」
ついに来た。さあ。誰になる
「メンヤマ、ナリムラ」
いや、確かにクラスメート来そうだなって思ってけどさ、微妙すぎるだろ。え?こういう時ってさ、楠とか天衣とかが来るもんじゃないの?なんだよ。もってないな
「ミライ。君の反応から見て間違いないと思うんだけど」
「クレアが思っている通りだよ」
「それではみなさん、今からそれぞれ4人集まって予選を開始してください」
あ、今からなのか。なら麺山と鳴村の二人を探すとするか。えっと、二人のスキルは「砂」と「雷」。うん。終わった。
「紅」
「お、麺山」
「鳴村もいるぜ・・・そして彼がクレアか?」
「そうだよ」
「僕がクレアだ。よろしく・・・メンヤマとナリムラ」
これで4人揃ったな。じゃあ早速戦うとしますか。
「あ、別に今日1日で全試合消化する必要はありませんからね。各グループで調整してください。今週の土曜日までに終わらせればいいですから」
今日1日で終わらせなくてもいいのはありがたいな。
「あークレアと紅。悪いが俺は最後に麺山と戦いたい」
「わかった」
「じゃあ今日は俺と戦おうぜ」
今日で一回、あとはみんなの都合を考えて火曜日に二回目、そして風曜日に三回目をすることになった。別々に試合を組んでも良かったのだが、平等性を考えて同じ日にすることにした。これで試合が詰め込みすぎたり逆に間が空きすぎたりといったことがないようにした。他のグループではそこらへんでもめているけれども、ま、うちは日本人が大半ってのが助かったな。さ、修練場に移動して戦うとしますか
次にスキルの授業に向かう。ここではさっきと違いこの世界の人・・・回りくどい言い方をしなければlクラスメート以外の人間がいる可能性が高くなる。うん、実は同じ授業を受けている人をよく覚えていないんだ。この辺りが万年ぼっちの所以だろうね。人の顔を覚えていない。これは人とコミュニケーションをとるにあたって必要不可欠なことだから。
「ミライ」
「あ、クレア。」
同じ授業を取っているからそりゃ出会うよね。いつも隣だったし。あ、出会ったことだし聞いてみよう
「クレア、お前はなんか噂されてた?」
でた。コミュニケーションが苦手な人特有の説明不足。これだけでわかるってそれどんだけの読解力をもっているのだろう。うん、少なくとも僕は無理だね。
「あーなんかギルドに寄った時にチラチラって見られてたな」
「クレアもか・・僕もなんか変な目で見られててさ」
「サリア先輩のおかげで大事にはならなかったけど、それでも僕らは王族に逆らったからね」
クレアがいうからにはやっぱりそれだけのことをしちゃったってことなのか
「それも覚悟の上でしょ?」
「それはそうだけどさ」
「ま、そんな噂話を気にする性格だっけ?」
僕の性格では気にしないと思われているのか。僕だって心が傷つくことだってあるんだぞ。ガラスのハートの持ち主なんだぞ
「いや、どう見繕ってもガラスではない」
「そんなこと言っちゃう?」
ま、こんな冗談をお互いに言い合えるくらいには気にしていないってことかな。さ、次の授業のミラさんからスキルについて説明を受けなきゃ
「ねえ、あいつらじゃない?」
「あー王様に喧嘩売って見事に返り討ちにあったっていう?」
「そうそう、自分が弱いことを受け入れられなくてわがまま言って勝負申し込んだんだって」
「うわーださ」
そんな時に、こんな言葉が聞こえてきた。僕とクレアは互いに顔を見合わせ、肩をすくめる。噂が全ていいものであるとは思っていなかったし、なんなら悪いのしかないとさえ思っていた。だからまあ、彼女たちの言葉は割と正論だ。つーか、サリア先輩、僕らが勝手に喧嘩ふっかけて返り討ちになったってことで通したんですね。別にいいけど
「ミライ、サリア先輩から。ごめんなさいって」
どうせあの王様がそんなことを言ったんだろうとは思ってましたよ。本当のことが広まってしまったら色々とまずいし。中立を歌っているこの「星」の国からどんな目で見られるか。それに聞いたところによれば「光」の国っていくつかの国と緊張状態にあるみたいだし、変に弱みを見せたくないもんね。だから箝口令を敷いたと。サリア先輩の方も公にはしたくなかったみたいだし、シェミン先輩についてなにかしらあるみたいだからそれを隠したかったんだろう。「なぜ」シェミンにあそこまでの恨みがあったのかを知られたくないのだろう。あくまで予想でしかないけど
「みなさん、今日も授業を始めますよ」
ミラさんきた。いつも通りの授業になった・・って言いたかったな。でもそれはできなかった。僕とクレアの方にちらりちらりと視線がずっと送られてくる。まえの授業の比ではない。うちの学校はなんだかんだんで真面目な人多いしなによりアルバさんの影響が有無を言わせぬ威圧感的なのが大きかったんだろうな。でも今回はちょっと無理そう。それで僕らに好奇の視線が向かってきているのだ。あ、理由もう一つあった。僕らについてあまり知らなかったらそりゃ興味が湧いてくるよね。
「みなさん、どうしたんですか?今日は特に集中力がないですよ?確かに新人戦の予選は来週ですが・・・」
「ミラ先輩。あそこにいる二人がミライとクレアですか?」
「え?それがどうしたんです?」
「やっぱりか・・・」「そうなのか。まあ確かに弱そうな顔をしてるけど」「てかあいつら新人戦に出るんだっけ?」「あ、それ私も聞いたサリアさんが出願をしたって」「は?あいつらなにさせてんだよ」「もしかして親がどっかの貴族とか?」「じゃあそれで親の権力を笠にそんなことしてるのか」「サリア先輩かわいそう・・・」
まてまて、話がおかしな方向に広がっていっているぞ。
「僕が貴族なのは間違って・・・ない?」
「それはそうか」
そして僕は貴族ではないけど・・・まあ異世界人だからそれに近いのかな。思わず笑ってしまう。でも、これが良くなかった
「なんであいつら笑って入れるんだよ」「反省してないのか・・・ひどい奴らだ」「本当にひどい人たちだったんだ」「クレアってあれかもしかして一年最速の・・・」「それもどうせ親の力だろ」「あいつら・・・俺のシズク先輩に」「お前んじゃねえだろ」
うん、名もなき学生よ。シズク先輩はお前ごときが従えることができるとは思わないことだ。と謎の人物的な感じのことを言ってみる。いやぁ、にしてもかなりひどい言われようだなぁ。ここまでくると笑ってしまうよ
「散々だね」
「ま、しょうがないか」
僕らが普段絡んでいるのが人気な人たちばっかりみたいだからねぇ。ま、こういう時もあるさってことで。少し授業が荒れてしまったけどそれ以降はミラさんがなんとかこの場を収めてくれた。これでなんとかなるって思っていたんだけど・・・事態はよそう以上に深刻だった。
それからというもの、僕らは常に注目され、批判を受けるようになった。どうやら僕たちは貴族のボンボンだと思われているらしい。しかも傲慢でどうしようもなく酷い人間だと言われてしまった。こういう時に助けてくれそうなクラスメイトもとい同郷の人たちは、僕の山胡桃さんの対応とかこれまでしてきた行いとかもろもろによって僕が噂されている通りの人間だと、ひどくて心のない人間であると思ってしまったらしい。さすがに四万十さんや天衣は違うとわかってくれているが訂正する気はないらしい。
「すまん、よくよく思えば地球にいたときお前と絡んでなかったわ」
だから僕の本質をよく知らない、と。ま、それもそうだね。で、僕のことを唯一わかってくれているというか知っている角先はといえばなにもしてくれない。まあ一度聞かれたけど正直に山胡桃に酷い言葉を言いましたっていうと「君がそんなやつだったんだね」って一言。まあこいつは山胡桃と付き合ってるし友人よりも恋人を優先するよね。は、これだから恋ってのは面倒なんだよ。恋は盲目ってよく言われるよね。うん、身をもって実感した
少し脱線しちゃったけど、ようは僕とクレアはみんなから嫌われ者になってしまったらしい。嫌われ者という表現は少し違うかもしれないけど、なんていうか、うん嫌われ者がぴったしかな。僕の語彙力がないからこれで勘弁してほしい。それ以上に今の状態を表す言葉を僕は知らないんだ。もっと国語の勉強をしておけばよかったよ。
そんなこんなで一週間が経ち新人戦に突入した。今日はその説明会だ。僕らは村八分にされているのでクレアと仲良く説明会上の後ろの方で縮細ってっていることにした。
「みなさん、この度は新人戦に参加してくださりありがとうございます。では、私がルールや予選について説明を行っていこうと思います」
いつものようにサリア先輩が説明しようとした時に、そのヤジが飛んできた
「サリアさん、どうしてあの二人を参加させるんですか?」
その言葉に、会場は騒然となった
「彼らは規約に従って申請し、受理されました。だから問題ないはずです」
「それが問題なんですよ」
サリア先輩の声を無視して食いついていく。やっかみとかは受けるとは思っていたけどもまさかここまで直接的なものが来るとは思っていなかったな。で、彼らの主張を聞くとしようか
「あの二人の申請をしたのはサリア先輩、あなただと聞きました。つまり彼らは『自分自身』でエントリーしてないのですよ」
「それは彼らが事故により意識不明で、彼らのギルドマスターより参加の旨を聞いていました。なので問題ないと思いますが」
「その意識不明も彼らの自業自得だと聞いています」
「そうです。自分で戦いをふっかけて返り討ちにあって意識不明になったんだ。これに救済措置を取るわけにはいきません」
「ですが・・・」
あー、そういうことね。サリア先輩は事情を知っているから特例として認めることができるけどまったく知らない人からすればたまったもんじゃないよな。でもまさか他に申請を忘れてしまった人とかいるのかな。それならわからなくもないけど・・・
「とにかく、あの二人は参加すべきでないです」
「そうだそうだ!弱いくせに粋がって負けるとか酷すぎる」
てかなんで参加させないって話になっているのかまったくわからないんだけど。そして弱いくせにって・・・僕らどんだけ弱い人認定されているのか
「なら問題ないのでは?」
「え?」
「彼らが弱いのであれば、あなたたちが勝てるというもの。負ければ本線には当然出られない。ですので問題ないのでは?」
「まあそうだけど・・・」「てかなんで参加させたくなかったんだっけ?」「あれだろ特別扱いが気にくわないとか」「あーそれはわかる。弱いくせになんで特別扱い受けるんだって思いは確かにわかる」
さて、僕はなにか動くべきだろうか。正直な話、なんかどうでもよくなってきた。
「では・・・そこまで言うのなら、あの二人のうち出場できるのは一名ということにしましょう」
「?」
何言っているんだ。つまり僕とクレアで戦うってことなのか
「予選として四人一組でリーグ戦をおこなってもらいます。つまりこの4人のなかで一位のみが本線に出られます。そしてミライとクレアを同じグループにしましょう」
そういうことか。それは僕としても望むところだな。優勝を目指す以上最も高い壁になるのはクレアなんだよな。だから早いうちに決着をつけることができるのはありがたい。
「ミライ」
「わかってる」
そしてサリア先輩からグループわけが発表されていく。どの4人になるのかはわからないけど、ここでクラスメートと当たるとか普通にありえそうだな。もう投げやりで僕らのところにまとめて放り込んできそう。
「では、次にグループP、ミライ、クレア」
ついに来た。さあ。誰になる
「メンヤマ、ナリムラ」
いや、確かにクラスメート来そうだなって思ってけどさ、微妙すぎるだろ。え?こういう時ってさ、楠とか天衣とかが来るもんじゃないの?なんだよ。もってないな
「ミライ。君の反応から見て間違いないと思うんだけど」
「クレアが思っている通りだよ」
「それではみなさん、今からそれぞれ4人集まって予選を開始してください」
あ、今からなのか。なら麺山と鳴村の二人を探すとするか。えっと、二人のスキルは「砂」と「雷」。うん。終わった。
「紅」
「お、麺山」
「鳴村もいるぜ・・・そして彼がクレアか?」
「そうだよ」
「僕がクレアだ。よろしく・・・メンヤマとナリムラ」
これで4人揃ったな。じゃあ早速戦うとしますか。
「あ、別に今日1日で全試合消化する必要はありませんからね。各グループで調整してください。今週の土曜日までに終わらせればいいですから」
今日1日で終わらせなくてもいいのはありがたいな。
「あークレアと紅。悪いが俺は最後に麺山と戦いたい」
「わかった」
「じゃあ今日は俺と戦おうぜ」
今日で一回、あとはみんなの都合を考えて火曜日に二回目、そして風曜日に三回目をすることになった。別々に試合を組んでも良かったのだが、平等性を考えて同じ日にすることにした。これで試合が詰め込みすぎたり逆に間が空きすぎたりといったことがないようにした。他のグループではそこらへんでもめているけれども、ま、うちは日本人が大半ってのが助かったな。さ、修練場に移動して戦うとしますか
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