電気使いは今日もノリで生きる
完璧な敗北
皐月4週目日曜日
僕の全力の拳はシグに正確にはシグの体に届くことはなかった
「なんだ。その程度だったのか」
僕の拳は鎧に触れた状態で止まっている。握られた拳からは静電気がなくなって形を留めることのできなくなった砂鉄がサラサラと流れ落ちていっている。鎧に触れた瞬間僕の電気は全て吸収されてしまった。『領域』によって嵩増しされた分も全て吸収されてしまった。
「ミライ!早く逃げてください」
サリア先輩の叫ぶ声が聞こえてくるけど僕は動くことができない。なんとなくだけど直感で理解してしまった。僕が少しでも動いた瞬間、シグは僕を殺そうとするってことが
「もう少しやりがいのある相手だと思っていたのだがな」
「・・・」
言葉が出ない。僕はまだ生きている。考えることができる。この状況を変えるにはどうすればいい?でも、それをしたところで
何か変わるのか?
だめだ思考がまとまらない。考えろ、否定的な感情は心から取り除いていくんだ。前向きに考えないとすぐに思ってしまう。死ぬことを
いやだ、死にたくない。僕はまだ自分のするべきことをできていない。まって僕のするべきこと、したいことってなんだったっけ?もう忘れてしまったのかな。忘れてしまうくらいどうでもいいことだったのだろうか
「・・・ミライくん!」
「くっ・・・」
「避けろよ!『火の玉』」
クレアが魔法を放ってくれる。でもぼけっとしている僕はまともに避けることもできずに直撃してしまう。
「ほお、貴様はまだやる気があるらしいな」
「僕はこんなところで引きたくない」
「ふん、少しくらい本気を出すか」
ジクが両手を合わせると、その隙間から一つの剣が現れる。強キャラって大抵剣を振り回すよね。
「さて、貴様はどこまで俺を楽しませてくれるかな」
呟いた瞬間、ジクの姿が消える。え?消えた?瞬間移動・・・
「なんだ。お前も結局同じか」
「が・・・は・・・」
次の瞬間にはもう、クレアが剣に貫かれていた。口から血を吐いている。
「クレア!」
今回は楠がいない。起きた現実を変えることができない。だからクレアが貫かれたという事実は変えようがない
「・・・」
「ぬ?」
悲鳴をあげるサリア先輩や現実を直視したくない僕、そんな外野の人たちを片目に、クレアは、笑っていた
「はあ・・・まだ・・・だ、『火剣乱舞』」
「自爆特攻か!」
その状態で魔法を発動させる。慌ててジクは距離を取ろうとしたんだけども剣をクレアが握っているために離れることができない。
「それでも俺の技能の前には届かないぞ」
クレアが死ぬ気で放った剣はすべて又しても闇に吸収されて消えてしまった。そう、あそこまでしても届くことがなかったのだ
「いいや、これでいい」
「どういうことだ?」
クレアは目がうつろになりながらもーそうだ剣が刺さっている箇所からずっと血が流れている。さらに剣を抑えている手も切れているのだろう。そこから血がまた滴っている。血をうしないすぎて意識を保つことができなくなってきているのだ
「僕は『闇』のスキルについては少し知っている。術者の力量にもよるが・・・吸収量には限りがある!」
「ふん、だからどうした」
「・・・ミライ!僕は自分の目標のために命を賭けれる。君はどうなんだ!」
僕は何もクレアに話していない。でも、なんとなく察してくれていたのだろう。天衣たちクラスメートのことを話す時に少しだけ寂しさをにじませていたことを。
僕はまだなにも変われていない・・・でも、今ここで立ち上がらなければきっと、また変わらないのだろう。『麒麟』を前にしてなにもできなかったあの日、変わりたいと、自分を認めたいと決意したあの日からずっと、立ち止まっていたのだろう。言い訳なんていくらでも出てくる。生きるのに必死だったとか、学校という新しい環境に適応するので一杯一杯だったとか。・・・そうじゃないだろ。
クレアの言葉はそうして立ち止まっていた僕をもういちどいや、最初の一歩を踏みださせてくれた。
変わりたいんだ。なにもしない、なにもできなかったあの時とは違うようになりたいんだ。僕は別にいじめられていたとかそんなことはない。ただ、誰にも注目されなかっただけだ。いてもいなくてもなにも変わりがないそんな存在。クラスメートが話していたらその輪に入ることはできてもクラスメートから話しかけられることがないその程度の存在だったんだ。だから変わりたいと願った。
どうすれば変わるのかわからない。今この時だってシェミン先輩が連れ去られているのを見てとっさになんとかしなきゃって思ったけどそれが正しかったのかはわからない。
ただ、知り合いが連れ去られているのを見てなにもしないのは違うと・・・本能で思ったからこそ、動いたんだ。ああ、そうだ。ここで動かなかったらあの時熊に襲われた時に角先と天衣に任せて動かなかった自分と同じになっちゃうじゃないか。そして傷ついた二人をみて後悔した、あの時と
「『電気鎧』」
もう迷わない。今から自分のするべきことに加えてやる。・・・漠然と思っていたけれどきちんと言葉に出してやる
『知り合いを見捨てない』
それが、僕が自分を認めるための第一歩だから。
「まだやるか。なんですぐ復活するかね」
再び魔法を発動した僕をみてそんなことをいう。知るか。人間いつ急に成長するかなんて誰も知らないだろうが。僕は変わりたいと願っていた。そして今が変わる時だと思った。それだけの話じゃないか
「さっきまでとは目が違うな。覚悟を決めたか」
クレアに突き刺さっていた剣を抜く。クレア・・。血をうしないすぎたのかもう意識がない。あのままでは失血死してしまう。急いでこいつを倒さなきゃ。
「じゃあ貴様の覚悟を見せてみろ」
くる!相手の出方を見てから反応するのでは遅い。さっきの時と同じだと考えればーきっと同じ行動をしてくる、そんな予感がしたー正面から来るはずだ
「『放電』」
だから、とにかく目の前に向かって電撃をはなつ。そうすれば方向変換などで少しでも隙が生まれる。そのタイミングで次の一手を考えよう。
「俺がそう素直だと思ったか」
「なん・・・で」
目線を下げると剣の切っ先が見えた。後ろから刺されたようだ。なぜだ?理由は簡単だシグが後ろから僕を刺した。それだけの話。
「さっきのと同じと思ったか。確かに俺は貴様に失望した・・・だが、覚悟を決めたものの強さも知っている」
だから前から攻撃してくると読んで前方に攻撃を放ってくると。
「だが惜しいな。さっきも言ったが、俺の速さについてこれてない」
声の大きさからして、多分近くにいるな。なら丁度いい。ああ、クレア、君も同じことを思っていたんだね。あの時は倒れても僕がいるからって
「その剣を抜きなさい!私が・・・あなたを倒します!」
「サリちゃん・・・」
そして今はサリア先輩がいる。副会長としての立場からまともに動くことができてなかったけど、僕たち二人が刺されたのをみて立ち上がってくれた。遅いとも思わない。だってさっきまで騎士達に取り押さえられていたから。その証拠に、横を見れば騎士達が倒れているのが見える。助けるために立場を忘れて倒してくれたのだろう
「副会長!副会長であるお主がそんなことをしてもよいのか」
「構いません!大切な友人を大切な後輩をここまでされて黙っていられません」
おお、サリア先輩格好いい!漢だねぇっていいかけたけど多分そんなことを言ったら殺されるよね。うん。
「ほお、貴様が戦うというのか」
でも、僕はまだ意識がある。最後の仕掛けと行きますか
「愚かな。貴様ほどの実力があれば俺との実力差もわかるというのに。では望み通り抜いてやろう」
今抜かれたら困るんだよね。ああ、クレアもこんな気持ちだったのかな。剣が突き刺さっているということは言い換えればこいつは動くことができない。もちろん、剣を捨てれば問題ないのだがそうすればサリアさんが相当有利になるだろう。
「抜けん・・・貴様も邪魔するか。なんだこの鉄の塊は」
腕だけに集中させていた砂鉄を背中に回す。そこに静電気を走らせればいいだけだからそこまで難しい話ではない。そしてわざわざそれをする意味は簡単、剣は詳しい成分はわからないけど何かしらの金属でできている。はず!まあ違ったら違ったらでいいけどさ。剣の周りに無茶苦茶に鉄をくっつけていく。そうすることで重りにすることができる。かなりの量になれば抜くことが大分困難になるはずだ。もちろん手でも握っている。痛い・・・でも、痛みはあまり感じなくなってきた。長い時間もたないかもしれない。
「いらぬ小細工を・・・だが貴様の場合は電気を吸収してしまえばそれで終わりよ」
電気が吸収されていっているのを感じる。鉄がパラパラと落ちていっている音がする。こういう吸収系の弱点はさっきクレアが言ってくれた。限界まで電気を放出し続けてやる。
「無駄な抵抗をするか!・・・む」
負けてたまるか・・・最後に意地を見せてやる。僕の負けは確定したけれどもそれでも、ただ負けるなんて嫌だ。
「吸収が追いつかん・・・」
「うおおおおおおおお!『放電』」
自分の背中に意識を集中してとにかくとにかく電気を放ち続ける
「サリア先輩!後は頼みまs」
最後まで言葉を放つことができなかった。ここで僕の意識は途絶えた。多分、出血多量で僕は死ぬのだろう・・・はは、先輩を助けようとして結局僕が殺られちゃったか。でも、もういいか。最後に動くことができてよかったよ。
「ミライ!・・・お願い・・・・死なないで」
泣きそうな声で僕の名前を呼ぶ声が聞こえた・・・ごめんなさい。もう、意識が・・・
「足掻きだけは認めよう。貴様らの勝ちだ。・・・少し騒ぎすぎたようです。野次馬が集まってきました。シェミン・ルーナーの捕縛は諦めたほうがよろしいかと」
「ぐぬぬ・・・仕方ない。だが、シェミン・ルーナーよ。覚えておけ、貴様がいる限りこうして被害が広がるからな」
僕の全力の拳はシグに正確にはシグの体に届くことはなかった
「なんだ。その程度だったのか」
僕の拳は鎧に触れた状態で止まっている。握られた拳からは静電気がなくなって形を留めることのできなくなった砂鉄がサラサラと流れ落ちていっている。鎧に触れた瞬間僕の電気は全て吸収されてしまった。『領域』によって嵩増しされた分も全て吸収されてしまった。
「ミライ!早く逃げてください」
サリア先輩の叫ぶ声が聞こえてくるけど僕は動くことができない。なんとなくだけど直感で理解してしまった。僕が少しでも動いた瞬間、シグは僕を殺そうとするってことが
「もう少しやりがいのある相手だと思っていたのだがな」
「・・・」
言葉が出ない。僕はまだ生きている。考えることができる。この状況を変えるにはどうすればいい?でも、それをしたところで
何か変わるのか?
だめだ思考がまとまらない。考えろ、否定的な感情は心から取り除いていくんだ。前向きに考えないとすぐに思ってしまう。死ぬことを
いやだ、死にたくない。僕はまだ自分のするべきことをできていない。まって僕のするべきこと、したいことってなんだったっけ?もう忘れてしまったのかな。忘れてしまうくらいどうでもいいことだったのだろうか
「・・・ミライくん!」
「くっ・・・」
「避けろよ!『火の玉』」
クレアが魔法を放ってくれる。でもぼけっとしている僕はまともに避けることもできずに直撃してしまう。
「ほお、貴様はまだやる気があるらしいな」
「僕はこんなところで引きたくない」
「ふん、少しくらい本気を出すか」
ジクが両手を合わせると、その隙間から一つの剣が現れる。強キャラって大抵剣を振り回すよね。
「さて、貴様はどこまで俺を楽しませてくれるかな」
呟いた瞬間、ジクの姿が消える。え?消えた?瞬間移動・・・
「なんだ。お前も結局同じか」
「が・・・は・・・」
次の瞬間にはもう、クレアが剣に貫かれていた。口から血を吐いている。
「クレア!」
今回は楠がいない。起きた現実を変えることができない。だからクレアが貫かれたという事実は変えようがない
「・・・」
「ぬ?」
悲鳴をあげるサリア先輩や現実を直視したくない僕、そんな外野の人たちを片目に、クレアは、笑っていた
「はあ・・・まだ・・・だ、『火剣乱舞』」
「自爆特攻か!」
その状態で魔法を発動させる。慌ててジクは距離を取ろうとしたんだけども剣をクレアが握っているために離れることができない。
「それでも俺の技能の前には届かないぞ」
クレアが死ぬ気で放った剣はすべて又しても闇に吸収されて消えてしまった。そう、あそこまでしても届くことがなかったのだ
「いいや、これでいい」
「どういうことだ?」
クレアは目がうつろになりながらもーそうだ剣が刺さっている箇所からずっと血が流れている。さらに剣を抑えている手も切れているのだろう。そこから血がまた滴っている。血をうしないすぎて意識を保つことができなくなってきているのだ
「僕は『闇』のスキルについては少し知っている。術者の力量にもよるが・・・吸収量には限りがある!」
「ふん、だからどうした」
「・・・ミライ!僕は自分の目標のために命を賭けれる。君はどうなんだ!」
僕は何もクレアに話していない。でも、なんとなく察してくれていたのだろう。天衣たちクラスメートのことを話す時に少しだけ寂しさをにじませていたことを。
僕はまだなにも変われていない・・・でも、今ここで立ち上がらなければきっと、また変わらないのだろう。『麒麟』を前にしてなにもできなかったあの日、変わりたいと、自分を認めたいと決意したあの日からずっと、立ち止まっていたのだろう。言い訳なんていくらでも出てくる。生きるのに必死だったとか、学校という新しい環境に適応するので一杯一杯だったとか。・・・そうじゃないだろ。
クレアの言葉はそうして立ち止まっていた僕をもういちどいや、最初の一歩を踏みださせてくれた。
変わりたいんだ。なにもしない、なにもできなかったあの時とは違うようになりたいんだ。僕は別にいじめられていたとかそんなことはない。ただ、誰にも注目されなかっただけだ。いてもいなくてもなにも変わりがないそんな存在。クラスメートが話していたらその輪に入ることはできてもクラスメートから話しかけられることがないその程度の存在だったんだ。だから変わりたいと願った。
どうすれば変わるのかわからない。今この時だってシェミン先輩が連れ去られているのを見てとっさになんとかしなきゃって思ったけどそれが正しかったのかはわからない。
ただ、知り合いが連れ去られているのを見てなにもしないのは違うと・・・本能で思ったからこそ、動いたんだ。ああ、そうだ。ここで動かなかったらあの時熊に襲われた時に角先と天衣に任せて動かなかった自分と同じになっちゃうじゃないか。そして傷ついた二人をみて後悔した、あの時と
「『電気鎧』」
もう迷わない。今から自分のするべきことに加えてやる。・・・漠然と思っていたけれどきちんと言葉に出してやる
『知り合いを見捨てない』
それが、僕が自分を認めるための第一歩だから。
「まだやるか。なんですぐ復活するかね」
再び魔法を発動した僕をみてそんなことをいう。知るか。人間いつ急に成長するかなんて誰も知らないだろうが。僕は変わりたいと願っていた。そして今が変わる時だと思った。それだけの話じゃないか
「さっきまでとは目が違うな。覚悟を決めたか」
クレアに突き刺さっていた剣を抜く。クレア・・。血をうしないすぎたのかもう意識がない。あのままでは失血死してしまう。急いでこいつを倒さなきゃ。
「じゃあ貴様の覚悟を見せてみろ」
くる!相手の出方を見てから反応するのでは遅い。さっきの時と同じだと考えればーきっと同じ行動をしてくる、そんな予感がしたー正面から来るはずだ
「『放電』」
だから、とにかく目の前に向かって電撃をはなつ。そうすれば方向変換などで少しでも隙が生まれる。そのタイミングで次の一手を考えよう。
「俺がそう素直だと思ったか」
「なん・・・で」
目線を下げると剣の切っ先が見えた。後ろから刺されたようだ。なぜだ?理由は簡単だシグが後ろから僕を刺した。それだけの話。
「さっきのと同じと思ったか。確かに俺は貴様に失望した・・・だが、覚悟を決めたものの強さも知っている」
だから前から攻撃してくると読んで前方に攻撃を放ってくると。
「だが惜しいな。さっきも言ったが、俺の速さについてこれてない」
声の大きさからして、多分近くにいるな。なら丁度いい。ああ、クレア、君も同じことを思っていたんだね。あの時は倒れても僕がいるからって
「その剣を抜きなさい!私が・・・あなたを倒します!」
「サリちゃん・・・」
そして今はサリア先輩がいる。副会長としての立場からまともに動くことができてなかったけど、僕たち二人が刺されたのをみて立ち上がってくれた。遅いとも思わない。だってさっきまで騎士達に取り押さえられていたから。その証拠に、横を見れば騎士達が倒れているのが見える。助けるために立場を忘れて倒してくれたのだろう
「副会長!副会長であるお主がそんなことをしてもよいのか」
「構いません!大切な友人を大切な後輩をここまでされて黙っていられません」
おお、サリア先輩格好いい!漢だねぇっていいかけたけど多分そんなことを言ったら殺されるよね。うん。
「ほお、貴様が戦うというのか」
でも、僕はまだ意識がある。最後の仕掛けと行きますか
「愚かな。貴様ほどの実力があれば俺との実力差もわかるというのに。では望み通り抜いてやろう」
今抜かれたら困るんだよね。ああ、クレアもこんな気持ちだったのかな。剣が突き刺さっているということは言い換えればこいつは動くことができない。もちろん、剣を捨てれば問題ないのだがそうすればサリアさんが相当有利になるだろう。
「抜けん・・・貴様も邪魔するか。なんだこの鉄の塊は」
腕だけに集中させていた砂鉄を背中に回す。そこに静電気を走らせればいいだけだからそこまで難しい話ではない。そしてわざわざそれをする意味は簡単、剣は詳しい成分はわからないけど何かしらの金属でできている。はず!まあ違ったら違ったらでいいけどさ。剣の周りに無茶苦茶に鉄をくっつけていく。そうすることで重りにすることができる。かなりの量になれば抜くことが大分困難になるはずだ。もちろん手でも握っている。痛い・・・でも、痛みはあまり感じなくなってきた。長い時間もたないかもしれない。
「いらぬ小細工を・・・だが貴様の場合は電気を吸収してしまえばそれで終わりよ」
電気が吸収されていっているのを感じる。鉄がパラパラと落ちていっている音がする。こういう吸収系の弱点はさっきクレアが言ってくれた。限界まで電気を放出し続けてやる。
「無駄な抵抗をするか!・・・む」
負けてたまるか・・・最後に意地を見せてやる。僕の負けは確定したけれどもそれでも、ただ負けるなんて嫌だ。
「吸収が追いつかん・・・」
「うおおおおおおおお!『放電』」
自分の背中に意識を集中してとにかくとにかく電気を放ち続ける
「サリア先輩!後は頼みまs」
最後まで言葉を放つことができなかった。ここで僕の意識は途絶えた。多分、出血多量で僕は死ぬのだろう・・・はは、先輩を助けようとして結局僕が殺られちゃったか。でも、もういいか。最後に動くことができてよかったよ。
「ミライ!・・・お願い・・・・死なないで」
泣きそうな声で僕の名前を呼ぶ声が聞こえた・・・ごめんなさい。もう、意識が・・・
「足掻きだけは認めよう。貴様らの勝ちだ。・・・少し騒ぎすぎたようです。野次馬が集まってきました。シェミン・ルーナーの捕縛は諦めたほうがよろしいかと」
「ぐぬぬ・・・仕方ない。だが、シェミン・ルーナーよ。覚えておけ、貴様がいる限りこうして被害が広がるからな」
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