電気使いは今日もノリで生きる
鬼ごっこ開始
皐月一週目水曜日
鬼ごっこが始まった。できる限り頑張ってみるか。そりゃ報酬に魅力がないとは言わないけど・・・いや、ここは正直に嘘はいけない。ものすごく楽しみです。シェミン先輩を指名しないと後が怖いけれども
山道を歩く。鬼がスタートするまでに10分ほどの時間が与えられている。すぐに出発するわけではないみたいだ。これは助かる。今のうちにできる限り地形を覚えよう・・・うん、無理だ。ここがどこかまったくわからない
ピーーーーーーーーーーー
最初に高い音が聞こえたらそれが鬼が解き放たれた合図。つまりこれから鬼もいるってことだ。気を引き締めていかないとすぐに捕まってしまう。
こういうときにどうすればいいんだっけ?音を聞けばいいのかな。さすがに空を飛んでいれば木々に隠れて僕の姿をみることができないだろうし歩いているんじゃないかな。そうなったら木屑とか葉っぱとかを踏みしめる音が聞こえるんじゃないかな。
耳をすませてみよう・・・わからん。音というか・・・鳥の鳴き声なんかは聞こえてくるんだけど足音とかはまったくわからないな。でも同じ場所に留まっていると危険だから常に移動を心がけよう。
「まあこうしてるけど多分すぐに見つかるんだろうな」
「・・・誰に?」
「シェミン先輩かな〜でもグレン先輩もありえそ・・・」
えーっと、ベタな反応だけども僕は一体誰に返事をしたんだろう。こう言えばいいですかね、シェミン先輩
「・・・見つけた」
「いや早すぎません」
でもこれはかくれんぼじゃない。たとえ見つかったとしても走って振り払うことができたらそれで問題ない。幸いにも運動の苦手そうなシェミン先輩だ。逃げ切ることはたやすいだろう。
「・・・なんか・・・むかつく」
「心読まれた!」
正確には読まれていないだろうけど・・・でもなんかなんとなくのニュアンスを読み取られている気がする。とりあえず僕が今することは・・・
「全力で逃げる」
うおおおおおおお!走れーーー!たまに後ろを振り返りながら走っていけばきっとすぐに振り払うことができるだろう。
「・・・無理」
「ぐおっ」
足を取られて転んでしまう。僕は一体何で転ばされたんだろう。地面をみてみてもそれらしきものが見当たらない。すぐに立ち上がってまた走りだそう・・・とした
「・・・捕まえた」
「まじですか」
やっぱりこけてしまっては無理だったか。でも何気に先輩すごいな。こけたのがすぐとはいえ追いつくことができるなんて
「・・・私は・・・そこまで・・・運動苦手じゃ・・・ない」
その隙間は一体どっちの意味ですか?否定の前の隙間っていうことで嘘なのかそれともそういう話し方だからなのかわからない。
「・・・捕まえたから・・・私の言うこと・・・一つ聞いて」
そんな約束した覚えないんですけど。なんで急にそんな話になっているんだ。
「・・だって・・・逃げ切れたら・・・私とデート」
「え、あはい。そうですね」
危ない、危うく「え、なんで先輩となんですか?」って言いかけるところだった。さすがにこれは失言にもほどがある。僕は空気が読める人間なんで・・・けっして睨まれたからとかではないですよ?
「それで、何をすればいいんですか?」
弱みも握られちゃったし素直に聞くしかない。そんなに変なことは言ってくることはないとは思うけど
「・・・なにしよう?」
「考えてなかったんですか?」
やべ、思わず突っ込んでしまったよ。さすがにノープランだったとは考えたくなかったんだけど
「・・・うーん・・・まあ後々考える・・・」
後に持ち越しか。思いついた時に実行するタイプのやつね。まあいいですけどそれ気がついていたら忘れていたとかありえそう。
「・・・大丈夫・・・忘れないから」
「わかりました。じゃあ連れて行ってください」
「・・・なんで?」
「え?僕捕まりましたし」
捕まったら鬼に変わるのかな。でもそんなこと一言も言ってなかったし勝手にもとの場所に戻されるって考えていたんだけど違うのかな
「・・・1分待つから・・・また逃げて」
「そういうルールなんですね。わかりました」
「うん・・・あ、アドバイス・・・スキル使えば?」
「あの、それ使っちゃうとすぐに位置バレちゃうんじゃないですか?」
アドバイスはものすごくありがたい話なんですけどさすがにこのリストバンドがあるから難しいと思います。ほんとつくづく厄介な魔道具だよな
「・・・どうせ・・・見つかるから・・・変わらない」
そうだけど!すぐに先輩に見つかっちゃったんだけど、それでも少しでも隠密行動を心がけたいって思うのが人情ってやつじゃないですか
「・・・私たちの・・・探知能力を・・・なめすぎ」
「なるほど」
つまりスキルを使わないことによる隠密感はまったく無駄であると。そんなことを考えずにガンガンスキル使って逃げた方がいいとそういうわけですね
アドバイスをありがたく受け取って再び逃走を開始する。でも、僕の使える技能では逃走に役立ちそうなものなんてなさそうなんだけど
「あ、ミライ」
「クレア!」
ここに来てクレアと合流できたのはありがたい。
「ミライは捕まった?」
「シェミン先輩に一回。クレアは?」
「シオン先輩に」
お互いすでに捕獲された後か。ならもう報酬とか関係ないから思うようにできるか。僕はシェミン先輩からのアドバイスを伝える。クレアならなにか便利な能力とか持っていないかな。
「さすがにね・・・ああ、シオン先輩に言われたんだ。索敵の練習をしたらって」
「索敵か」
耳をすませていくってことだよな。というかなんでクレアにはそういうアドバイスをしてるんだよ。僕に対してはまったく助言なんてくれないのに
「でも索敵ってどうすればいいんだ?」
「耳をすませる?」
それぐらいしか思いつかないよ。
「それもあるけど一つ思ったんだ。ここでも『領域』使えるんじゃないかって」
『領域』ってそんなに便利なものなのだろうか。そこまで便利ならみんなもっと使ってそうなのに
「『領域』を極限まで広げてその範囲内にいる人を把握すれば逃げられるんじゃないか?」
「そんなことできるのかな」
半信半疑ではあるけどものは試しだやってみよう
「『電気の領域』」「『火の領域』」
お互いに背を向けて前方に範囲を絞って発動させる。適当にやってしまったら互いに打ち消しあってしまうから気をつけないと
「・・・」
意識を集中して・・・人間は微弱な電波を発しているからそれを感知するようにする。人間の電波は後ろのクレアを参考にすれば間違えることはない
・・・ずっと是方にまとまって動いているのを感じる。これは二年生の集団だろうか。正確な人数がわからないが。そしてその向こうに一人かな?これはさすがに鬼だろう。右のほうに電波を二つ。左は・・・
「間に合わなかった」
すぐに発動時間が終わってしまったからよくわからなかったな。く、練習していたから大分長続きするものだと思っていたけどそこまででもなかったな
「ミライどうだった?こっちは誰もいなかったけど」
「二年生らしき集団と鬼がいた。あと、右のほうに二人」
「よし、逃げよう」
さっきからずっとリストバンドが鳴っている。そこそこの大きさだから多分バレてしまっただろう。早くここから移動しないと
「どこに行こうとしてるのかな〜」
「「スバル先輩」」
「いや〜シオンのヒントからよく正解を出せたなってとこだけど残念。詰めが甘かったね」
「はい。捕まえた」
いつの間にやら後ろに回り込まれていた。あっけなく捕まる二人。いや、スバル先輩いつの間に瞬間移動したんだよ
「じゃあまた逃げてね〜二人とも方向性は間違ってないからね〜」
また逃げる。逃げた先でどうするか。
「『領域』の訓練なのか?」
「どうだろう・・・でも、無駄なことは決してしないよな」
またしても『領域』を使い周りの状況を確認する。近くに人はいるけど少し離れている。移動すれば避けられるかな
「おし、お前ら捕まえたぜ」
「グレン先輩」
当然この人から逃げられるはずもない。捕まってまた解放される。
「お二人とも見つけましたわ」
「二人見つけた」
「見つけた」
「見つけました。捕まえますね」
その後もどんどん見つかっては捕まっては解放されての繰り返し。何回これを繰り返したんだろう。もう十回はしたんじゃないか。時間はまだなのか。そろそろ終わりたいんだけど
「・・・『火の領域』」
「『電気の領域』」
たとえ無駄だとわかっても僕たちは止まるわけにはいかない。だんだんコツをつかめてきたから。慣れてきたのか少しずつ情報の整理ができるようになってきた。発動した際における周りの状況、どれだけの人がどれくらいの距離にいるのかを把握できるようになってきたから
一回戦が終了した。やはりというべきか。逃げ役の人たちは全員一度は捕まってしまっていた。さすが先輩。ちなみにだけど。僕とクレアが一番捕まっていた。まああれだけ音を撒き散らしていたのなら仕方ないね。
昼ごはんの休憩を挟んでー昼ごはんはユンさんがまとめて準備していた。なんだかんだで準備だけはいいみたいだーそして、これから、昼の部、第2回戦が始まる
鬼ごっこが始まった。できる限り頑張ってみるか。そりゃ報酬に魅力がないとは言わないけど・・・いや、ここは正直に嘘はいけない。ものすごく楽しみです。シェミン先輩を指名しないと後が怖いけれども
山道を歩く。鬼がスタートするまでに10分ほどの時間が与えられている。すぐに出発するわけではないみたいだ。これは助かる。今のうちにできる限り地形を覚えよう・・・うん、無理だ。ここがどこかまったくわからない
ピーーーーーーーーーーー
最初に高い音が聞こえたらそれが鬼が解き放たれた合図。つまりこれから鬼もいるってことだ。気を引き締めていかないとすぐに捕まってしまう。
こういうときにどうすればいいんだっけ?音を聞けばいいのかな。さすがに空を飛んでいれば木々に隠れて僕の姿をみることができないだろうし歩いているんじゃないかな。そうなったら木屑とか葉っぱとかを踏みしめる音が聞こえるんじゃないかな。
耳をすませてみよう・・・わからん。音というか・・・鳥の鳴き声なんかは聞こえてくるんだけど足音とかはまったくわからないな。でも同じ場所に留まっていると危険だから常に移動を心がけよう。
「まあこうしてるけど多分すぐに見つかるんだろうな」
「・・・誰に?」
「シェミン先輩かな〜でもグレン先輩もありえそ・・・」
えーっと、ベタな反応だけども僕は一体誰に返事をしたんだろう。こう言えばいいですかね、シェミン先輩
「・・・見つけた」
「いや早すぎません」
でもこれはかくれんぼじゃない。たとえ見つかったとしても走って振り払うことができたらそれで問題ない。幸いにも運動の苦手そうなシェミン先輩だ。逃げ切ることはたやすいだろう。
「・・・なんか・・・むかつく」
「心読まれた!」
正確には読まれていないだろうけど・・・でもなんかなんとなくのニュアンスを読み取られている気がする。とりあえず僕が今することは・・・
「全力で逃げる」
うおおおおおおお!走れーーー!たまに後ろを振り返りながら走っていけばきっとすぐに振り払うことができるだろう。
「・・・無理」
「ぐおっ」
足を取られて転んでしまう。僕は一体何で転ばされたんだろう。地面をみてみてもそれらしきものが見当たらない。すぐに立ち上がってまた走りだそう・・・とした
「・・・捕まえた」
「まじですか」
やっぱりこけてしまっては無理だったか。でも何気に先輩すごいな。こけたのがすぐとはいえ追いつくことができるなんて
「・・・私は・・・そこまで・・・運動苦手じゃ・・・ない」
その隙間は一体どっちの意味ですか?否定の前の隙間っていうことで嘘なのかそれともそういう話し方だからなのかわからない。
「・・・捕まえたから・・・私の言うこと・・・一つ聞いて」
そんな約束した覚えないんですけど。なんで急にそんな話になっているんだ。
「・・だって・・・逃げ切れたら・・・私とデート」
「え、あはい。そうですね」
危ない、危うく「え、なんで先輩となんですか?」って言いかけるところだった。さすがにこれは失言にもほどがある。僕は空気が読める人間なんで・・・けっして睨まれたからとかではないですよ?
「それで、何をすればいいんですか?」
弱みも握られちゃったし素直に聞くしかない。そんなに変なことは言ってくることはないとは思うけど
「・・・なにしよう?」
「考えてなかったんですか?」
やべ、思わず突っ込んでしまったよ。さすがにノープランだったとは考えたくなかったんだけど
「・・・うーん・・・まあ後々考える・・・」
後に持ち越しか。思いついた時に実行するタイプのやつね。まあいいですけどそれ気がついていたら忘れていたとかありえそう。
「・・・大丈夫・・・忘れないから」
「わかりました。じゃあ連れて行ってください」
「・・・なんで?」
「え?僕捕まりましたし」
捕まったら鬼に変わるのかな。でもそんなこと一言も言ってなかったし勝手にもとの場所に戻されるって考えていたんだけど違うのかな
「・・・1分待つから・・・また逃げて」
「そういうルールなんですね。わかりました」
「うん・・・あ、アドバイス・・・スキル使えば?」
「あの、それ使っちゃうとすぐに位置バレちゃうんじゃないですか?」
アドバイスはものすごくありがたい話なんですけどさすがにこのリストバンドがあるから難しいと思います。ほんとつくづく厄介な魔道具だよな
「・・・どうせ・・・見つかるから・・・変わらない」
そうだけど!すぐに先輩に見つかっちゃったんだけど、それでも少しでも隠密行動を心がけたいって思うのが人情ってやつじゃないですか
「・・・私たちの・・・探知能力を・・・なめすぎ」
「なるほど」
つまりスキルを使わないことによる隠密感はまったく無駄であると。そんなことを考えずにガンガンスキル使って逃げた方がいいとそういうわけですね
アドバイスをありがたく受け取って再び逃走を開始する。でも、僕の使える技能では逃走に役立ちそうなものなんてなさそうなんだけど
「あ、ミライ」
「クレア!」
ここに来てクレアと合流できたのはありがたい。
「ミライは捕まった?」
「シェミン先輩に一回。クレアは?」
「シオン先輩に」
お互いすでに捕獲された後か。ならもう報酬とか関係ないから思うようにできるか。僕はシェミン先輩からのアドバイスを伝える。クレアならなにか便利な能力とか持っていないかな。
「さすがにね・・・ああ、シオン先輩に言われたんだ。索敵の練習をしたらって」
「索敵か」
耳をすませていくってことだよな。というかなんでクレアにはそういうアドバイスをしてるんだよ。僕に対してはまったく助言なんてくれないのに
「でも索敵ってどうすればいいんだ?」
「耳をすませる?」
それぐらいしか思いつかないよ。
「それもあるけど一つ思ったんだ。ここでも『領域』使えるんじゃないかって」
『領域』ってそんなに便利なものなのだろうか。そこまで便利ならみんなもっと使ってそうなのに
「『領域』を極限まで広げてその範囲内にいる人を把握すれば逃げられるんじゃないか?」
「そんなことできるのかな」
半信半疑ではあるけどものは試しだやってみよう
「『電気の領域』」「『火の領域』」
お互いに背を向けて前方に範囲を絞って発動させる。適当にやってしまったら互いに打ち消しあってしまうから気をつけないと
「・・・」
意識を集中して・・・人間は微弱な電波を発しているからそれを感知するようにする。人間の電波は後ろのクレアを参考にすれば間違えることはない
・・・ずっと是方にまとまって動いているのを感じる。これは二年生の集団だろうか。正確な人数がわからないが。そしてその向こうに一人かな?これはさすがに鬼だろう。右のほうに電波を二つ。左は・・・
「間に合わなかった」
すぐに発動時間が終わってしまったからよくわからなかったな。く、練習していたから大分長続きするものだと思っていたけどそこまででもなかったな
「ミライどうだった?こっちは誰もいなかったけど」
「二年生らしき集団と鬼がいた。あと、右のほうに二人」
「よし、逃げよう」
さっきからずっとリストバンドが鳴っている。そこそこの大きさだから多分バレてしまっただろう。早くここから移動しないと
「どこに行こうとしてるのかな〜」
「「スバル先輩」」
「いや〜シオンのヒントからよく正解を出せたなってとこだけど残念。詰めが甘かったね」
「はい。捕まえた」
いつの間にやら後ろに回り込まれていた。あっけなく捕まる二人。いや、スバル先輩いつの間に瞬間移動したんだよ
「じゃあまた逃げてね〜二人とも方向性は間違ってないからね〜」
また逃げる。逃げた先でどうするか。
「『領域』の訓練なのか?」
「どうだろう・・・でも、無駄なことは決してしないよな」
またしても『領域』を使い周りの状況を確認する。近くに人はいるけど少し離れている。移動すれば避けられるかな
「おし、お前ら捕まえたぜ」
「グレン先輩」
当然この人から逃げられるはずもない。捕まってまた解放される。
「お二人とも見つけましたわ」
「二人見つけた」
「見つけた」
「見つけました。捕まえますね」
その後もどんどん見つかっては捕まっては解放されての繰り返し。何回これを繰り返したんだろう。もう十回はしたんじゃないか。時間はまだなのか。そろそろ終わりたいんだけど
「・・・『火の領域』」
「『電気の領域』」
たとえ無駄だとわかっても僕たちは止まるわけにはいかない。だんだんコツをつかめてきたから。慣れてきたのか少しずつ情報の整理ができるようになってきた。発動した際における周りの状況、どれだけの人がどれくらいの距離にいるのかを把握できるようになってきたから
一回戦が終了した。やはりというべきか。逃げ役の人たちは全員一度は捕まってしまっていた。さすが先輩。ちなみにだけど。僕とクレアが一番捕まっていた。まああれだけ音を撒き散らしていたのなら仕方ないね。
昼ごはんの休憩を挟んでー昼ごはんはユンさんがまとめて準備していた。なんだかんだで準備だけはいいみたいだーそして、これから、昼の部、第2回戦が始まる
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