金属魔法の使い方
人殺し。
背の高い木々の間を縫って縦に線を引いた砲撃。
少し右に逸れて群勢には当たらなかった。
「おい!、何だあれは?!。」
先ほどまで一言も喋っていなかった群勢の一人がすぐ横にできた赤くなった線をみて血相を変えて言う。
「オメガ様ご指示を!!。」
「うんそうだな、ボクを守るように円陣を組め!。」
「木々に隠れぬのですか!?、これじゃあ敵の思う壺ですよ!?。」
「それこそが敵の思う壺だ、敵は前の奴に集中させてバラバラになったところを各個撃破するつもりだろう、あんな強力な魔力の砲撃を何回も撃てるはずがないだろ?。」
この団を指揮する幼い体つきをした少年オメガは自分を中心に円を描くようにして固まる。
「クソっ!、少し反動があるな。」
そう言いながらユウトは雪の中にホワイトブラスターを突っ込んで冷却させる。
肉が焼けるような音がする。
五秒くらい経ったらすぐに持ち上げて先ほどの位置で構える。
「さっきの反動を調節してと....よし、これでいける!。」
するとユウトはまたモーターを回し始める。
回しているとユウトが今うつ伏せになったリンに言う。
「リン、これを撃ったらすぐに聖獣の方へ向かって奴らより先に貰うぞ。」
「それじゃあ倒しきれないの?。」
「ああ、多分無理だわ。」
限界までモーターが唸る。
「そんなとこにいたらいい的だ!!。」
発射トリガーを引く。
再びモーター同士がぶつかり合って炎上に火花が散り銃口から先ほどと同じ高質力の砲撃が円陣を組んでいた敵に今度は直撃した。
三分の一は削れたか。
そう考えながらユウトはホワイトブラスターを雪の中に突っ込み、取手を先ほどの下向きと同じ向きで持ち、同じ方向に180度回転させるすると大きく五つのパーツに分かれたホワイトブラスター。
ユウトはその中の一つのパーツに手を伸ばし、チップみたいなのを取り出してポケットにしまい、後は五つのパーツを別々の方向に投げてしまった。
「何であのホワイトブラスターをバラバラにして投げちゃうの?。」
不思議そうに聞いてくるリン。
「メイクが持って帰ってくるのはこのメモリーチップだけでいいって言ってたから、てか重いだろあれ。」
そう言ってユウトは荷物を持つ。
「早く行こう、追いつかれる前に。」
「ええ。」
こうして一足先にユウトとリンは聖獣に向かって走り始めた。
「クソっ!、クソっ!!、お前たちが弱いからこんなに減ったんだ!!。」
オメガは自分が出した指示に対して非を認めず兵士に対して当たっていた。
「損害状況、兵士三十五人中十人死亡五人重傷です。」
先ほど意見を述べていた兵士も十人のうちに入っている。
どうする?!、聖獣を持ち帰らなければお兄様に合わさる顔がない....!。
「よし、残りの二十人はボクについてこい。」
「な!?、まさかまだ聖獣を持ち帰るつもりですか!?、先ほどの武器を見ましたでしょう!、敵の人数と武力がわからない今ここは撤退をするべきです!!。」
「うるさいうるさいうるさい!!!。」
オメガは正論を受け止めきれず子供のように駄々をこねて、菱形水晶にワイヤーがついた武器、ヒヨクをローブからつけている右手を出してから菱形水晶を飛ばす。
菱形水晶はその場にとどまるワイヤーを伸ばしながら先ほど意見を述べた兵士の首を貫いた。
首を貫いた菱形水晶を逆再生するかのように戻しながらオメガは言った。
「この隊の隊長は僕だ、逆らうものは容赦なく殺す。」
それは怒るというより何かに怯えているようだった。
「ハア、ハァ....あぁもう!、後どんくらいで着くんだよバカ!。」
「わかるわけないでしょ!?、こんな予定なんてしてなかったんだから!!。」
ただいまユウトとリンは全力疾走中、見えない目的地を目指して。
走っているとユウトは右手を開いて閉じてを繰り返している。
それを見たリンは不思議そうに言った。
「何かあったの?。」
そう聞くとユウトはなんとも言えない顔になる。
「ん....まあ....なんとかな。」
「何よ、はっきり言いなさいよ。」
「ああ....俺、初めて人を殺した。」
「ああ、そういうことね....。」
流石にリンも目を逸らしてしまう。
「でも、人間は慣れるものだってよく言うけど、流石に人間を殺すのは慣れたくないな。」
そう言って乾いた笑顔をユウトは見せた。
「そうね、それだけは慣れたくないわね。」
それからしばらく沈黙が続いた。
それから三十分近く走りながら魔金属の糸を木々の間に張っていると羅針盤が震えだす。
「この近くだわ!!。」
するとユウトは急に立ち止まり振り返る。
「どうしたの?。」
「すぐに追ってくるから行って聖獣に力貰ってこい。」
「あなたはどうするのよ!。」
「んー、俺はここで足止めする。」
「さっきあなたあんなに悩んでたのにそれにあんな人数少し減ったとしても無理があるわよ!。」
強く説得するリン、だがユウトは振り返らない。
「まあいい案があるんだよ、それに俺は無意味に殺さないし、それと言って殺していい理由にはならないけどな、いいから先に行け。」
リンは二、三歩前に歩いたが、振り向いてもう一つ質問をする。
「最後に一つだけ、あなたはどうしてそんなに人のためにたたかえるの?。」
するとユウトは義手から小太刀生成して顔だけを振り向いて言った。
「んー、あー、俺が言うのもなんだけど少しお人好しなだけさ。」
「そう、わかったわ....帰ってくるまで死なないでね。」
そう言ってリンは場所を後にした。
少し右に逸れて群勢には当たらなかった。
「おい!、何だあれは?!。」
先ほどまで一言も喋っていなかった群勢の一人がすぐ横にできた赤くなった線をみて血相を変えて言う。
「オメガ様ご指示を!!。」
「うんそうだな、ボクを守るように円陣を組め!。」
「木々に隠れぬのですか!?、これじゃあ敵の思う壺ですよ!?。」
「それこそが敵の思う壺だ、敵は前の奴に集中させてバラバラになったところを各個撃破するつもりだろう、あんな強力な魔力の砲撃を何回も撃てるはずがないだろ?。」
この団を指揮する幼い体つきをした少年オメガは自分を中心に円を描くようにして固まる。
「クソっ!、少し反動があるな。」
そう言いながらユウトは雪の中にホワイトブラスターを突っ込んで冷却させる。
肉が焼けるような音がする。
五秒くらい経ったらすぐに持ち上げて先ほどの位置で構える。
「さっきの反動を調節してと....よし、これでいける!。」
するとユウトはまたモーターを回し始める。
回しているとユウトが今うつ伏せになったリンに言う。
「リン、これを撃ったらすぐに聖獣の方へ向かって奴らより先に貰うぞ。」
「それじゃあ倒しきれないの?。」
「ああ、多分無理だわ。」
限界までモーターが唸る。
「そんなとこにいたらいい的だ!!。」
発射トリガーを引く。
再びモーター同士がぶつかり合って炎上に火花が散り銃口から先ほどと同じ高質力の砲撃が円陣を組んでいた敵に今度は直撃した。
三分の一は削れたか。
そう考えながらユウトはホワイトブラスターを雪の中に突っ込み、取手を先ほどの下向きと同じ向きで持ち、同じ方向に180度回転させるすると大きく五つのパーツに分かれたホワイトブラスター。
ユウトはその中の一つのパーツに手を伸ばし、チップみたいなのを取り出してポケットにしまい、後は五つのパーツを別々の方向に投げてしまった。
「何であのホワイトブラスターをバラバラにして投げちゃうの?。」
不思議そうに聞いてくるリン。
「メイクが持って帰ってくるのはこのメモリーチップだけでいいって言ってたから、てか重いだろあれ。」
そう言ってユウトは荷物を持つ。
「早く行こう、追いつかれる前に。」
「ええ。」
こうして一足先にユウトとリンは聖獣に向かって走り始めた。
「クソっ!、クソっ!!、お前たちが弱いからこんなに減ったんだ!!。」
オメガは自分が出した指示に対して非を認めず兵士に対して当たっていた。
「損害状況、兵士三十五人中十人死亡五人重傷です。」
先ほど意見を述べていた兵士も十人のうちに入っている。
どうする?!、聖獣を持ち帰らなければお兄様に合わさる顔がない....!。
「よし、残りの二十人はボクについてこい。」
「な!?、まさかまだ聖獣を持ち帰るつもりですか!?、先ほどの武器を見ましたでしょう!、敵の人数と武力がわからない今ここは撤退をするべきです!!。」
「うるさいうるさいうるさい!!!。」
オメガは正論を受け止めきれず子供のように駄々をこねて、菱形水晶にワイヤーがついた武器、ヒヨクをローブからつけている右手を出してから菱形水晶を飛ばす。
菱形水晶はその場にとどまるワイヤーを伸ばしながら先ほど意見を述べた兵士の首を貫いた。
首を貫いた菱形水晶を逆再生するかのように戻しながらオメガは言った。
「この隊の隊長は僕だ、逆らうものは容赦なく殺す。」
それは怒るというより何かに怯えているようだった。
「ハア、ハァ....あぁもう!、後どんくらいで着くんだよバカ!。」
「わかるわけないでしょ!?、こんな予定なんてしてなかったんだから!!。」
ただいまユウトとリンは全力疾走中、見えない目的地を目指して。
走っているとユウトは右手を開いて閉じてを繰り返している。
それを見たリンは不思議そうに言った。
「何かあったの?。」
そう聞くとユウトはなんとも言えない顔になる。
「ん....まあ....なんとかな。」
「何よ、はっきり言いなさいよ。」
「ああ....俺、初めて人を殺した。」
「ああ、そういうことね....。」
流石にリンも目を逸らしてしまう。
「でも、人間は慣れるものだってよく言うけど、流石に人間を殺すのは慣れたくないな。」
そう言って乾いた笑顔をユウトは見せた。
「そうね、それだけは慣れたくないわね。」
それからしばらく沈黙が続いた。
それから三十分近く走りながら魔金属の糸を木々の間に張っていると羅針盤が震えだす。
「この近くだわ!!。」
するとユウトは急に立ち止まり振り返る。
「どうしたの?。」
「すぐに追ってくるから行って聖獣に力貰ってこい。」
「あなたはどうするのよ!。」
「んー、俺はここで足止めする。」
「さっきあなたあんなに悩んでたのにそれにあんな人数少し減ったとしても無理があるわよ!。」
強く説得するリン、だがユウトは振り返らない。
「まあいい案があるんだよ、それに俺は無意味に殺さないし、それと言って殺していい理由にはならないけどな、いいから先に行け。」
リンは二、三歩前に歩いたが、振り向いてもう一つ質問をする。
「最後に一つだけ、あなたはどうしてそんなに人のためにたたかえるの?。」
するとユウトは義手から小太刀生成して顔だけを振り向いて言った。
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