金属魔法の使い方

バリウム

お前誰!?。

んが!。

慌ててユウトが起き上がる。

あれ、俺何してたっけ?。

えーと、メイクに義手を診てもらって、綺麗なお姉さんに診て....。

「ギャァァァァ!!。」

ユウトはその場で発狂する。

ゴツッ!!。

この音はペンチが頭に当たった音である。

「いったぁぁ。」

ペンチが当たったところをさすっていると後ろから物音を立てながらメイクがやってきた。

「うるさいぞ、ユト!。」

「何時間くらい寝てた?。」

「え?、えっと、2時間くらい?。」

2時間かぁ、結構寝ちゃったな、てか、あれがおばあちゃんて、冗談はよしてくれよ。

「で、なんでおばあちゃんはあんな綺麗なお姉さんになってたんだよ。」

「確か....もう一つの魔法だって言ってた気がするなぁ。」

今度から見た目で判断するのはやめようと誓ったユウトであった。

義手を取り付けてメイクに礼を言いながら作業場を出ようとする。

「待てや、ユトに大事な話がある。」

メイクにそう言われてユウトは足を止め、振り返る。

「どうしたんだよ、大事な話って。」

「いいから、ここに座れ。」

そう言ってメイクはすぐ近くにある椅子を指差す。

ユウトが椅子に座るとメイクも椅子に座って話し始めた。

「さっきメンテナンスした時にもう一つ装備を追加したんや。」

「なんか追加したの?、そんな目立ったものは付いてないけど?。」

ユウトが聞くとメイクが頭をかきながら言った。

「武装というかなんというか、簡単に言うとリミッター解除や、これは肩の魔力炉を全開で動かす鍵をつけたんや、肩のところのカバーを少し上げて見るとレバーみたいなのが見えるやろ?、そこを一気に生き抜くように引っ張るんや。」

へぇー、と呟きながらユウトがレバーを引っ張ろうとする、するとメイクに大声で怒鳴られた。

「おい。」

「....スミマセン。」

「おどれ、人の話をちゃんと聞かんかい。」

「弁解の余地もございません。」

「....それはなぁ、一回使うとほとんど動かなくなるんや、でもそのかわり、溜まってた魔力が身体中を駆け巡って通常の1.5倍まで身体能力が上がる、はずや。」

「はず....?。」

「計算上ではの話や、一回も使ってないんやからそこまで確定できるわけないやろ!。」

逆ギレしやがった!。

まあ、これも思いの外使えそうだしな、最期の手段てやつか。

「ありがたく使わせてもらうよ、暗くなってきたし先に帰るよ、メイクも一緒に帰る?。」

そう聞くとメイクが手をひらひらしながら言ってきた。

「今日は泊まる。」

「そっか、じゃあな。」

そう言ってユウトは作業場を後にした。

王城に戻ってお風呂に入って自分の部屋まで戻ってくると、丁度お姉ちゃんが傷だらけで帰ってきた。

「どうしたの!?。」

「あ〜だいじょぶだいじょぶ!。」

と言いながら手をパタパタしている。

話からすると100人組手をしたらしい、お姉ちゃんは木刀で相手は全員刃のついた剣でやったらしい。

ユウトがお姉ちゃんの傷の手当てをし終わるとユウトがボソッと呟いた。

「....あんなことがあったけど、お姉ちゃんにはあまり無理をして欲しくない。」

「なんで?、無理して欲しくないの?。」

お姉ちゃんが某青たぬきの温かい目みたいな顔でユウトの顔をのぞいてくる。

「....大好きなお姉ちゃんに傷ついて欲しくないから....もう顔を見ないで!!。」

ユウトは耐えきれずに顔を隠す。

するとお姉ちゃんがユウトに抱きつく。

「あ〜もう大好き!!。」

「お姉ちゃん....疲れてるでしょ?、早く寝なよ。」

と言って、優しく突き放して部屋までお姫様抱っこで運んだ。

運んだ後に自室に戻るとユウトはベッドに気を失ったかのように寝た。

(そしてユウトは永遠の眠りについた、めでたしめでたし。)

....。

....。

「オゥイ!!。」

悪魔の翼が特徴的な女の子がそこにはいた。

(うわ、びっくりしたなぁ。)

「勝手に死なすな!、てかお前誰!?。」

(私は反逆の女神様だよ、ここまでのきみの行動をずっと見てきた、いや、これからも見るんだけどね。)

「いつからいたの!?。」

(永遠の眠りについたってジョークを出したあたりから?。)

なんで疑問形なんだよ。

そう思いながらジト目で女神を見るユウト。

周りを見渡すとユウトと女神しかいない、それ以外は真っ黒な世界。

「ほら、女神様、早く元に戻してくれ。」

ユウトがため息をつきながら言うと女神がにやけながら言った。

(イイヨー、戻してあげるね!この世界に来た理由とか戻る方法とか教えてあげようと思ったけど、きみが戻りたいって言うから、仕方がないよね!。)

パチンッ!。

「ん?、おい、今なんか言ってただろ!、まて!。」

ユウトの必死な想いは届かず、真っ黒な世界に穴が開いてユウトは落ちた。

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