金属魔法の使い方

バリウム

今世紀最大の驚き。

玉座の間から出たのち、ユウトは一旦ベルと別れて大浴場に向かった、理由はもちろんお風呂に入るためだ。

ユウトは前の世界から以外に体の汚れは早くおとしたい性格なのだが部屋が汚いという綺麗好きとは言えないが外に出ると細かいところは気にしてしまう、そんな微妙な性格をしているのだ。

「いっつーー!」

キズがしみてめちゃくちゃ痛い。

ベルが回復魔法を使ってくれたがやはり治りが早くなるだけなので今はたいしてキズが塞がっているわけでもなくシャワーがあたり痛みに耐えながら体の汚れを落としていく。

そのあと泣きながら湯船に浸かりお風呂を済ませて部屋に帰ってきた。

「お姉ちゃんはお風呂入らないの?。」

「うん、後で入るよね、それより....ゼタって言う女のあの話を聞いてどう思う?。」

ユウトは黙り込む。

たしかにあの2人は強かった、ゼタはベルと互角いやそれ以上の実力を持っているかもしれない。

タウは今回勝てたとは言え、不意打ちという形で勝ったようなものだ、今の俺がまた闘ったら確実に負けるだろう。

それにゼタたちの目的もまだわかっていない。

ただひとつだけわかることは今回は王様を狙って来た犯行だった。

あきらかに街にいた敵の数より王城にいた敵の数の方が圧倒的に多かった。

つまりこの国に害するものがまた近いうちに会うことになりそうだな。

「ユウト....話聞いてる?。」

ユウトの考えている顔をしたから覗き込むようにして言ってきた。

「ああ、ごめん、でもまた攻めてきそうだね。」

「そうだよね、まだ領土内にはいると思うからクウリウル雪山にいるかもしれないから気をつけてね。」

じゃあ私もお風呂入ってきちゃうね〜と言ってベルは出て行ってしまった。

さて、明日は取り敢えず義手をメイクに診てもらわなきゃいけないな。

あとはそろそろリンとの約束があるし破ったら十字架に吊るされるとかまじでシャレにならないしな、準備をしないと。

「あと4日か。」

そう呟いて寝たユウト出会った。

翌日

ユウトはメイクの家にまできていた。

昨日のこともあったので流石に心配なのだ。

「おおユトきてたんか、わざわざ来なくてもいいのに。」

「そんなわけにいかないだろう、昨日襲われているんだ、自覚しろ。」

と、メイクを説得して一緒に向かう。

「昨日の今日で悪いな診てもらって。」

「別にいいや、てか、体随分キズだらけやなぁ先生に診てもらったらどうや。」

あ、そうだ忘れてた。

「義手の整備が終わったら呼ぶから行って来いや。」

「ごめん悪いな。」

とだけ言ってユウトは義手を取り外して保健室に向かった。

「すみませーん、いますかー。」

恐る恐る入るとそこにいたのはヨボヨボのおばあちゃんじゃなくてすげー綺麗なお姉さんがそこにいた。

「何の用だ。」

そんなことを聞かれて流石に戸惑うユウト。

「あ、いや、その....。」

お姉さんはメガネ越しに目を細めるとヒールをカツカツ鳴らせながら近づいてくる。
 
「んー?随分キズだらけだねぇ、ちょっとそこに座りな。」

そう言ってすぐそこの椅子を指差す。

ユウトがそこに座るとお姉さんが目の前にに立ち、ユウトの額を触って魔力を流される。

するとみるみるキズが塞がっていく。

一度おばあちゃんに治してもらったらしいがその時は気絶していたので治してもらうのを見るのはこれが初めてだ。

「おおーありがとうございます。」

ユウトはキズがあったところをさすさすしながら扉まできてお姉さんに。

「おばあちゃんによろしくお伝えください今日はありがとうございました。」

「ん?。」

ユウトがお礼を言うとお姉さんは不思議そうな顔をしていたが気にせずに出て行った。

それにしても誰だったのだろうか。

んー、弟子かな。

そんぐらいに思いながらメイクのところに戻った。

「戻ったぞメイク、義手の方はどうだ?。」

「まだや、どうやった?キズは治ったか?。」

「ああそうそう、そういえばね、今日はねおばあちゃんがいなくてスタイルがいいお姉さんがいて治してもらったんだ、あの人一体誰なんだい?。」

「ああ、それ、お前の言うおばあちゃんや。」

そう聞いた途端、ユウトは白目剥きながら気絶して倒れた。

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