金属魔法の使い方

バリウム

男ってバカね。

右の頬がヒリヒリする。

恐る恐る左手で頰を触る。

ワァオ、血だ。

普段は攻撃される前に準備するがその余裕すらなかった。

「....薄っす、紙みたいに薄いね。」

めっちゃディスってくるやん。

「だから鍛えてもらうんだよ!。」

俺がそう言うとリンはヘイヘイと言いたそうに手招きをして煽っている。

俺はプリトウェンを貼り直す。

すると秒で貫かれる。

そんなことを数十回続いた。

結果は、速射性は早くなったが厚さが一向に厚くならない。

「....これいつ終わるの?。」

少し疲れた様子でリンが言ってくる。

もう日が暮れ始めてるしそろそろ上がるか。

「今日はありがとな明日も頼めるか?。」

自信なさげにユウトが言うと、リンがため息混じりに、クルルが眠たそうに。

「取引したし、最後までは付き合うわよ。」

「最後まで付き合ってやるよ、暇だしな。」

そう2人に言われてユウトはなんとも言えない表情で。

「お前らありがとな。」

そう言いながらユウトは2人の肩に抱きついた。

プリトウェンを強化し始めてから2日目。

昨日と同じことをやっている。

クルルはずっと盾をどうしたら厚くなるか図書館に調べに行ってずっと午前中は籠っている。

本人曰く。

「俺は本を読むより、体を動かすのが得意なんだが。」

とか言いながらトボトボと図書館へ行った。

なんか俺のために悪いなぁとか思っているが、俺が実戦をしないと話にならないしな。

そう思いながらひたすらプリトウェンを出して午後を少し過ぎたあたりだ。

リンに貫かれてると、クルルが慌てて室内運動場に来た。

「おい!、ユウト!。」

「お、どうした?なんか見つかったか?。」

慌てたクルルにユウトが聞くと

「俺天才かも!、俺さぁ盾の本を読み過ぎて飽きたからテキトーに本読んでたわけよ、そしたらさ思いついちゃってさぁ!。」

フフン!

フフン!じゃねぇよ。

「んで、どしたんだよ。」

ユウトが頭を掻きながら聞くと、クルルは誇らしく言った。

「編めばいい!。」

その言葉にリンとユウトは。

「「は?」」

言葉が被った。

ユウトがワンテンポ遅れて言った。

「ちょ、ちょっと待て多分色々端折ってんぞ俺らにわかりやすく説明してくれ。」

クルルは深呼吸をして言った。

「だから、魔金属同士で編み合えば厚くなるんじゃねぇか?。」

あ、そう言うことね。

「うおおおおぉ!、クルル天才だな!。」

ユウトはまたしてもワンテンポ遅れて言った。

「だろ?やっぱ俺天才なんだわ!。」

ユウトにおだてられまくってクルルの
テンションはハイになる。

そんな2人を遠めで見ていたリンは呆れた感じて言った。

「....本当に男ってバカね。」


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