金属魔法の使い方

バリウム

理事長。

俺はいまでかい扉の前にいる。

そうだ、理事長室の前にいる。

俺が何をした?....いや、門番の時は全然悪くないだろぅ。

と、扉の前で悩んでいると扉が勝手に開いた。

流石にビビる。

部屋の奥には机、ソファー、書籍等、そして机に膝をつき、手を組んでその上に顎を乗せた女の人がこっちをずっと見ている。

ヤバイ、こっち見てる、適当にそれっぽいこと言って部屋の中に入ろう。

「新入生、ユウト・アルサーマル、入ります。」

ユウトがそういうと、女の人は少し時間をおいて口を開いた。

「....うむ、入りたまえ。」

ユウトは失礼しますと言いながら入っていく。

そして机の前まで来た。

正直、威圧がすごくて、今でも潰れそうだ、気持ち悪い早く帰りたい。

「あの〜、要件はなんでしょうか。」

そう言うと、女の人は、

「....フフ、そんな急かさないでくれ、まずは私の自己紹介から聞いてもらおうか。」

(理事長でしょ?わかってるよそんなこと!!)

なんて、言えるわけがないじゃないか。

ユウトが曖昧な表情をしているがそんなことも知らずに理事長は、話を続ける。

「私はこの学園の三代目理事長をしている、ミル・カエラだ。よろしく。」

すげーニコニコしながら握手を求められてる。

ユウトは目線をそらしながら握手をする。

「そうだ、本題だが、お前、まだ右腕がないままだろう?うちの工学部にでも行って作ってもらうといい。」

よかった、悪いことではないのか。

「わかりました、ありがとうございます。それでは失礼します。」

と言って、部屋を出ようとした瞬間。

「なぁ、きみぃ、私と一戦しないかぁ?」

唐突に不意に放たれた一言。

おそらく、いや、絶対にこっちが目的だこの理事長!

「いゃー、ちょっとそれはさs...」

「おお!!やってくれるか!いやー一戦してくれる生徒がなかなかいなくてなぁ、じゃあ早速、運動場に行くか!なぁに心配するな!アッハハハハハハ。」

....拒否権ないんかーい。

というわけで室内運動場に来ている。

ルールは一対一、相手を囲っている線から追い出したら勝ち。

一戦限りだ。

そして周りを見るとメッチャ人が集まっている。

「これは全部うちの生徒さ、特待生がどんなやつか見に来たんだろう。」

そう言って手袋をはめてローファーをコツコツと音を立てながらやってきた。

「さぁ、やろうか!」

2人とも構える。

すると1人の生徒が掛け声をかけた。

「理事長、ミル・カエラ対、特待生、ユウト・アルサーマル!」

「レディー....」

ゴングが鳴ると同時にこう言い放った。

「ゴーー!!」


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