魔力ゼロの真の勇者

Nero

23話 事件


翼達がクエストを終え、街に帰ると何故か街がいつもより騒がしく感じた。


「なんか騒がしくないか?」


「確かにちょっとうるさいね。」


「ひとまず、ギルドへ行ってみましょう」


「分かった」


走ってギルド向かっていると、街の人達の森がどうとか大きな音がどうとかと言った話が聞こえてきた。


─あれ、これ嫌な予感するぞ。俺たちの…いやいや、そんなわけないか、、




ギルドへ入ると、いつもより冒険者の数が多かった。気のせいではない。


それに、真剣な顔をしている人もいれば、怯えたような様子の人もいた。


「これはどうしたんでしょうか」


サリエルが不思議そうに呟いていたが、


「どうしたんだろうな、ははは......」


─おいおい、やっぱこれってさっきの森の件だろ絶対!だとしたらどうすればいいんだ、、皆に謝ればいいのか?...いや、まだそうと決まったわけじゃない、、


翼はその事で頭がいっぱいだった。


「翼?早くクエストの報酬行きますよ。」


「あ、ああ、そうだな....」


「やったー!さらに美味しい食べ物食べれる!」


「....エリ、うるさい」


カウンターへ行くと、いつもの受付嬢がいた。


「あの、クエスト達成したので報酬受け取りに来ました。」


「あ、はい。あ!確かあなた方は謎に強い人達じゃないですか」


「あはは、あの時はありがとうございました」


「いえいえ、気にしないでください。あ、そういえば、知ってます?先程魔物の森から並の冒険者では打てないような大きな爆発音がして、なんか強力な魔物が..もしかしたら魔族の襲撃とかじゃないかって...」


頭が痛い。ちょっと頭の中が真っ白になりそう。


「あの、これって私たちのせいじゃない?」


「...絶対そうですね」


2人がコソコソ話してる。


「.....レイのせいだ」


レイが相当落ち込んでいる。まあそうだよな。俺にあんなに言われて、事実。こうなっているからな...


「....はぁ、仕方ねえな」


「翼?」


俺はそう言いながら、土下座をした。この世界でも意味があるのかは分からないが、、


「魔物の森の爆発は俺がやりました!ご迷惑をかけて本当にすみませんでした!」


「え、翼?」


3人とも同じ反応だろう。


「...翼、レイを庇ってくれてるの?」


「いいから、ここは俺に任せろ」


─ドキッ。


レイはこの時、改めて翼が好きなんだ。という事を自覚した。


ああ、この人は自分のせいということにしてまでレイを庇ってくれてるんだ、とても優しい人なんだ、と。


「え、どういう事ですか?」


「言った通り、爆発は俺がやりました!魔物とか魔族とは関係ないです!すみませんでした!」


すると、周りにいた冒険者達も騒ぎ出した。


「おいおい、どういう事だ?」


「爆発があいつの仕業だって?」


「あいつって前にカッスー達を連れてきたやつじゃないか?」


俺はその冒険者達にも謝らなければならないと思い、謝ろうとした


「あの!」


その時だった、後ろからドアを開ける音がした。












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