魔力ゼロの真の勇者

Nero

10話 冒険者ギルドにて 2

……しまったぁぁ!金のことすっかり頭に入ってなかった!


いや、まだ希望はある。


「…一応聞いておくが、お前ら金持ってるか?」


ダメもとで翼はそう3人に聞いてみた。


しかし3人は首を横に振る。


すると、その様子を見ていた受付嬢が、ある提案をしてくれた。


「あの、お金が無いのでしたら、魔物とかの素材を売ることも出来ますよ。」


おお、その手があったか!


「それは助かります。」


「では、早速こいつらを売りたいのですが、」


翼はそう言いながら、旅の途中で狩ったウルフやゴブリン、合わせて10数体の素材をアイテムボックスから出したのだが……


「アイテムボックス…凄いですね。…あ、はい、ウルフとゴブリンですね…っ!これは!、ハイウルフとジャイアントゴブリンじゃないですか!」


なんか、受付嬢が凄く驚いている。


「どちらもBランクの魔物ですよ!それにこんなにたくさん…まだ冒険者登録もしてないのに…凄いですね…!あなた達は一体何者ですか?」


あの強さでBランクか…弱かったぞ。


「俺達は、ただの旅人ですよ。この街によったのは、なんでも、この近くに魔物の森があると聞いて、冒険者として活動をしたいと思ったんです。」


翼はそう答える。まあ、嘘はついてないからな。


「そうだったんですか…まあ、とりあえずこれだけの数だと、金貨20枚くらいですね。」


この世界の通貨は、硬貨となる。


上から、聖金貨、白金貨、金貨、銀貨、大銅貨、銅貨となっており、日本円に表すと、聖金貨=1000万円、白金貨=100万円、金貨10万円、銀貨=1万円、大銅貨=1000円、銅貨=100円だ。


ってことは、200万!?


日本でもそんな大金持ったことないのに…異世界すげー!


「金貨20枚ですか。分かりました、お願いします。」


翼は冷静を保った。


「では、4人分の登録料を引いた額として、金貨19枚と銀貨6枚となります。あと、4人分の冒険者カードです。」


受付嬢はそう言いながら、それを俺に渡してきた。


「ありがとうございます。」


翼は珍しくお礼を言った。


──私には言ってくれなかったのに…


そう心の中で思うサリエルであった。


さて、冒険者カードにも種類がある。
ランクごとに違うようだ。


上から、Sランク以上が虹色、Aランクが金色、Bランクが銀色、Cランクが銅色、Dランクが緑色、Eランクが青色となっている。


俺達が貰ったのは、銀色のカードだった。
あれ、おかしくない?と思った翼であったが、

「あの、普通最初は青色のEランクから始まるのですが、皆さんは、Bランクの魔物を10数体倒したという事で、銀色のBランクからということになりました。」


受付嬢が笑顔で言ってきた。


「ありがとうございます!でも、いいんですか?」


翼は他の頑張っている冒険者達に申し訳ないと思ってそう聞いた。


「はい、実力があるのにそのままだと、低ランクの依頼やクエストしか受けれないので、困るんじゃないかなと思いましたので。」


「そうだったんですか。感謝して貰っておきます。」


4人は登録が終わり、クエストを受けようと、掲示板の前に来ていた。


「みんなどれがいい?」


翼はみんな、したいクエストがないか聞いた。


「私はなんでもいいよ」


「…レイもなんでもいい…」


エリとレイはなんでもいいらしい。


するとサリエルが、


「じゃあ、これなんてどうでしょうか。」


そう言いながら、依頼書を掲示板から取り、俺に差し出してきた。


そこには
──魔物の森にてハイウルフ10頭の討伐
報酬金   金貨15枚


と書かれてあった。


まあ、いいんじゃないか



なんて思ってる時、
不意に後ろから声をかけられた。



コメント

  • Nero

    たまさん
    ありがとうございます!とても嬉しいです。

    0
  • TäMÄ

    頑張ってください

    1
  • ノベルバユーザー349585

    金額設定も細かくていいですね笑

    1
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