《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第7-5話「Aランククエスト」

 シュネイの村の閑散とした冒険者組合がウソのように、帝都のそれは混雑していた。



 筋骨隆々の男たちが押し合いへし合い、クエストを奪い合っている。闘技大会が近いので、戦士たちがそれまでの時間つぶしに殺到しているのかもしれない。



 しかも天井に通されている梁には、組合の飼っている伝書鳥のゴゴがとまっており、糞を撒き散らしている。通れるかな……と不安になった。ケネスが、ふーっ、と煙草のケムリを吐きだすと、そのケムリを避けるみたいにして、戦士たちが道を開けた。ケムリを嫌ったわけではない。



『おい、見ろよ』『《帝国の劫火》だ』『まだFランク冒険者らしいぜ』『申請してないのか?』……と、道を開けてくえるのだった。



 受付。
 ケモミミ族の女性が「あら」とネコ耳を、ヒョコヒョコと動かせた。



「高額報酬のクエストを受けたいのですが。何か良いクエストはありますか?」



「失礼ですが、ランクは?」



「Fランクです」
 銅のプレートを見せた。



「Fランクだと、まだそれ相応のクエストしか受けることは出来ません」



「そうですか」
 悄然ガッカリ
 そりゃそうだ。



 そのためのランク分けだ。冒険者組合も無闇に犠牲を出すことは避けたいのだろう。



「ただ……」
 と、ネコ娘の受付嬢は続けた。



「ケネス・カートルドさま。《帝国の劫火》のウワサは耳にしております。Sランク相当の冒険者と断定しても良いと、帝国魔法長官のガルシアから言われております」



「ガルシアさんが?」



「昇格試験も受けていないのに、Sランクの七虹石のプレートを渡すわけにはいきません。Sランクには及びませんが、Aランク昇格試験として、さきほど入った緊急クエストを受けていただくことは可能ですが」



「なら、それでお願いします」
「お気を付け下さい」



 クエストの書かれた紙をもらった。「Aランク相当」とクエストには書かれていた。報酬金は「20ダリア以上」とあった。

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