《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第5-21話「ヴィルザハード城 Ⅵ」

 ヴィルザの案内を頼りに、ケネスは城のなかをさまよい続けた。宝箱を2つ見つけたが、どちらもすでに開封済みだった。ロレンスだけでなくて、もうテストをクリアしているパーティがいくつか存在しているのだ。すべて取られてるかもしれないと思うと、焦りをおぼえた。



「まったく連携の取れておらんパーティじゃな。1人は単独行動。1人は気絶。これがダンジョンだと、即効で殺されておるぞ」
 ヴィルザが呆れたように、気絶しているユリを見ていた。



「仕方ない。ユリはまだ1年生だし、オレはサマルとは相性悪いみたいだし」



「はて……。他に宝箱が隠していそうな場所は、どこかあるか。まさか、モンスターハウスには、無いと思うが」
 と、ヴィルザが思案気に言う。



「モンスターハウス?」
 怒るでないぞ――と前置きしてから、ヴィルザは続けた。



「人間どもとモンスターを同じ檻に入れて、人間どもが食われるのを見て遊んでいた部屋があるんじゃが」



「つくづく悪趣味なことをしてるな」
「えへへ」
「ホめてないからな」



 そのときだ。
 おーい、と声が聞こえてきた。ケネスはまるでダンジョンみたいな石造りの通路を歩いていたのだが、横道からサマルが現れた。



「どこ行ってたんですか。あんまり勝手に行動するのは、やめてくださいよ」



「悪い悪い」
 とサマルは殊勝にも謝った。
 その態度が意外だったので、ケネスは何か妙なものを感じた。



「それより良いもの見つけたぜ。コラ。たぶん合格の証だと思うんだが」



「見つけたんですか?」



「おう。チョットこっちに来てくれ。うん? ユリ姫ちゃんはどうしたんだ、コラ」



「この城の雰囲気で、気絶しちゃったみたいです」
「重いだろ。オレが背負ってやるよ」
「ありがとうございます」



 なんだか妙に優しい。険悪な雰囲気で単独行動に走った男の言動とは思えない。しかし、たしかにユリのことをずっと背負っているのは重たかった。かわってもらった。ユリを背負ったサマルの顔が妙にニヤけていたので、下心からの申し出だったのかもしれないと察した。



「それで、合格の証は?」
「こっちだ、こっち」
 と、サマルが案内してくれた。



 石造りの通路を抜けた先には、立方体の部屋があった。石でできた箱のような、キレイな立方体の部屋だった。その部屋の中央に、宝箱が置かれていた。これ見よがしに置かれている。



「な、怪しいだろ」
 と、サマルが自分が見つけたのだと言いたげに、得意気な顔をしていた。



「たしかにあれは、合格の証が入っている宝箱っぽい――けど」



 部屋の中には、モンスターが蠢いていた。ジャイアント・ゴブリン。人食いスライム。オークもいる。



「見ての通り、モンスターだらけなんだよ。どうにか取りに行けないもんかね」



 お前が行けという、サマルからの圧を感じた。



「わかりました。オレが行きますよ」
 と、ケネスは足をすすめた。

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