《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第5-9話「3人パーティ」

 生徒会室。飾られた植物たちに囲まれて、ケネスも木造の机のひとつをいただくことになった。



「どうしてこんなに植物を飾ってるんです?」



 ちょっとした隙間にでも、鉢植えが置かれている。鉢植えからは、シッカリとした木の枝が生えているものもあれば、まだちょこんと双葉を生やしたものもある。柱に巻きついている蔓もあった。どこを見ても緑、緑、緑。



『別に意味はない』
 と、クロノが文字で言った。



「でも、便利なこともあるのですよ。葉っぱからお茶がとれるんです。これはミミルの葉ですし、こっちはトーラの茶になるのですよ」



 はい、どうぞ――と、ユリがお茶をわたしてくれた。熱いお茶だ。いただいた。ほろ苦い味わいが口のなかに広がる。すこし熱すぎたようで、舌がしびれるようだった。匂いを感じることは出来るのか、ヴィルザもカップを覗きこんで、鼻をひくつかせている。



「それよりケネス先輩」



 ケネスが腰かけているイスに、ユリが強引に尻をねじこんできた。ひとつのイスに2人で腰かけることになった。やわらかい女性の尻の感触に、幸福感をおぼえた。



「なんだよ」
「結婚式はいつにしましょう?」



「ぶーっ」
 と、飲みかけていた御茶を吹き出してしまった。



「ケネス先輩ってば、もう。御茶を吹き出したりしたらダメなのですよ」
 と、言ってユリが、ケネスの服を拭いてくれる。



「結婚ってなんの話だ?」



「私ならば、きっとケネス先輩と幸せな家庭を築けると思うのですよッ。帝都で知り合った仲ッ。こうして出会えたのは運命ではありませんか!」
 と、手を握ってくる。



「……」



 帝都でユリのほうは、ケネスのことを知っていたのかもしれないが、ケネスはユリのことを知らなかった。それは知り合っていたとは言わない。




 こうして学院で出会ったのは、ユリがケネスのことを追いかけてきたからであって、運命ではない。いちいち訂正するのもメンドウくさいので、ケネスは黙っていた。



「心配はいりませんよ。私もセイイッパイ頑張るのです。いろいろと至らぬところもあるかと思いますが、《帝国の劫火》と言われるケネス先輩の役に立てるように、努力していくのですよ!」



 どう対処すれば良いのか、わからない。



 憎悪にたぎった目線を送ってくるヤツが2人もいるのだ。まずは正面に青い髪の目つきの悪い男サマル。帝国アイドルのユリ姫ちゃんのファンらしく、ユリとケネスがイチャイチャしているのが気にくわないご様子だ。そしてもう一人、紅の魔神ヴィルザ。空中に浮かびながらニオウダチしている。嫉妬にはさまれて、困ってしまう。



「残念ながら、オレには先約がいるので、お相手できないと思う」
 と、ケネスは返しておくことにした。



「えーっ。ケネス先輩ってば、誰かお付き合いしている女性がいるのですか!」



「悪魔と」
「悪魔?」
 と、ユリは首をかしげる。白銀のツインテールが胡乱に揺れる。



「ええ。悪魔とお付き合いをしてるんで」



 ユリは困ったように首をかしげていたのだが、天啓をひらめたように顔を輝かせた。



「性悪女につかまってるんですね! 私がとっちめてやりますよッ」



「ははは」
 と、愛想笑いで返しておいた。



「よくぞ、言った」
 と、ヴィルザがケネスの背中に回って、腕をからみつけてきた。ケネスに近づく女は、ロクなことにならない。ヴィルザは嫉妬から、ケネスの幼馴染を殺したこともあるのだから。



「で、クロノ生徒会長。オレが生徒会に入ったあかつきには、魔術実践学の期末テストに協力してくれる――って話したが?」



『3人パーティなら、ユリとサマルと組めば良い』
 と、クロノは黒板に書いた。



 ケネスとサマルの目があう。


「なんでオレが、こんなヤツと組まなきゃいけないんッスか。コラッ」
 と、サマルのほうが先に怒鳴った。
 それはこっちのセリフだ。



『サマルは、去年の魔術実践学に落ちてる。今年も受けるつもりなら、ケネスと組むのがちょうど良い。彼の実力は、この学院では最上位と言えるレベルだから』



「だからって……」
 サマルも魔術実践学を受講しているのだ。一緒に組むのは、たしかに効率が良いかもしれない。



「ちなみに、生徒会長は?」
 と、ケネスが問う。



『私はすでに、合格している。高等魔術実践学を受講している』



「助っ人は3年生でも良いらしいですけど」



 サマルと組むのは厭なので、ケネスはそう言った。迂遠にクロノに手伝って欲しいと伝えたつもりだった。



『私が入るよりも、サマルと組むほうが効率的。サマルもパーティが見つかってない。ユリも良い経験になると思う。それに生徒会メンバーの連携を深めることにもなる』



「はい! 私はケネス先輩となら、どこへだって行くつもりなのですよ!」



 サマルとケネスの目が合う。
 互いに目をそらした。
 不安だ。

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