《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。
第4-23話「ケネスVSソルト Ⅱ」
バートリーとフーリンは、ミファの馬車に乗って都市を出ることになった。一騎打ちを受けたゆえに、都市で起こっている暴動は治めることになった。
ケネスはミファの馬車には乗らずに、ソルトの馬車に同乗することになった。罠の可能性も考えないでもなかったけれど、まずないだろうと踏んだ。それよりもケネスは、ソルト・ドラグニルという男と話をしてみたいと思ったのだ。
故郷を滅ぼした、敵だ。
心の底から憎むべき相手だ。
その相手のことを、知っておきたいと思ったのだ。
キャリッジ。
荷車に天幕をつけたような粗末なものではなく、ちゃんと木の箱となった乗り物だった。それを馬車が引く。キャリッジの中にはソルトとケネスの2人で乗った。
対座する。
ソルトは怯えるような、それでいて、品定めするような目でケネスのことを見ていた。逆に、ケネスもソルトのことを見つめた。都市は40前後と思われる。身だしなみには無頓着なところがあるが、何か風格のようなものがある。こうして近くにいると、ソルトのカラダからは、焼けた鉄のような臭いが鼻をつく。
「帝国軍人ではないそうだな」
と、ソルトのほうから切り出してきた。
「ああ」
相手は年上だが、故郷を焼き滅ぼされた恨みがあり、トテモ敬意を払うつもりにはならなかった。
両親の、カタキなのだ。
「君の実力は、この目でたしかに見ている。怖ろしいチカラだ。それで軍人にならないというのは不思議だ。冒険者だとは聞いているが」
「今は、魔術学院に通ってる」
ふむ、とソルトはうなずく。
馬車がガタンと大きく揺れる。
「君の行動は、どうもチグハグだな。シュネイの村で出会ってから、君についていくらか調べてみたのだ。が、チッとも情報が浮かんでこない。それも妙なことだ。圧倒的な魔力を有しながら、何も情報がないとは」
「……」
「それに、Fランク冒険者だと聞いている。冒険者をやっているにせよ、君ほどの実力があれば、Aランク、いや、Sランクであっても不思議ではないのだがな」
「……」
「何か隠している。そんな気がしてならないのだがな。どうかね。オレのこの予想は」
「気のせいだろう」
と、ケネスは一蹴した。
ヴィルザのことは、ゼッタイ的な秘密だ。世界が恐怖する魔神の存在を知られたら、世界が協力してケネスを抹殺対象にするかもしれないのだ。
「何か隠していることがあれば、教えてもらいたかったな。どうせこの後、どちらかは死ぬ運命にあるのだから」
馬車が止まった。
そこは、都市から外に出た大平原の真っただ中だった。
ケネスはミファの馬車には乗らずに、ソルトの馬車に同乗することになった。罠の可能性も考えないでもなかったけれど、まずないだろうと踏んだ。それよりもケネスは、ソルト・ドラグニルという男と話をしてみたいと思ったのだ。
故郷を滅ぼした、敵だ。
心の底から憎むべき相手だ。
その相手のことを、知っておきたいと思ったのだ。
キャリッジ。
荷車に天幕をつけたような粗末なものではなく、ちゃんと木の箱となった乗り物だった。それを馬車が引く。キャリッジの中にはソルトとケネスの2人で乗った。
対座する。
ソルトは怯えるような、それでいて、品定めするような目でケネスのことを見ていた。逆に、ケネスもソルトのことを見つめた。都市は40前後と思われる。身だしなみには無頓着なところがあるが、何か風格のようなものがある。こうして近くにいると、ソルトのカラダからは、焼けた鉄のような臭いが鼻をつく。
「帝国軍人ではないそうだな」
と、ソルトのほうから切り出してきた。
「ああ」
相手は年上だが、故郷を焼き滅ぼされた恨みがあり、トテモ敬意を払うつもりにはならなかった。
両親の、カタキなのだ。
「君の実力は、この目でたしかに見ている。怖ろしいチカラだ。それで軍人にならないというのは不思議だ。冒険者だとは聞いているが」
「今は、魔術学院に通ってる」
ふむ、とソルトはうなずく。
馬車がガタンと大きく揺れる。
「君の行動は、どうもチグハグだな。シュネイの村で出会ってから、君についていくらか調べてみたのだ。が、チッとも情報が浮かんでこない。それも妙なことだ。圧倒的な魔力を有しながら、何も情報がないとは」
「……」
「それに、Fランク冒険者だと聞いている。冒険者をやっているにせよ、君ほどの実力があれば、Aランク、いや、Sランクであっても不思議ではないのだがな」
「……」
「何か隠している。そんな気がしてならないのだがな。どうかね。オレのこの予想は」
「気のせいだろう」
と、ケネスは一蹴した。
ヴィルザのことは、ゼッタイ的な秘密だ。世界が恐怖する魔神の存在を知られたら、世界が協力してケネスを抹殺対象にするかもしれないのだ。
「何か隠していることがあれば、教えてもらいたかったな。どうせこの後、どちらかは死ぬ運命にあるのだから」
馬車が止まった。
そこは、都市から外に出た大平原の真っただ中だった。
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