《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。
第4-15話「囚われのバートリー Ⅰ」
「こ、これは、ドラグニルさま!」
と、騎士のひとりが頭を下げた。夜半。ソルトが足を運んだのは、闇よりも深い闇のねむりし地下牢だった。見張りの騎士だけが火の入ったカンテラを手に持っていた。「うぅ」と、苦悶の声がさざめきのように聞こえてくる。
「ご苦労なっこたな。こんな時間まで」
「いえ。この地下牢を見張っておくのが、オレの役目なので。ドラグニルさまは、こんな時間にいったいなんの御用で?」
「チョット眠れんもんでな。オレの捕えた2人の女は、どうしてる?」
「《血の伯爵》ですか。まだ何一つとして口を割りません。強情な女です。もう一人の、フィント・フーリンという女も、名前と所属を名乗っただけで、他は何も」
地下牢では、声が響く。
騎士の声も反響していた。
「案内しろ」
「はッ」
まだ真夜中だったが、悪夢を晴らすのに、女をいたぶるのも悪くないかと思ったのだ。ソルトにとって女は愛でるものか、甚振るものかのどちらかでしかなかった。
いくつもの鉄檻があり、その向こうに囚われている者たちがいる。なかには罪人がいたり、帝国のスパイがいたりする。スパイには常に注意を払っているが、すべてを取り除くのは難しい。どこの国にも数人のスパイはいる。それは帝国でも王国でも同じことだろう。
「こちらです」
と、案内してくれた騎士が足を止めた。
騎士の持っていたカンテラが照らし上げたのは、粗悪なチュニックを着せられたバートリーの姿だった。罪人には、藁で編んだそのチュニックを着せることになっている。バートリーは天井から吊るされた手枷によって、腕を持ち上げられていた。
「カギは?」
「こちらに」
と、騎士が銀のアンティークキーを取り出した。
開けてくれ、と頼む。騎士が檻を開けた。カンテラでバートリーの顔を照らし上げる。その青い瞳には、ハッキリとした殺意が宿っていた。カンテラの光を殺意に変えて、目をギラギラに輝かせている。
「怖い顔をしているが、ずいぶん扇情的な姿だ」
目で、犯した。
両手を持ち上げられているため、つるんとした脇が露出している。それほど大きくない乳房も、かいま見える。フトモモやフクラハギは、完全にさらけ出されており、いくつものミミズバレがあった。
「ヘッケラン・バートリー。《血の伯爵》。《凍結隊》の隊長で、帝国魔術師部隊を率いる副官でもある。滅多に表情が変わらないことは有名な話だが、殺意はシッカリと出せるみたいだな」
バートリーの背後に回り、その背中を見た。チュニックが大きく破れて、処女雪のような白い肌があらわになっている。その背中にも、いくつものミミズバレが出来ていた。
「へぇ。棒打ちをくらったか。痛てェだろう。あんまり意地張ってると、そのまま死んじまうぜ」
バートリーの青白く光る肌に、ソルトは指を這わせた。
「……ッ」
と、バートリーは大きくエビ反りになった。
傷が、痛むのだろう。
嗜虐心がかまくびをもたげてくる。
イジメがいのある女だ。
「今日は、ケネス・カートルドって男について聞きに来た。ありゃなんだ? あんな男、王国ではノーマークだった。しかし、あれだけ強いのにも関わらず、今まで戦争には出て来なかったのは、どういうわけだ?」
「私が口を割ると思いますか」
「ッたく、強情な女だぜ。オレの女にするつもりだから、まだカラダを汚しちゃいないが、オレの機嫌しだいでは、もっと屈辱的な責め方になるぜ」
ソルトはバートリーの下半身に目をやる。
細身の女だが、意外と尻が出ている。まだ、触ろうとは思わなかった。見ればわかる。男に触れられたことのない果実だ。どうやって犯してやろうかと、ソルトは胸裏で舌舐めずりをしていた。
「そのようなことがあれば、私は舌を噛み切って死にます」
「ホントにやりそうだから、怖ろしいぜ。しかし、ここには助けは来ない。わかってんだろう。《通話》は出来ないように、魔力で封じ込めている。いい加減諦めて、すべて吐いちまいな。そうすれば、オレの愛妾の1人として、丁寧にあつかってやるぜ。お前も、優しくされたいだろう」
ふふっ、とバートリーは笑った。
「何がオカシイ?」
「ケネスさまに追い返されて、撤退したそうですね。たった1人に軍隊が追い返されるとは屈辱的ではありませんか」
「……」
言われると、あのケネスの姿が脳裏に浮かぶ。悪夢がふたたび、胸裏にたちこめてくる。冷や汗が出てきた。何度思い出しても、不気味だ。魔法陣から生やした、あの腕はいったい何なのか。
「ずいぶん長いあいだ、帝国と王国は争って来ました。何度も争い、何度も停戦を重ねてきました。ですが、この戦争の天秤は大きく傾こうとしています。ケネスさまという戦力によって」
「ありゃ人間じゃねェ。モンスターか、バケモノの類だぜ」
「ひとつ教えてあげましょう。あと2年とちょっとで、ケネスさまは、帝国魔術師部隊に本格的に組み込まれることになります」
「弱点とかねェのか?」
「……」
「またダンマリか。まあ良い。時間はたっぷりとあるんだ。せいぜい耐えて見せろ」
ソルトは、諦めて外に出た。
バートリーはダメだが、もう一人の女からは何か聞き出せるかもしれない。
と、騎士のひとりが頭を下げた。夜半。ソルトが足を運んだのは、闇よりも深い闇のねむりし地下牢だった。見張りの騎士だけが火の入ったカンテラを手に持っていた。「うぅ」と、苦悶の声がさざめきのように聞こえてくる。
「ご苦労なっこたな。こんな時間まで」
「いえ。この地下牢を見張っておくのが、オレの役目なので。ドラグニルさまは、こんな時間にいったいなんの御用で?」
「チョット眠れんもんでな。オレの捕えた2人の女は、どうしてる?」
「《血の伯爵》ですか。まだ何一つとして口を割りません。強情な女です。もう一人の、フィント・フーリンという女も、名前と所属を名乗っただけで、他は何も」
地下牢では、声が響く。
騎士の声も反響していた。
「案内しろ」
「はッ」
まだ真夜中だったが、悪夢を晴らすのに、女をいたぶるのも悪くないかと思ったのだ。ソルトにとって女は愛でるものか、甚振るものかのどちらかでしかなかった。
いくつもの鉄檻があり、その向こうに囚われている者たちがいる。なかには罪人がいたり、帝国のスパイがいたりする。スパイには常に注意を払っているが、すべてを取り除くのは難しい。どこの国にも数人のスパイはいる。それは帝国でも王国でも同じことだろう。
「こちらです」
と、案内してくれた騎士が足を止めた。
騎士の持っていたカンテラが照らし上げたのは、粗悪なチュニックを着せられたバートリーの姿だった。罪人には、藁で編んだそのチュニックを着せることになっている。バートリーは天井から吊るされた手枷によって、腕を持ち上げられていた。
「カギは?」
「こちらに」
と、騎士が銀のアンティークキーを取り出した。
開けてくれ、と頼む。騎士が檻を開けた。カンテラでバートリーの顔を照らし上げる。その青い瞳には、ハッキリとした殺意が宿っていた。カンテラの光を殺意に変えて、目をギラギラに輝かせている。
「怖い顔をしているが、ずいぶん扇情的な姿だ」
目で、犯した。
両手を持ち上げられているため、つるんとした脇が露出している。それほど大きくない乳房も、かいま見える。フトモモやフクラハギは、完全にさらけ出されており、いくつものミミズバレがあった。
「ヘッケラン・バートリー。《血の伯爵》。《凍結隊》の隊長で、帝国魔術師部隊を率いる副官でもある。滅多に表情が変わらないことは有名な話だが、殺意はシッカリと出せるみたいだな」
バートリーの背後に回り、その背中を見た。チュニックが大きく破れて、処女雪のような白い肌があらわになっている。その背中にも、いくつものミミズバレが出来ていた。
「へぇ。棒打ちをくらったか。痛てェだろう。あんまり意地張ってると、そのまま死んじまうぜ」
バートリーの青白く光る肌に、ソルトは指を這わせた。
「……ッ」
と、バートリーは大きくエビ反りになった。
傷が、痛むのだろう。
嗜虐心がかまくびをもたげてくる。
イジメがいのある女だ。
「今日は、ケネス・カートルドって男について聞きに来た。ありゃなんだ? あんな男、王国ではノーマークだった。しかし、あれだけ強いのにも関わらず、今まで戦争には出て来なかったのは、どういうわけだ?」
「私が口を割ると思いますか」
「ッたく、強情な女だぜ。オレの女にするつもりだから、まだカラダを汚しちゃいないが、オレの機嫌しだいでは、もっと屈辱的な責め方になるぜ」
ソルトはバートリーの下半身に目をやる。
細身の女だが、意外と尻が出ている。まだ、触ろうとは思わなかった。見ればわかる。男に触れられたことのない果実だ。どうやって犯してやろうかと、ソルトは胸裏で舌舐めずりをしていた。
「そのようなことがあれば、私は舌を噛み切って死にます」
「ホントにやりそうだから、怖ろしいぜ。しかし、ここには助けは来ない。わかってんだろう。《通話》は出来ないように、魔力で封じ込めている。いい加減諦めて、すべて吐いちまいな。そうすれば、オレの愛妾の1人として、丁寧にあつかってやるぜ。お前も、優しくされたいだろう」
ふふっ、とバートリーは笑った。
「何がオカシイ?」
「ケネスさまに追い返されて、撤退したそうですね。たった1人に軍隊が追い返されるとは屈辱的ではありませんか」
「……」
言われると、あのケネスの姿が脳裏に浮かぶ。悪夢がふたたび、胸裏にたちこめてくる。冷や汗が出てきた。何度思い出しても、不気味だ。魔法陣から生やした、あの腕はいったい何なのか。
「ずいぶん長いあいだ、帝国と王国は争って来ました。何度も争い、何度も停戦を重ねてきました。ですが、この戦争の天秤は大きく傾こうとしています。ケネスさまという戦力によって」
「ありゃ人間じゃねェ。モンスターか、バケモノの類だぜ」
「ひとつ教えてあげましょう。あと2年とちょっとで、ケネスさまは、帝国魔術師部隊に本格的に組み込まれることになります」
「弱点とかねェのか?」
「……」
「またダンマリか。まあ良い。時間はたっぷりとあるんだ。せいぜい耐えて見せろ」
ソルトは、諦めて外に出た。
バートリーはダメだが、もう一人の女からは何か聞き出せるかもしれない。
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