《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第3-21話「シュネイ戦線 Ⅶ」

 バートリーの率いていた軍は、潰滅状態に陥った。たった1人のドラゴンによって、戦神はソルト率いる王国軍に微笑んだのだ。バートリーとルーは必死の防戦を続けて、部下を逃がした。



 大勢の部下が殺されるなか、バートリーもルーも敵の手に落ちることになった。



「こんなベッピンを2人も捕まえちゃうなんて。オレは、付いてるねー」



 バートリーの敷いていた野営地を、そのままソルトに使われることになった。



 天幕の中――。
 バートリーもルーも手足を縄で拘束されている。そして、木箱に腰かけるソルトにかしずくようなカッコウになっていた。



「だから最初に言ったのによ。大人しく捕虜になるか、降参しろってさ。強すぎるんだよなー。オレはよ」
 ふぁー、とソルトはあくびをしていた。



 普段の挙措はホントウにだらしがない。こんな男に、帝国の軍が潰滅させられたのかと思うと、忸怩たる思いを抱かざるをえない。



《通話》を試みてみるが、さすがにそれは防がれているようだ。周囲には濃密な魔力が立ち込めていて、上手く《通話》をつなげることが出来ない。



「殺すなら、さっさと殺しなさい」
 バートリーはそう言った。



「ンなこたしねェよ。あの《血の伯爵》を生け捕りにしたんだ。帝国の情報をタップリと吐かしてやる。あんまり隠し事はするんじゃねェぜ。捕虜になったヤツが、どういう末路を辿るのかは、考えなくてもわかるだろ」



 そう言うと、ソルトは、バートリーの頬をはさむようにして、アゴをつかんできた。ムリヤリ顔を持ちあげられる。大きな男の手のひらが、頬に食い込んでくるのを感じた。



「……ッ」
 拷問。あるいは凌辱。
 それぐらいのことは、考えられる。



「連れ帰って、王都で公開処刑ってのも悪くはない。それが厭なら、尋ねられたことは隠さず打ち明けることだ。そうすりゃ、オレが性奴隷として可愛がっても良いぜ。オレは女の扱いは下手じゃないから、安心しな」



「フザケタことを。私が拷問などに屈するとお思いですか」



 帝国のためならば、たとえどんな目に遭っても、口を割らない。呪術で精神をこじ開けられるなら、舌を噛み切るぐらいの覚悟はある。



「見た目のわりには気の強い伯爵さまだぜ。でも、安心しな。可愛がってやるのは後だ。まずは、援軍なんかが来られる前に、一刻も早くシュネイの村を制圧しなくちゃなー」



 手が離された。



「……ふふ」
 と、バートリーは笑みを漏らした。



「ん? 何がオカシイ? 気でもオカシクなっちまったかな? それとも、まだ何か隠し玉でも持ってんのか?」



「いるんですよ。あの村には」
「ンあ?」



「バケモノじみた強さの青年がいるんですよ。あの村には」



 はーはははッ、とソルトは腹を抱えて笑った。



「強いヤツが1人や2人いたところで、このオレには勝てやしねェよ。ましてやこっちは軍隊だぜ。軍隊に匹敵するチカラを持ってるのは、このオレだけで充分だ」



 そう。
 冷静に考えれば、個人が軍に勝てるはずがない。



 しかし――。
 ケネス・カートルド。



 あのいかにも弱そうな青年が、ひとたびキバを剥いたとき、オゾマシイまでの強さを発揮するのだ。帝都で発揮したあの異様なまでの強さ。あの青年の負ける姿など、まるで想像できないのだった。



「ケネス・カートルド。たった1人で、ゲヘナ・デリュリアスを屠った青年です」



「ほぉ。呪術師のジイサンか。個人的な付き合いはなかったが、その腕前は一級品だったと聞いているぜ」



 まぁ良い……とソルトは続けた。



「これよりシュネイの村に侵攻する。村人はすべて殺せ。皆殺しだ。《血の伯爵》を破って進撃する、このオレの恐怖を帝国全土に知らしめてやる」



 緊縛のなか、バートリーはケネスへの謝罪を思っていた。彼の故郷を守ることが出来なかった。(あとは、お願いします。ケネスさま……)



 ついに、シュネイの村へと、王国軍が進む。

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