《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第3-17話「シュネイ戦線 Ⅲ」

 バートリーが率いている全軍は、1万。そのうち2000の魔術戦士騎兵を率いて、森で野営している騎馬隊を叩きに行くことにした。



 魔術戦士騎兵。文字通り、魔法も使えるし、剣もやれるという両刀の戦士たちだ。その戦士たちが、馬に乗っているのだから、弱点のない部隊だ。もともとバートリーが持っている部隊であり、戦場に出れば、《凍血隊》などと言われることもある。



 ガルシアを頭にした帝国魔術師は、通常の騎士たちとは階級も違えば、命令系統もすこし違う。だから、ハッキリとはしていないのだが、バートリーはいちおう大隊クラスの隊長ということになる。



 そしてこの戦いでは、総指揮を任せられている。



「なにもバートリーさまが、じきじきに出てくることはなかったのでは?」



 馬で並走しているフーがそう話しかけてきた。



「心配はいりません。王国軍の本体も砦を制圧したところで、すぐ動くとは思えません。それに、この前哨戦で雰囲気に慣れておきたいのです」



 久しぶりの戦場の空気。帝国12魔術師がひとり《血の伯爵》の名を、思い出さなければならない。ゲヘナ・デリュリアスとの戦いのさいには、不覚をとった。カラダがなまっていたからだ――と思っている。



 この騎馬隊500を叩いて、自信を取り戻しておきたかった。



「バートリーさま。もしかして、恋、しておられます?」
 フーが面白がるような笑みを浮かべていた。



「恋?」



「ケネスという青年にです。ガルシア長官など、もうあの青年のことしか考えていないんじゃないか――ってぐらいの執着ですものね」



「……わかりません」



 帝都の戦いのさいに、バートリーはケネスに直接助けられた。そのときから、心のどこかで常に、ケネスのことを考えている。ガルシアにケネスを独り占めされたくないという思いもある。



 ガルシアの思いは不純だ。



 あの人はいつも強弱しか見ていない。強いものを愛して、強いものを慈しむ。弱きものをアッサリと切り捨ててしまう。強いからという理由だけで、ケネスのことを見ている。その目が不純だ。



 それに比べて、私は違う――とバートリーは思う。バートリーは直接ケネスに助けられている。ゲヘナに殺されそうになっていた、まさにその瞬間だった。運命的なものを感じないでもない。



「この戦いが終わったら、告白でもしてみれば良いんじゃないですか? バートリーさまは、殿方とお付き合いしたことあるんですの?」



「いえ」



 男と付き合うということが、完全に頭から抜け落ちていた。自分とはマッタク別の世界の話だと思っていた。



「おっと。いけませんわね。これは死亡フラグってヤツでしょうか?」



「今は、そのような話をしているときではありません」



「そうでしたわね」



 森が、見えてきた。
 敵の気配はない。



 斥候と《通話》をつないでみる。情報が入っている。騎馬隊500は馬をおりて、野営地のテントを組み立てに入っていると言う。王国軍本体も砦を制圧したまま、動きはないということだ。



(私たちの動きには勘付かれていないということでしょうか? それとも、罠?)



 勘付かれていないなら、今のうちに動くべきだ。
 罠なら、手を出さずに引き返すべきだ。



「どう見ます? フー」



「わかりませんが、ここは帝国領です。いまさっき入ってきたばかりの騎馬隊が罠を仕掛ける時間はなかったと思われますが」



「そうですね。なら――」



 行くしかない。
 騎馬隊の500だけでも、ここで潰しておけるのはありがたいことだ。

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