《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第3-4話「故郷の村でクエスト」

 ケネス・カートルドだと名乗ると、ロビンはようやく思い出したようだ。



「あのチンチクリンかよ」
 と、ロビンもみんなと同じことを言った。チンチクリン、というのがこの村での、ケネスの共通認識らしい。



「久しぶり」
 と、ケネスは曖昧に笑った。



 ケネスはロビンのことがあまり好きではなかった。小さいころから、良くバカにされてきたからだ。ロビンのその鋭い目つきを前にすると、心臓が縮むような思いがする。



「村を跳び出して、帝都に行ったって聞いてたが、チョットは成長したのかよ」



「それが、こいつ冒険者になるんだって、跳びだしたくせに、まだFランクらしいぜ」



「マジかよ。オレだってもうEランクだぜ。まだFランとか笑えるなァ。おい」



 ロビンとロールは2人して、笑っていた。



 もはや恥ずかしいを通り越して、だんだん疲れてきた。そう言えば、ロールは昔からロビンとは仲が良かった。2人で楽しそうに話をしていると、胸がチクリと痛むことがあった。今では、胸にトゲが刺さったような感触はなかった。



「で、ロビンも何かクエストを探しに来たのか?」
 と、ケネスは話を進めることにした。



「おうよ。チョウド良かった。3人パーティ推奨のクエストが出てるんだ。けっこう払いも良いみたいだし、3人でやろうぜ」



 そういう運びとなった。



 クエスト内容は、教会の農園を荒らしてくるモンスターの討伐。そのモンスターがどこから来ているのか突き止めて、ダンジョンを制圧すること、ということだった。



 ロビンとロールが先に並んで、少し遅れてケネスもついて行った。この村で、ロールとロビンはずっと一緒にやって来たのだろう。仲の良さそうな2人の背中を見ていると、自分だけハブられているような疎外感をおぼえた。



(まあ、仕方ないか)
 村を跳びだしたのは、自分の選択だったし、後悔はしていない。



「まったく、コゾウはどこへ行ってもバカにされておるなぁ」
 と、ヴィルザが呟いていた。

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