《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第3-2話「幼馴染」

「さっきはサンキューな」
 と、ロールが言った。



 ロールの家にあげてもらった。村の家屋は基本的にどれも木造になっている。床も壁も木でできている。窓辺には植木鉢が置かれており、真っ赤な花と真っ青な花が開いていた。なんという花なのかケネスにはわからなかった。



「いや。たいしたことじゃないし」



「帝国騎士を追い返すなんて、けっこうスゴイと思うけど。なんかネックレスを見せたら、ビビってたみたいだけど」



「まぁ、オエライサンのネックレスなんだよ」
 ふぅん、とロールはあまり興味なさそうに、うなずいていた。



「しっかし、急に村を跳びだしたりして、心配したぜ」



「冒険者になりたくてさ」



 村を跳び出して、上京したのが今からおおよそ2年前といったところだ。こんな村で、農地を耕して一生を終えたくはなかった。帝都に夢を見ていたのだ。キラキラした都市の生活。勇猛果敢な冒険者。冒険者になって名を馳せて、モテモテになってやるぞと意気込んでいた。現実は、そう甘くはなかったのだけれど。――まぁ、つまり、青かったのだ。



「私も冒険者になったぜ」
「え? ロールが?」



「ケネスが村を出て、しばらくしてから、ここにも冒険者ギルドの支部ができたんだ。それで、冒険者になったわけ」



 ロールは腰につけていた銀のプレートを机の上に出した。



「銀ってことは、Eランク冒険者ってことか?」



「最近は、このあたりもモンスターがよく出てくるんだ。出てくるって言っても、スライムとかゴブリン程度だけどな。でも、おかげでEランクに昇格できた」



 そっちはどうなんだよ――と尋ねてくる。



「オレはまだF」
 と、ケネスは銅のプレートを見せた。



 笑われた。



「はーはははッ。冒険者になるんだって上京したくせに、まだFランクかよ。情けねェなァ。おい」



「わ、悪かったな。いろいろと忙しかったんだよッ」



 赤面をおぼえる。
 たしかにロールの言う通りだ。親の反対を振り切ってまで上京したくせに、村に留まっていたロールのほうが昇格してるだなんて、あんまりにもカッコウがつかない。



「女の尻でも追いかけてたんだろ」
「そんなんじゃないよ」



 ロールはおもむろに煙草を取り出すと、それを口にくわえた。火打金で火種をつくると器用に、葉先を燃やしていた。



「煙草吸うのか?」
「悪いかよ」
「いや。別に、悪くないけどさ」



 煙草は龍の葉と言われるものが、紙の筒に詰め込まれている。龍の葉は「精神刺激薬」の原料にもなっている。「精神刺激薬」は、魔術師が魔法を使いすぎたさいに気付け薬として使われる。



 同じく、煙草も精神疲労を回復させる効果があるのだが、あまり吸いすぎると依存してしまうとも聞く。それに、やさぐれている人が吸うものだという印象が蔓延していた。



 龍の葉の焼けた臭いが、部屋に立ち込めた。



「背、伸びたよな」
「1年前までは、そんなに――だったんだけど」
「そのトンガリ帽子。脱いでみろよ」



 ロールに言われて、帽子を脱いだ。ロールが歩み寄ってきた。ロールは自分の亜麻色の髪に手でおさえつけていた。その手でケネスとの身長差をはかっていた。ちょうどロールの頭頂部が、ケネスの鼻のあたりに当たる。



「私より、でかいし」
「オレも男だし。大きいほうがカッコウ良いだろ」



 昔から、小さいのはコンプレックスのひとつだった。



「ンで、その服装はどうしたんだよ。魔術師にでもなったのか?」



 ロールは気だるげに煙草をふかしながらそう言った。全身から、退廃したような雰囲気が発散されていた。ロールはケネスと同い年のはずだったが、ずっと年上のように感ぜられた。



「魔術学院に通ってるんだ」
「へえ。魔法を使えるのか?」
「まあ。少しは」



「じゃあ、チョウド良い。今から冒険者ギルドに行こうぜ」



「今から? でも、父さんと母さんにも挨拶しておきたいんだけど」



「うちの親父もそうだけど、丘の向こうの農地に行ってるから、日暮まで戻ってこねェぜ。どうせ、それまで暇だろ」



 なかば強引にロールに誘われて、家を出た。

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