《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第2-9話「はじめての講義」

「はじめまして。先日、編入してきた、ケネス・カートルドです」



 大きな教室だった。巨大な窓が5つもあった。窓からは陽光が差し込んでいる。陽光が照らしているのが、魔術師になろうとする学徒たちの面だった。



 学徒たちの瞳は、陽光のなかにも興味と好奇心にかがやいて、新しく学び舎に加わる新参のケネスを見つめていた。



 その視線を受け止めるのが照れ臭くて、教室を見渡すように視線をめぐらせた。教室全体が半円状を描いている。2人掛けの長机がすべて、教壇に向かうように設置されていた。



『たいしたことなさそうだな』
『たしかに、いかにも弱そうな感じ』
 といった生徒たちの囁き声が聞こえてくる。



 そういった揶揄の声にケネスはスッカリ慣れていた。だが、場がいつもと違うからか、顔が火照るのを感じた。


「それでは、今日からよろしく。ケネス・カートルドくん。好きな席に座ってちょうだいね」
 と、担任のハグル先生が言った。



 黒髪の気の強そうな女性だった。ベルジュラックでは、さまざまな髪の色合いが入り乱れている。ケネスも同じ黒髪なので、ハグルにたいしてすこしだけ親近感をおぼえた。



 ハグルは黒いトンガリ帽子に、黒い外套を着ている。帝国魔術師は白いローブのようなものを着ているが、一般的な魔術師はこういった漆黒の外套に身をつつむことになっている。



 空いている席を探す。



 ちょうどヨナの隣席が空いていたので、そこに座ることにした。ヨナとは相部屋なので、少しは話せる仲になっていた。女性のような艶やかな肌をしているのだが、本人は男だと言っている。なにより、男子寮にいるのだから、男なのだろう。



「よろしく」
「うん。よろしくね」
 と、ヨナは愛想の良い笑みを向けてきた。その笑みを向けられると、ドキッとしてしまう。男にしては、可憐すぎる。



 さっそく講義がはじまった。
 魔術学の講義だった。



火球ファイヤー・ボール》は基礎魔法か、上位魔法か――とか、基礎魔法と上位魔法の違いを述べよ――とか、そういった内容だった。ヴィルザの魔法を見てきたおかげで、そういった知識はかなりなじみ深いものになっていた。



 そのヴィルザはというと、講義が暇なようで、教室を歩き回ったり、教壇でダンスを踊ったりしていた。



(マッタク好き勝手にやってくれちゃって)
 と、ケネスは愚痴を胸裏でつぶやいた。



 それにしても、これだけの生徒がいるのに、ひとりもヴィルザの姿を目視できないというのは、驚くべきことだった。もしかすると、ヴィルザを視認することができるのは、世界中でオレひとりだけかもしれない。そう思うと、自分は特別なのかもしれないという、妙な優越感をおぼえるのだった。



 ポンッ。



 何かが飛んできた。紙のツブテだった。それは、ヨナの顔に直撃していた。紙は床に落ちていた。



「大丈夫か?」
「うん。ありがとう。でも、大丈夫」
 と、ヨナは笑っていた。



 誰かのイタズラなのか。それとも、偶然飛んできたものかもしれない。あまり深くは考えなかった。しかし、しばらくすると、ふたたび紙のツブテが飛んできた。それは、またしても、ヨナの顔に直撃していた。



「これって……」
「へへ」
 と、ヨナは曖昧な笑みを浮かべていた。



 周囲を見渡しても、誰が紙のツブテを投げてきたのか、わからなかった。紙のツブテはまるで悪意が塗り固められたみたいに、インクの黒で染まっていた。

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