《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

執筆用bot E-021番 

第17話「孤独の放浪者 森の奥地へ」

「あ、オレが先頭を歩きます」
 と、ケネスがしゃしゃり出てきた。



 テイラは舌打ちしたい気分だった。



 あんたがザコだから、私たちが前に出てるんでしょうが――と言いたくなる。相手はFランだ。噛みくだいて教えなければいけないのだろう。



「どうして先頭に?」
 と、ガルが尋ねる。


「オレの固有スキルは《可視化》なんです。その無効化のキノコの場所も、探り出せるかもしれません。暗いのもぜんぜん見えますし」



 はぁ。
 もはや呆れて物も言えない。



 たしかにベルジュラックに生まれてきたからには、誰しもが固有スキルを保持している。だが、自分のスキルを他人にひけらかすようなことは、普通はしない。よほど信用できる相手なら別だが、昨日会ったばかりの相手に言うのは論外だ。


「なるほど。なら、後方から指示を送ってくれると助かる。……それから、あまり他人にスキルを言わないほうが良いぞ。いろいろと悪用されることがあるからな」
 と、ガルは親切に教えてやっていた。



「そうなんですか。ありがとうございます」
 と、ケネスは素直に頭を下げていた。



 たしかに悪いヤツではないのかもしれない、とテイラは思った。悪巧みをするような知恵もなさそうだ。



 前を、ガルとマスクの2人が歩く。後ろはおのずとテイラとケネスが歩くことになる。テイラは癒術に長けているが、前衛向きではない。



 ケネスはさっきから、1人でブツブツとしゃべっている。誰かと通話を行っているのだろうか。風系基礎魔法に《通話》というものがある。声を風に乗せて知り合いのもとに飛ばすのだ。



 手紙の音声ヴァージョンのようなものだ。



「あんた。さっきから誰と《通話》してるわけ? っていうか、そもそも基礎魔法を使えるわけ?」



 テイラは怪訝な気持で尋ねた。



 Fランク冒険者なのだ。基礎魔法ですら使えないはずだ。あるいは《通話》にだけ優れているという可能性はある。誰でも得意な魔法と、苦手な魔法というのはある。



「あ、いや。すみません」
 と、ケネスは口を閉ざした。



「イザとなったら私が守るから、何かあったら私の後ろに隠れなさいよ」



「いや、さすがに自分の身ぐらいは、自分で守れますよ」



「人食いスライムは、Cランク冒険者に相当するモンスターよ。変な強がりはやめなさい」



 女性の前で、男がカッコつけたがることは、テイラはよく知っている。ガルとマスクが、キレイな女性を前にすると舞い上がるところを、何度も見てきた。



 そのたびにテイラは、チッとばかり面白くない感情を胸に燃やした。別に、ガルとマスクにたいして、恋愛感情を持っているわけではない。孤児院でずっと一緒に暮らしてきたからか、家族のような印象のほうが強い。

「《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く