《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

執筆用bot E-021番 

第42話「プロローグ」

 一方。
 ケネスは何をしていたのかと言うと――。



 部屋の荷物をまとめて、旅の準備である。今回の帝都奇襲を防いだことで、色々と贈り物をもらったのだ。



「ほれ、急げ急げ。爵位なんかもらってみろ。もはや帝国の犬となって、自由に冒険もできなくなる。そうなれば、私を封印している呪痕を潰すという約束もパァだ」
 と、ヴィルザが急き立ててくる。



「わかってるよ」



 爵位はチョット欲しかったけれど、帝都軍人になるのはゴメンだ。軍人になったら今より、さらに魔術を行使することになる。無闇やたらに魔神のチカラを行使するのは危険だ。



「くそぅ。無効化のポーションが私に働いてくれれば、何も言うことはなかったんだが」



 無効化のポーションは余ったのだ。余った分を、ヴィルザに飲ませてみた。ヴィルザが、非常に苦い思いをするだけの結果に終わった。神の封印が、キノコごときで解けるわけもない。



「あ。いかん。コゾウが逃げ出したことが、すでに広まっているようだ」



 外。
 表のストリートに、王国騎士たちがゾロゾロと出てきはじめた。ケネスのことを探しているのだろう。デジャヴュだ。



「よし。準備できた」



「なら、《透明化トランスパレント》の魔法をかけてやる。さっさと帝都を出るぞ」



「わかった」



 貸し部屋を出る。アパートを出るさい、家主の部屋に「部屋の解約書」と「解約金」を放り込んでおいた。



 以前も同じように帝都を飛び出したけれど、そのときよりかは気分が楽だ。以前は殺人の罪で追われていた――いや、追われていると思っていたのだから。



 これからどうしようなんて、当てはない。



 呪痕を潰すと約束してしまったからには、いちおう探すフリだけはしておこうかと思っている。



 冒険者としてコツコツ生活していけば、旅をしながらでも、なんとか生活していけそうである。



「ふふん」
 と、ケネスは笑いをこぼした。



「どうかしたか?」
「いや、チョットだけ良いことがあったから」



 ケネスは、剣も魔法も使えないFランク冒険者だ。



 でも、今回の騒動が経験になったのか、チョットだけ魔法を使えるようになった。人差し指の先に小さな火を灯すぐらいは出来るようになったのだ。火系基礎魔法の《ライト》と言われるものだ。



 冒険者としてやっていくからには、ヴィルザのチカラではなくて、自力で何とかするつもりだ。今ならゴブリンぐらいは倒せるかもしれない。



 帝都の城門棟を抜ける。
 目の前には、世界が広がっていた。



 最弱の冒険者ケネス・カートルドと、最強の魔神ヴィルザハードの旅が、ここに幕を開けたのだった。

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