《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。

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第32話「帝都へ戻る」

「おや?」
 と、ヴィルザが疑問符を発した。



「どうかしたか?」



「《通話》が入っておる。魔法陣を展開せよ。相手と通信できるはずだ」



《通話》の相手は誰だか、すぐにわかった。ケネスは今まで魔法を使えなかった。なので、《通話》できるように魔力をつなげた相手は、1人しかいない。『孤独の放浪者』のマスクだ。



「もしもし?」



『ああ。良かった。ケネスさんですかぁ』
 やはりマスクの声だ。
 男性なのに、どことなく媚を含んだような、粘り気のある声質をしている。



「あ、はい」



 あきらかにガルやマスクのほうが年上なのに、「さん」を付けられるのは、面映ゆくて仕方がない。ヴィルザのチカラを、ケネスのチカラだと勘違いしているから、居たたまれない感もある。



 ホントウは何のチカラもない、Fランク冒険者なんです――なんて言えない。言ったとしても、信じてもらえないだろう。



『無効化のポーションが完成したんですけど、ちょっと渡すどころじゃなくなっちゃいました』



「何かあったんですか?」



『今、王国軍に帝都が襲われているんです。しかも、何かよくわからないチカラで、カラダがしびれていて。出来れば、助けに来ていただきたいんですが』



「わかりました。すぐ行きます」



 ここからでは帝都に異変があるとは思えないが、マスクの言葉に偽りがないことは知っている。ケネスも王国軍によって、囚われていたところなのだ。その王国軍がついに帝都に攻撃を開始したのだ。



「どうするつもりだ?」
 ヴィルザが尋ねてくる。



「助けに行かないと」



 帝都には知人も多くいる。みんなと仲が良かったわけではないが、知人が殺されるのは気持良いものではない。なにより『孤独の放浪者』の3人には世話になった。しかし、ケネス1人のチカラでは王国軍に対抗する術がない。



「また、チカラを貸して欲しいんだ」
「帝都に戻れば、捕まるかもしれんぞ」



 ヴィルザは揶揄するようにそう言ってきた。
 そう言えば、そのことを失念していた。



「でも、敵が攻めて来てるってことは、オレを捕まえるどころじゃないだろう」



 いや。
 それどころか、この戦で戦果をあげれば、罪がチャラになるという可能性も期待できる。実力主義の帝国のことだ。ありえない発想ではないはずだ。



「くくくっ。私ももとより、帝都に戻るつもりだ。無効化のポーションはまだ、帝都にあるのであろう。急ぎ、取りに戻らねばなるまい」



 そっちの心配も忘れていた。
 万が一、無効化のポーションをヴィルザが飲んでしまったらどうなるのか――。それで、呪いが溶けて、この世界に顕現することになったら――。



 想像するだけでも、怖ろしい。



 そのポーションのことは、上手く処理しなければならない。



「じゃあ、戻ろうか。帝都に」
 闘技大会から数日ぶりの帰宅となる。

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