《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。
第14話「無効化のキノコ」
こんな少女、見つけ出さなければ良かったと思う。
もしも、ヴィルザに出会っていなければ、ケネスはまだ帝都で平和に暮らしていたはずなのだ。
《可視化》
だいたいこのスキルのせいだ。
女性の下着を覗くぐらいしか使えないと思っていたらが、トンデモナイ災厄まで覗きこんでしまったようだ。
なんとかならないものか――。
そう思っていたとき。
談笑していた冒険者たちから、気になる会話が聞こえてきた。
『あの森には、無効化のキノコが自生してるらしいですよ』
『無効化のキノコ?』
『そうそう。特別な薬の原材料になるものだそうです』
『どんな薬が出来るんだ?』
『あらゆる魔力や呪術などの効果を打ち消す効果があるらしいですよ。その薬を飲むだけで、固有スキルまで失うそうです』
『げぇ。そんなキノコ誰か必要とするのかね? 固有スキルを失うなんてゴメンだぜ』
『でも、売ればけっこうな金にないます。明日はそれを取りに行きましょうか』
そのヤリトリを聞いたとき、ケネスの脳裏にはある発想が宿った。
そのキノコを自分に使えば、《可視化》を失うことになる。ヴィルザがふたたび見えなくなるということだ。さすれば、ヴィルザから解放されるではないか!
天啓である。スキルを失うのは惜しいが、《可視化》なんて今まであまり活用して来なかった。強いて言うならば、女性の下着が覗けなくなるぐらいだ。ヴィルザのことはカワイソウだと思う。思うけれど、やはり魔神は封印されているべきだろうと思う。
こうして偶然にも、無効化のキノコの話を聞けた。それは、魔神を封印せよという啓示に違いない。
「聞いたか? ケネス?」
ケネスがその発想をひらめいたと同時に、ヴィルザの瞳にも輝きが宿っていた。
「聞いたけど……」
「つまり、その無効化のキノコを手に入れることが出来れば、この私の呪いを解くことが出来るということではないか!」
なんと、こちらも天啓を得たようだ。
「え……」
「だから、あらゆる魔法、呪術、スキルを無効化できるならば、そういうことになろう」
「そうだけど」
たしかに、そうなのだけども――。
ケネスとはまるで逆の考えだ。
「あの冒険者たちと合流して、その無効化のキノコとやらを手に入れようではないか」
「……う、うん」
こうなればヴィルザに協力するフリをして、無効化のキノコを手に入れてしまおう。ヴィルザはこの世界の物体に干渉することは出来ない。一度、薬を手に入れてしまえば、ケネスの好きなように使えるはずだ。
ヴィルザを騙してるようで、心が痛むけれど、仕方のないことだ。これは世界を救うためなのだ。
自首は、無効化のキノコを手に入れてからにしよう。
冒険者グループは3人。『孤独の放浪者』というグループで活動しているそうだ。
ゾールナ・ガルという男性剣士。チェイン・テイラという女性癒術師。マスクという魔術師という構成だった。剣士、癒術師、魔術師。パーティとしてはバランスの良い構成だ。
ガルは真っ赤な髪をした大柄な男性で、かなりコワモテだった。眉間に寄ったシワには獣のような獰猛さがあった。
テイラはまだ少女だった。白い髪をショートボブにしている。美人とは言えないが、顔立ちは悪くない。どことなく薄幸な印象があった。
マスクという男は緑の髪をしていた。その名前の通り、顔にマスクをつけている。老いているようには思えないが、酷い猫背だった。
髪の色に関しては、別に珍しくはない。ベルジュラックには、さまざまな髪の色の人間が存在している。
真っ赤な髪を短髪にしたガルという男が、リーダーらしかった。
交渉のすえ、ケネスは、『孤独の放浪者』に一時的に参加させてもらうことになった。明朝、町の出口で集合ということになった。
もしも、ヴィルザに出会っていなければ、ケネスはまだ帝都で平和に暮らしていたはずなのだ。
《可視化》
だいたいこのスキルのせいだ。
女性の下着を覗くぐらいしか使えないと思っていたらが、トンデモナイ災厄まで覗きこんでしまったようだ。
なんとかならないものか――。
そう思っていたとき。
談笑していた冒険者たちから、気になる会話が聞こえてきた。
『あの森には、無効化のキノコが自生してるらしいですよ』
『無効化のキノコ?』
『そうそう。特別な薬の原材料になるものだそうです』
『どんな薬が出来るんだ?』
『あらゆる魔力や呪術などの効果を打ち消す効果があるらしいですよ。その薬を飲むだけで、固有スキルまで失うそうです』
『げぇ。そんなキノコ誰か必要とするのかね? 固有スキルを失うなんてゴメンだぜ』
『でも、売ればけっこうな金にないます。明日はそれを取りに行きましょうか』
そのヤリトリを聞いたとき、ケネスの脳裏にはある発想が宿った。
そのキノコを自分に使えば、《可視化》を失うことになる。ヴィルザがふたたび見えなくなるということだ。さすれば、ヴィルザから解放されるではないか!
天啓である。スキルを失うのは惜しいが、《可視化》なんて今まであまり活用して来なかった。強いて言うならば、女性の下着が覗けなくなるぐらいだ。ヴィルザのことはカワイソウだと思う。思うけれど、やはり魔神は封印されているべきだろうと思う。
こうして偶然にも、無効化のキノコの話を聞けた。それは、魔神を封印せよという啓示に違いない。
「聞いたか? ケネス?」
ケネスがその発想をひらめいたと同時に、ヴィルザの瞳にも輝きが宿っていた。
「聞いたけど……」
「つまり、その無効化のキノコを手に入れることが出来れば、この私の呪いを解くことが出来るということではないか!」
なんと、こちらも天啓を得たようだ。
「え……」
「だから、あらゆる魔法、呪術、スキルを無効化できるならば、そういうことになろう」
「そうだけど」
たしかに、そうなのだけども――。
ケネスとはまるで逆の考えだ。
「あの冒険者たちと合流して、その無効化のキノコとやらを手に入れようではないか」
「……う、うん」
こうなればヴィルザに協力するフリをして、無効化のキノコを手に入れてしまおう。ヴィルザはこの世界の物体に干渉することは出来ない。一度、薬を手に入れてしまえば、ケネスの好きなように使えるはずだ。
ヴィルザを騙してるようで、心が痛むけれど、仕方のないことだ。これは世界を救うためなのだ。
自首は、無効化のキノコを手に入れてからにしよう。
冒険者グループは3人。『孤独の放浪者』というグループで活動しているそうだ。
ゾールナ・ガルという男性剣士。チェイン・テイラという女性癒術師。マスクという魔術師という構成だった。剣士、癒術師、魔術師。パーティとしてはバランスの良い構成だ。
ガルは真っ赤な髪をした大柄な男性で、かなりコワモテだった。眉間に寄ったシワには獣のような獰猛さがあった。
テイラはまだ少女だった。白い髪をショートボブにしている。美人とは言えないが、顔立ちは悪くない。どことなく薄幸な印象があった。
マスクという男は緑の髪をしていた。その名前の通り、顔にマスクをつけている。老いているようには思えないが、酷い猫背だった。
髪の色に関しては、別に珍しくはない。ベルジュラックには、さまざまな髪の色の人間が存在している。
真っ赤な髪を短髪にしたガルという男が、リーダーらしかった。
交渉のすえ、ケネスは、『孤独の放浪者』に一時的に参加させてもらうことになった。明朝、町の出口で集合ということになった。
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