《完結》異世界最強の魔神が見えるのはオレだけのようなので、Fランク冒険者だけど魔神のチカラを借りて無双します。
第6話「帝国闘技大会・参加」
帝都。闘技大会会場。この闘技大会は、デラル帝国の皇帝主催で行われるものだった。そのため、城内の練兵場で行われることになった。
城壁によって周囲は囲まれている。練兵場の周囲のみならず、城壁の上にまで観客が押し寄せている。闘技場の舞台は、芝草が切りそろえられている。
普段は、一般人は城には入れなかったから、貴重な体験だった。
「まだまだエントリーを受け付けておりまーす。腕に自信のあるかたは、ご応募くださーいッ」
と、メイド服を着た女性が呼びかけていた。城の女中か何かだろう。灰色の衣服に純白の前掛けをしている。それが、女中の正装だ。雑踏にモミクチャにされながらもケネスは、なんとか応募を完了した。
「あれ、お前も闘技大会に出るのかよ」
と、知人たちに声をかけられた。
別段親しくもないが、冒険者としてよく顔を合わせる相手だった。
「Fランが闘技大会に出るだなんて、ボコボコにされないように気を付けろよ。原則禁止とはいえ、殺されるかもなー」
と、はやしたてると、冒険者たちは立ち去った。
屈辱的だが、この手の揶揄にはもう聞きなれていた。
「貴様。冒険者をやってるのか」
と、ヴィルザが意外そうに尋ねてきた。
「言ってなかったけ? まぁ、Fランなんだけどね」
「ダメダメであるな」
「うん」
「しかし、貴様がダメダメなのは今日で終わりだ。この闘技大会で優勝すれば、周囲の者が見る目も変わろう」
励ましているつもりなのか、ヴィルザはそう言った。
ヴィルザの言葉はたしかに、ケネスを鼓舞した。魔神のチカラはホンモノだ。この目で確認したのだから。ケネスが魔法陣を展開することで、そのチカラを発現することが出来るなら、怖いものなしだ。
「でも、チカラは加減してくれよ。さっきも言ってたけど、何をしても良い闘技大会とはいえ、殺すのは原則禁止だからな」
「了解した」
闘技大会がはじまった。
ケネスは控室から、大会の様子を見ていた。闘技大会は1対1のトーナメント形式になっている。予選はいくつかのブースにわけられるが、本選になると練兵場をまるまる1つ使っての1対1となる。
さすが帝都主催の闘技大会なだけあって、有名な武闘家や魔術師も多く参戦していた。そういった名だたる人物が出場すると、会場が「わーっ」と沸き立つから、控室からでもすぐにわかる。有名人の場合は予選であっても、練兵場全面を使って行われるようだった。
「うー。緊張してきた」
Fランのケネスは、規模の小さい闘技大会にも参加したことはない。これが処女出場になる。
控室にも、尋常ではない空気に満ちている。石造りの部屋だ。会場のほうを見ることが出来るように、大きな窓があるが、鉄格子がはめられている。まるで牢屋にでも閉じ込められた気分だ。
大会に出場する選手たちが、待機できるほどの広さはある。が、窒息しそうなほどの閉塞感を覚える。
あらゆる武闘家や魔術師たちが、密集しているのだ。大会に参加するからには、腕に自信があるのだろう。彼らの発する闘気のようなものが、空気の濃度を濃くしてるように思われた。
ケネスは場違いにもはなはだしい。
年齢的にも、若すぎる。
「落ちつけ。別に貴様が緊張する必要はない。貴様はただ魔法陣を展開するだけで良いのだから」
「うん」
これだけの人がいるのに、誰1人ヴィルザの存在に気づく者はいなかった。
独り言については、別に問題はない。
魔術師の中には、魔法通話を行う者もいる。1人でベラベラしゃべっていても、軽いイチベツをくらうだけだ。
騎士が控室に入ってくる。
エントリナンバーが読み上げられる。
ケネスの出番だった。
「よし」
頬をパンパンと叩いた。
城壁によって周囲は囲まれている。練兵場の周囲のみならず、城壁の上にまで観客が押し寄せている。闘技場の舞台は、芝草が切りそろえられている。
普段は、一般人は城には入れなかったから、貴重な体験だった。
「まだまだエントリーを受け付けておりまーす。腕に自信のあるかたは、ご応募くださーいッ」
と、メイド服を着た女性が呼びかけていた。城の女中か何かだろう。灰色の衣服に純白の前掛けをしている。それが、女中の正装だ。雑踏にモミクチャにされながらもケネスは、なんとか応募を完了した。
「あれ、お前も闘技大会に出るのかよ」
と、知人たちに声をかけられた。
別段親しくもないが、冒険者としてよく顔を合わせる相手だった。
「Fランが闘技大会に出るだなんて、ボコボコにされないように気を付けろよ。原則禁止とはいえ、殺されるかもなー」
と、はやしたてると、冒険者たちは立ち去った。
屈辱的だが、この手の揶揄にはもう聞きなれていた。
「貴様。冒険者をやってるのか」
と、ヴィルザが意外そうに尋ねてきた。
「言ってなかったけ? まぁ、Fランなんだけどね」
「ダメダメであるな」
「うん」
「しかし、貴様がダメダメなのは今日で終わりだ。この闘技大会で優勝すれば、周囲の者が見る目も変わろう」
励ましているつもりなのか、ヴィルザはそう言った。
ヴィルザの言葉はたしかに、ケネスを鼓舞した。魔神のチカラはホンモノだ。この目で確認したのだから。ケネスが魔法陣を展開することで、そのチカラを発現することが出来るなら、怖いものなしだ。
「でも、チカラは加減してくれよ。さっきも言ってたけど、何をしても良い闘技大会とはいえ、殺すのは原則禁止だからな」
「了解した」
闘技大会がはじまった。
ケネスは控室から、大会の様子を見ていた。闘技大会は1対1のトーナメント形式になっている。予選はいくつかのブースにわけられるが、本選になると練兵場をまるまる1つ使っての1対1となる。
さすが帝都主催の闘技大会なだけあって、有名な武闘家や魔術師も多く参戦していた。そういった名だたる人物が出場すると、会場が「わーっ」と沸き立つから、控室からでもすぐにわかる。有名人の場合は予選であっても、練兵場全面を使って行われるようだった。
「うー。緊張してきた」
Fランのケネスは、規模の小さい闘技大会にも参加したことはない。これが処女出場になる。
控室にも、尋常ではない空気に満ちている。石造りの部屋だ。会場のほうを見ることが出来るように、大きな窓があるが、鉄格子がはめられている。まるで牢屋にでも閉じ込められた気分だ。
大会に出場する選手たちが、待機できるほどの広さはある。が、窒息しそうなほどの閉塞感を覚える。
あらゆる武闘家や魔術師たちが、密集しているのだ。大会に参加するからには、腕に自信があるのだろう。彼らの発する闘気のようなものが、空気の濃度を濃くしてるように思われた。
ケネスは場違いにもはなはだしい。
年齢的にも、若すぎる。
「落ちつけ。別に貴様が緊張する必要はない。貴様はただ魔法陣を展開するだけで良いのだから」
「うん」
これだけの人がいるのに、誰1人ヴィルザの存在に気づく者はいなかった。
独り言については、別に問題はない。
魔術師の中には、魔法通話を行う者もいる。1人でベラベラしゃべっていても、軽いイチベツをくらうだけだ。
騎士が控室に入ってくる。
エントリナンバーが読み上げられる。
ケネスの出番だった。
「よし」
頬をパンパンと叩いた。
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