中学生からリスタート

UAI

6話 悲劇を回避する

入学して2日目しか経っていないので、各教科の授業は先生の自己紹介が多かった。時間が余ったら教科書に入るって形だった。授業なんぞすっ飛ばして、あっという間に放課後を迎えた。

(この日は、社会体育館が休館日だから中学校の体育館でやってたな。バレー部1面、女子バスケ部半面、剣道半面。バレー部は校舎側、女子バスケ部・剣道部はステージ側。起こるのはパス始まって対人パスのタイミング。)

対人パスは、打って上げてを繰り返す練習法。

「うまくいきますように」

ボソっと小さく呟いた。

「置いてくなよ、悠李」
「すまん、着替えてたから」
「お前は更衣室で着替えるから良いだろけど」
「すまんて、遅めに歩いてたのに」
「まー、今日の部活動の時覚えてろよ」

(2人してニヤニヤし始めた。サーブ練習の時狙ってやる)

2人が合流して、すぐに体育館に着いた。龍弥と大介はすぐにコートに入って悠李は着替えるため更衣室に入った。

「こんちゃー」
「おす」
「遅かったな」

挨拶をして更衣室に入った。1番奥のロッカーに荷物を置き、練習着に着替えた。

「龍弥、大介手伝って、ネット張るから」
「「了解」」

快く2人の返事が帰ってきた。ポールを運び立てる。ネットを掛け、ポールに紐で結びつけアンテナを付けて、ポールカバーを装着させて、完成。

(3人だと早いな、これ1人でやってたからな。苦労したよ)

立て終えたと同時に先輩達が入ってきた。流れるように部活動見学の人達も入ってきた。道具はコートの端に邪魔にならないとこに置いてある。

(にしても多いな今日は。男子と女子の合同だからなおさら。さりげなくストレッチしてる、経験者が俺だけだからなー)

「悠李パスやろー」
「良いですよ。ここでやりましょー」
「校舎側の方でやろか、ステージ側はグリーンネットあるからやりづらいし」
「同感です」

先輩の方からポールの近くでパスをしようと誘われ、悠李はバレーネット側に自ら行った。''先輩なんでボール拾いは自分がします。"と言って。1年では悠李だけが新入部員として練習に入っていた。女子はまだ見学をさせられていた。
そして、パスが始まった。アンダーパス、オーバーパスと着々と進んでいった。

(そろそろ時間か、うし。)

「先輩、茶飲んできていいですか?」
「おう、行ってこい」

許可を貰って外にいく口実を作る。そして時間が訪れた。

「千亜里、危ない」

千亜里は、ボールを追いかけるのに夢中で前を見てなかったのかボールを上げた後前を見るとポールが数歩のとこにあった。だが、危なくはなかった。悠李が前にいたからだ。

(ナイスタイミング。....いや、胸ありすぎちゃう?中学生やろ成長早ない?)

安堵しているのも束の間、ゴンッと何かをぶつける音がした。

(あれ、意識...が...)

タイミングは、良かった。安心するのが早すぎたのだ。千亜里はボールを追いかけるスピードのままポールとの接触を避けた。だがその反動で悠里は足を滑らせ、ポールの紐を巻き上げるとこに頭をぶつけた。

「先輩...だい..じょ..」

悠李はゆっくりと目を閉じ、意識を失った。頭の周りには血が溜まっていた。





めっちゃ話がやばいですね。
飛ばしてすいません、こういう展開にしたかったんです。


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