雨のうち神

姉の火花

僕の二つ上の姉、上杉火花。僕が幼い頃に家族が事故に遭ったとのことで 親戚である僕の家に来た。初めて会った時になぜか彼女はまるで最初から僕を知っているかのような感じがして少し怖かった。(まあ気のせいだったけどね) 一緒に住むようになってからは ベッドに忍び込んだりお風呂に乱入してきたり やりたい放題で 正直鬱陶しかったが、とても外面は良く 成績は優秀 そのために僕は自由に過ごせていたので特に嫌いというわけではなかった。
「今日は学校に行くの?」相変わらずのにやけ面で聞いてくる
「当たり前でしょ、逆になんで休むという発想になるのさ」 とさっきまで二度寝しようとしていたことなんかないかのようにベッドから飛び起きる。
彼女は そう、、、 二度寝するかと思ってたわ、とつぶやいた気がしたが無視して部屋を出た。部屋を出ると両親が朝ごはんを食べていた。「おはよう」母が笑顔で言う
おれは黙っていたが 後から来た火花が答えた 「おはようございます、美月さん、勤さん。」父は無口で新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた。姉が来てからさらに無口になった気がするが気にしない。ただ姉にとって僕の両親は外面を使わないといけない存在だということは確かなのだろう。まあ家族関係のことは置いといてまあごく普通の家庭だ。僕は心の中で誰かに説明しながらご飯を食べて家を出た(もちろん姉も一緒に) 
7時45分
二人は傘をさしながら歩いていた。すると後ろから僕を呼ぶ声がした。
「真田ーー!」 朝からうるさい そう思った僕は無視した。「真田!おい、景虎!返事しろ!!」 はぁー僕はため息をつくと重い口を開けた。
「なに?バカなんだから喋んなよ」バカじゃねーよと満面の笑みで言うこいつはバカである。吉井は僕の部活仲間で、まあ一応親しくしているバカだ。お姉様もおはようございます!! と頭を垂直に下げている
(ほらね、バカだよ) まあそれはいいとして
「要件はなんだよ」と僕は問いかける。
すると吉井は待っていたかのように思い出したかのように答えた。
「昨日の都市伝説のテレビ見た??」
「都市伝説??」 「…………。」
なぜか一瞬姉の顔が曇った気がしたけどすぐいつもの非の打ち所がない笑顔になった。「そうだよー 都市伝説 !!その中でな今絶賛流行りの伝説があるんだよ」
ふーん と興味のないような返事を返しながら(なんせほんとにどうでもいいからな)
とりあえず耳を傾けた。
「なんせ梅雨になったときにこの国のすべての神社にお参りして 願いごとをするとそれが叶うって噂があるんだよ」どんな噂だよって思いながら、会話を催促した。
「だけどそれにはある条件があるんだよ」
「条件??」 あぁ というと吉井はスマホを見してきた。
条件 
その一  
すべての神社にお参りするときは必ず雨が降っていなければならない

その二
最初にお参りにした神社に最後にもう一度お参りしなければならない

その三
願いごとは一人では叶わない

(一人では叶わない?どういうことだ?)
「そう二人以上同じ願いを込めてお参りしないといけないんだよ」 と吉井は聞いてもないのに答えた。 そんなん無理じゃんと思った、まあ都市伝説だしな。そう思っていると  「私、先行くね。」と火花が答えた。 なぜかさっきからずっと様子が変だったが気にしないことにした。そんなこんなで学校に着いて都市伝説の話は終わった。




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