異界への扉~四季編~
夏の世界
「あれ、ここは?」
夏子が目を開くと、目の前には抜けるような青空と一面のヒマワリ畑が広がっていた・・・。刺すような日射しが眩しい。
「うわあ!凄いなあ!でも、暑っ!なあ・・・、って、あれ?」
ここで初めていつも一緒にいるはずの三人の姿が無い事に気付き、慌てて辺りを見渡したが夏子以外の人間は見当たらなかった。
「みんな!?・・・どこに行っちゃったんだ?」
心細くなり遠くまで目を凝らしてみると、地平線の果てまで続いていそうなヒマワリ畑の向こうから微かに潮の香りが漂って来るよう感じた。
「向こうに海があるのか?」
確信は無かったが、もし海があるなら海水浴をしている人達に会えるかもしれない・・・。そう考えた夏子は、潮のはがする方に向かって歩き出した。
歩き始めてから、夏子は今の自分の服装が変わってしまっている事にようやく気が付いた。
髪には真珠の飾りが付き、青空色のTシャツとヒマワリ色のキュロット、ヒマワリの花の飾りが付いた革のサンダルを履いている。
「へえ!いいじゃん!」
夏子は動きやすくて明るい色の服が気に入ったようだった。
しばらく歩いて行くと、水面がキラキラと太陽の光を反射している海岸に出た。
「うわー、すごい!綺麗だなあ」
寄せては返す水しぶきが海風に舞い上がり、まるで夏子を誘うように踊り続けている。
そんな水しぶきにしばらく見とれていた夏子だったがふと海岸の下の方にある砂浜に目を移すと、ピクニックシートが広げられている事に気が付いた。
「あれ、さっきまであんなところにピクニックシートなんてあったっけ?」
誰かいるのかもと思い、辺りを見回すが誰も見当たらない。
夏子はピクニックシートをよく調べて見ようと海岸を駆け下りて行く、そしてピクニックシートに近づいた時あるものが目に付いた。
メッセージカードだった。そこには『これはあなたへの送り物です』と書かれていた。
「えっ?これ、私のなのか・・・?」
改めてよく見てみると、青と白のチェック模様のピクニックシートの上には唐揚げや、様々な炭酸ジュース、海草と夏野菜のサラダやお菓子等が並べてある。
「うわあ!豪華だなあ!」
夏子は大喜びで食べ始めた。夏子の好きな物ばかりだったから、あれもこれもと口に頬ばっていく。
ついつい食べ過ぎてしまったが、夏子は好きな物をお腹いっぱい食べられている大満足だった。
沢山食べてお腹がいっぱいになったら、なんだか眠くなってしまいピクニックシートに横たわると、そのまま寝てしまった。
夢の中で夏子は、果てしなく広がる大海原で遊んでいた。素潜りをしたり、魚達やイルカ達と泳いだり、時々砂浜にあがっては貝殻拾いや、砂のお城作りをしてみたり、人魚達と海の底の真珠を探して遊んだり・・・。
本当に楽しい時間だった。どこか満ち足りた気持ちで目を覚ますと、目の前には綺麗なオレンジ色の夕日が輝いていた。
夏子はその光に導かれるようにまた歩き出す。
不思議と蒸し暑さは感じ無かった。
やがて日は沈み、空には満天の星が煌めきだす。
「うっはー!綺麗だなー!」
あまりの美しさに空ばかりを見上げていたが、ふと視線を前に戻すと青い屋根に白い壁の涼やかな家があった。
そっと中に入ってみると誰もおらず、天井には大きな木のプロペラがゆっくりと回っている。
(テレビで見た事がある。確かバリとかのリゾートホテルにあったやつだ)と夏子は考えていた。
そのプロペラの下には気持ちの良さそうな揺り椅子が置いてある。
夏子はそっとその椅子に腰かけ、前後に体を揺らしながらゆっくりと回るプロペラを見つめていた・・・。
が、やがて夏子の意識は遠のいていった。
夏子が目を開くと、目の前には抜けるような青空と一面のヒマワリ畑が広がっていた・・・。刺すような日射しが眩しい。
「うわあ!凄いなあ!でも、暑っ!なあ・・・、って、あれ?」
ここで初めていつも一緒にいるはずの三人の姿が無い事に気付き、慌てて辺りを見渡したが夏子以外の人間は見当たらなかった。
「みんな!?・・・どこに行っちゃったんだ?」
心細くなり遠くまで目を凝らしてみると、地平線の果てまで続いていそうなヒマワリ畑の向こうから微かに潮の香りが漂って来るよう感じた。
「向こうに海があるのか?」
確信は無かったが、もし海があるなら海水浴をしている人達に会えるかもしれない・・・。そう考えた夏子は、潮のはがする方に向かって歩き出した。
歩き始めてから、夏子は今の自分の服装が変わってしまっている事にようやく気が付いた。
髪には真珠の飾りが付き、青空色のTシャツとヒマワリ色のキュロット、ヒマワリの花の飾りが付いた革のサンダルを履いている。
「へえ!いいじゃん!」
夏子は動きやすくて明るい色の服が気に入ったようだった。
しばらく歩いて行くと、水面がキラキラと太陽の光を反射している海岸に出た。
「うわー、すごい!綺麗だなあ」
寄せては返す水しぶきが海風に舞い上がり、まるで夏子を誘うように踊り続けている。
そんな水しぶきにしばらく見とれていた夏子だったがふと海岸の下の方にある砂浜に目を移すと、ピクニックシートが広げられている事に気が付いた。
「あれ、さっきまであんなところにピクニックシートなんてあったっけ?」
誰かいるのかもと思い、辺りを見回すが誰も見当たらない。
夏子はピクニックシートをよく調べて見ようと海岸を駆け下りて行く、そしてピクニックシートに近づいた時あるものが目に付いた。
メッセージカードだった。そこには『これはあなたへの送り物です』と書かれていた。
「えっ?これ、私のなのか・・・?」
改めてよく見てみると、青と白のチェック模様のピクニックシートの上には唐揚げや、様々な炭酸ジュース、海草と夏野菜のサラダやお菓子等が並べてある。
「うわあ!豪華だなあ!」
夏子は大喜びで食べ始めた。夏子の好きな物ばかりだったから、あれもこれもと口に頬ばっていく。
ついつい食べ過ぎてしまったが、夏子は好きな物をお腹いっぱい食べられている大満足だった。
沢山食べてお腹がいっぱいになったら、なんだか眠くなってしまいピクニックシートに横たわると、そのまま寝てしまった。
夢の中で夏子は、果てしなく広がる大海原で遊んでいた。素潜りをしたり、魚達やイルカ達と泳いだり、時々砂浜にあがっては貝殻拾いや、砂のお城作りをしてみたり、人魚達と海の底の真珠を探して遊んだり・・・。
本当に楽しい時間だった。どこか満ち足りた気持ちで目を覚ますと、目の前には綺麗なオレンジ色の夕日が輝いていた。
夏子はその光に導かれるようにまた歩き出す。
不思議と蒸し暑さは感じ無かった。
やがて日は沈み、空には満天の星が煌めきだす。
「うっはー!綺麗だなー!」
あまりの美しさに空ばかりを見上げていたが、ふと視線を前に戻すと青い屋根に白い壁の涼やかな家があった。
そっと中に入ってみると誰もおらず、天井には大きな木のプロペラがゆっくりと回っている。
(テレビで見た事がある。確かバリとかのリゾートホテルにあったやつだ)と夏子は考えていた。
そのプロペラの下には気持ちの良さそうな揺り椅子が置いてある。
夏子はそっとその椅子に腰かけ、前後に体を揺らしながらゆっくりと回るプロペラを見つめていた・・・。
が、やがて夏子の意識は遠のいていった。
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