異界への扉~四季編~
春の世界
「あれ~、ここってどこ~?」
春子が目を開くと、目の前には柔らかな水色の空と一面の菜の花畑が広がっていた・・・。
「わあ~!綺麗~!ねえ・・・、あれぇ?」
ここで初めていつも一緒にいるはずの三人の姿が無い事に気付き、慌てて辺りを見渡したが春子以外の人間は見当たらなかった。
「みんな~?・・・どこに行っちゃったの~?」
心細くなり遠くまで目を凝らしてみると、地平線の果てまで続いていそうな菜の花畑の向こうにぼんやりとピンクの霞がかかっているように見えた。
「あれってぇ・・・、桜かな~?」
確信は無かったが、もしあれが桜ならお花見をしている人達に会えるかもしれない・・・。そう考えた春子は、ピンクの霞に向かって歩き出した。
歩き始めてから、春子は今の自分の服装が変わってしまっている事にようやく気が付いた。
髪はピンク色のリボンで結ばれ、黄緑色のワンピースに、ピンク色のコットンの靴を履いている。更に黄緑色のワンピースには、ピンク色のリボンが腰の所に付いていて背中側で蝶々結びになっていた。
「わあ~!妖精さんみたい~!」
春子は可愛らしい姿が気に入ったようだった。
しばらく歩いて行くと、桜がひしめくように咲き誇っている野原に出た。
「すご~い!何て綺麗なの~」
桜の花びらがそよ風に舞い上がり、あちらからもこちらからも春子を包むように踊り続けている。
桜吹雪にしばらく見とれていた春子だったがふと桜の根本に目を移すと、ピクニックシートが広げられている事に気が付いた。
「あれ~、さっきまでこんなところにピクニックシートなんてあったかしら~?」
誰かいるのかもと思い、辺りを見回すが誰も見当たらない。
春子がピクニックシートをよく調べて見ようとしゃがんだところ、あるものが目に付いた。
メッセージカードだった。そこには『これはあなたへの送り物です』と書かれていた。
「え?これを、私に~?」
改めてよく見てみると、ピンクと白のチェック模様のピクニックシートの上には彩り豊かなサンドイッチや、様々なフルーツのジュース、春野菜のサラダやお菓子等が並べてある。
「うわあ!なんて豪華なの~」
春子は大喜びで食べ始めた。春子の好きな物ばかりだったから、あれもこれもと口に頬ばっていく。
ついつい食べ過ぎてしまったが、春子は好きな物をお腹いっぱい食べられている大満足だった。
沢山食べてお腹がいっぱいになったら、なんだか眠くなってしまいピクニックシートに横たわると、そのまま寝てしまった。
夢の中で春子は、どこまでも続く野原で遊んでいた。花を摘んだり、その花で花飾りを作ったり、花の蜜を吸い比べてみたり、花の妖精達と追いかけっこをして遊んだり・・・。
本当に楽しい時間だった。どこか満ち足りた気持ちで目を覚ますと、目の前には綺麗なオレンジ色の夕日が輝いていた。
春子はその光に導かれるようにまた歩き出す。
不思議と不安は感じ無かった。
やがて日は沈み、空には満天の星が煌めきだす。
「わあっ!綺麗~」
あまりの美しさに空ばかりを見上げていたが、ふと視線を前に戻すとピンク色の屋根の可愛らしい家があった。
そっと中に入ってみると誰もおらず、テーブルの上には香りの良い香水の瓶が沢山並べられていた。
そのテーブルの前には気持ちの良さそうな揺り椅子が置いてある。
春子はそっとその椅子に腰かけ、前後に体を揺らしながら香水の香りを楽しんでいた・・・。
が、やがて春子の意識は遠のいていった。
春子が目を開くと、目の前には柔らかな水色の空と一面の菜の花畑が広がっていた・・・。
「わあ~!綺麗~!ねえ・・・、あれぇ?」
ここで初めていつも一緒にいるはずの三人の姿が無い事に気付き、慌てて辺りを見渡したが春子以外の人間は見当たらなかった。
「みんな~?・・・どこに行っちゃったの~?」
心細くなり遠くまで目を凝らしてみると、地平線の果てまで続いていそうな菜の花畑の向こうにぼんやりとピンクの霞がかかっているように見えた。
「あれってぇ・・・、桜かな~?」
確信は無かったが、もしあれが桜ならお花見をしている人達に会えるかもしれない・・・。そう考えた春子は、ピンクの霞に向かって歩き出した。
歩き始めてから、春子は今の自分の服装が変わってしまっている事にようやく気が付いた。
髪はピンク色のリボンで結ばれ、黄緑色のワンピースに、ピンク色のコットンの靴を履いている。更に黄緑色のワンピースには、ピンク色のリボンが腰の所に付いていて背中側で蝶々結びになっていた。
「わあ~!妖精さんみたい~!」
春子は可愛らしい姿が気に入ったようだった。
しばらく歩いて行くと、桜がひしめくように咲き誇っている野原に出た。
「すご~い!何て綺麗なの~」
桜の花びらがそよ風に舞い上がり、あちらからもこちらからも春子を包むように踊り続けている。
桜吹雪にしばらく見とれていた春子だったがふと桜の根本に目を移すと、ピクニックシートが広げられている事に気が付いた。
「あれ~、さっきまでこんなところにピクニックシートなんてあったかしら~?」
誰かいるのかもと思い、辺りを見回すが誰も見当たらない。
春子がピクニックシートをよく調べて見ようとしゃがんだところ、あるものが目に付いた。
メッセージカードだった。そこには『これはあなたへの送り物です』と書かれていた。
「え?これを、私に~?」
改めてよく見てみると、ピンクと白のチェック模様のピクニックシートの上には彩り豊かなサンドイッチや、様々なフルーツのジュース、春野菜のサラダやお菓子等が並べてある。
「うわあ!なんて豪華なの~」
春子は大喜びで食べ始めた。春子の好きな物ばかりだったから、あれもこれもと口に頬ばっていく。
ついつい食べ過ぎてしまったが、春子は好きな物をお腹いっぱい食べられている大満足だった。
沢山食べてお腹がいっぱいになったら、なんだか眠くなってしまいピクニックシートに横たわると、そのまま寝てしまった。
夢の中で春子は、どこまでも続く野原で遊んでいた。花を摘んだり、その花で花飾りを作ったり、花の蜜を吸い比べてみたり、花の妖精達と追いかけっこをして遊んだり・・・。
本当に楽しい時間だった。どこか満ち足りた気持ちで目を覚ますと、目の前には綺麗なオレンジ色の夕日が輝いていた。
春子はその光に導かれるようにまた歩き出す。
不思議と不安は感じ無かった。
やがて日は沈み、空には満天の星が煌めきだす。
「わあっ!綺麗~」
あまりの美しさに空ばかりを見上げていたが、ふと視線を前に戻すとピンク色の屋根の可愛らしい家があった。
そっと中に入ってみると誰もおらず、テーブルの上には香りの良い香水の瓶が沢山並べられていた。
そのテーブルの前には気持ちの良さそうな揺り椅子が置いてある。
春子はそっとその椅子に腰かけ、前後に体を揺らしながら香水の香りを楽しんでいた・・・。
が、やがて春子の意識は遠のいていった。
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