扉の向こうへ

　「「!?」」

　眩しい光に驚き、目を瞑っていた四人が恐る恐る目を開けると、そこは宇宙空間の様な不思議な場所だった。

　様々な色の光がさんざめく広大な暗闇の中で、四人の体はフワフワと浮いていた。

　「な、何なの!?これはっ！」

　慌てふためいて夏子が叫んだ時だった。

　『ようこそ、異界の扉へと』

　「「!?」」

　四人の頭の中に柔らかな女性の声が響いた。

　『恐れないで、さあ目を閉じて思い浮かべて・・・』

　『深く、深く降りていく光の階段と、異界に通じる不思議な扉を・・・』

　「「えっ・・・」」

　不思議な事にその柔らかな声に言われると、頭の中に浮かんでいる様々な疑問を口にする事も反抗する事も出来ず、四人は言われるがままに目を閉じ光の階段と扉を思い浮かべるしかなかった。

　四人が目を開けてみると、先程まで星の様な光以外何も無かった空間に、青白く輝く階段が暗闇の深みへと続いていた。

　「「あっ！」」

　その階段を覗き込んだ瞬間、四人の体は誰かに操られる様に階段を滑り降りて行った。

　どんどんスピードを上げていき、深く深く降りて行く。

　どこまで降りて行けばいいのかという疑問が四人の脳裏に浮かんだ時、ようやく古ぼけた大きな扉が目の前に現れ、四人の体はその扉の前で停止した。

　「ね、ねえ・・・、この扉ってあの本の表紙に描かれていたものじゃない？」

　秋子が不安げに口にした時、ギギィッと軋むような音を立てて扉が開いた。

　その瞬間再び四人の体が光に包まれ、扉に吸い込まれて行った・・・。

　

　

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