チートな俺が異世界で食堂を始めたらもうかったんだが。

Lv1物書き

普通の生活……の、つもりだった。

俺、山口秀也は普通の会社員。普通に、普通の生活を送って、普通に死ぬはずだった。特に得意なことも無かったが、強いていえば料理だろう。子供の頃、母子家庭だった俺の家は一人でいることが多かった。だから多分少しうまいのだと思う。
しかし、実際好きでもないので35歳となった今はあまりもう自分で作るということはしない。
今は会社の昼休みだ。近くのコンビニで適当に弁当を買おうと歩いている。いつもの小さい信号もついていないしょぼい横断歩道を渡った。まぁ性格にいえば渡ろうとした。しかし、渡れなかったのだ。俺は感じたことのない全身の痛みを感じた。熱くぼやけている視界をかろうじて見ようとすると、赤黒いグロテスクな血が広がっていた。まるで他人事のようにみていると、人が俺の周りに集まってきた。そこでようやく分かった。どうやらこの血は俺のもののようだ。俺は、ひかれたんだ。交通事故か。そこまで考えたところで全身の痛みが限界に達して俺は意識を失った。



目を開けると、そこは見たこともない知らない家だった。何かのゲームのような家の内装で、少なくとも日本ではないことが分かった。では、何故俺は外国に……。思い出した。俺は死んだんだ。交通事故で。ということは……ここは、夢?にしてはかなりリアルだ。俺はとりあえず寝転んでいたあまり質の良くないベッドから立ち上がった。痛みは……ない。やはり夢か何かのようだ。辺りを見回すが、俺が1人暮らしをはじめた当時よりも小さい、1つの大きいカーペットくらいの部屋だった。ベッド以外にはなにも置いていない。ほかの部屋をみると、洋式のトイレと風呂が同じ部屋にぎゅっと詰まっている部屋一室しかこの部屋以外にはなかった。夢にしてはリアルだな……と違和感も抱きつつ、俺はとりあえず外にでる。外にでて分かった。ここは小さな集落の1つの家だ。しかし見覚えはやはりまったくない。しばらくうろうろ歩き回っていると、2つに三つ編みを分けた優しそうな顔つきの女性に話かけられた。
「あら、あなたが新しく引っ越してきた新入りさんね!大丈夫、あなたのお父様から話はうかがっているわ!夜中の内にきたのね、お疲れ様、すぐ出迎えられなくてごめんなさい、あ!そういえば、ここの集落の傍の街で食堂をはじめるのよね、頑張って!って、私ったらごめんなさい、話すぎちゃったわ!ききたいことがあったらなんでもきいて!」
食堂?お父さん?俺はそんなもの知らないが、まぁ夢だしそれっぽくしとけばいいだろ、俺はその女性に笑顔で相づちをうった。
「ああ。ありがとう、名前教えて貰えるかな?」最低限の社交事例だけですませる。
「クレアよ。あなたは……エリックよね!よろしくね、エリック!」
どうやら俺はエリックらしい。笑顔で別れる。
いや、参った……なかなか目覚めない夢だな。俺、これからどうしようか。

コメント

  • まるこ

    続きが楽しみで~す

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  • Lv1物書き

    初めての作品です、おもしろくなかったらすいません。

    2
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