お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

お昼寝






 「だめだ…ゆいちゃん完全に寝ちゃってるよ…」

 かなりの量があったお節も美味しすぎていっぱい食べてしまったせいで残りわずかだったので、夜ご飯の材料を買いに行こうとしたが、春香の隣でうたた寝していたらゆいちゃんはガチ寝していて起きてくれない。

 「まあ、買い物行くだけだしこのまま寝かせといてあげよう」

 僕はそう言ってぐっすり眠っているゆいちゃんをお布団の上に運んで掛け布団をかけてあげる。そして、春香とまゆと夜ご飯の材料を買いに行ってくるね。とゆいちゃんのスマホにメッセージを送ってから春香とまゆとアパートを出る。しっかりと戸締りをしてまゆの車に乗って近くのスーパーに向かう。

 車の中で夜ご飯何にする?って話になってお正月だから楽なものにしよう。って感じで夜ご飯は鍋に決まった。

 というわけで、新年早々めちゃくちゃ混んでいるスーパーで鍋の材料とついでに数日分の食材を買い込んでまゆの車に戻る。

 まゆの車に乗ってアパートに帰宅している途中、スマホが震えた。画面を確認するとゆいちゃんから電話がかかってきていた。

 「ゆいちゃん起きたみたい」

 そう言いながらゆいちゃんからの電話に出る。

 「もしもし?ゆいちゃん、起きた?」
 「今どこぉ?」

 明るい感じでゆいちゃんからの電話に出たがゆいちゃんのめちゃくちゃ悲しそうな声を聞いて一瞬でゆいちゃんに対して申し訳ない気持ちになる。

 「い、今ね。アパート帰ってる途中だよ」
 「早く帰ってきてぇ」
 「う、うん。わかった」

 僕にはどうしようもないけどわかった。と言わざるを得なかった。とりあえず、アパートに帰るまでゆいちゃんと電話を繋いでいてアパートの駐車場に着いた瞬間、買い物袋を持って春香とまゆにごめん。と言ってめっちゃ部屋まで走った。

 「た、ただいま」
 「おかえり!」

 玄関で暗い表情をしていたゆいちゃんは僕が扉を開けると一気に表情を明るくして僕に抱きついてきた。めっちゃかわいい。

 「寂しいから…1人にしないでよ……」
 「ごめんね。ゆいちゃん、気持ちそうに寝てたから起こすの申し訳なくて……」
 「許す…」

 そう言いながら僕を抱きしめながら僕の背中をぽんぽん叩く。早く抱きしめ返せ。という催促だ。僕は買い物袋を廊下に置いてゆいちゃんを抱きしめ返して改めて、ごめんね。と言う。

 しばらくして春香とまゆも帰ってきてみんなでリビングに向かう。春香とまゆが夜ご飯を用意してくれている間、ゆいちゃんは1人で寂しかったから。と言って僕をソファーに座らせて僕の膝に頭を乗せて横になって足をぱたぱたさせてめっちゃ幸せそうにしていた。

 僕に膝枕をさせてから数分後、ゆいちゃんは再び眠ってしまった。寝るの大好きかよ。かわいいなぁ。







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