お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

目覚め






 なんかすごく頭がいたい…あれ、私、何してるんだろ?ここどこ?薄暗い部屋で目を覚ましたが、頭がすごく痛い。あれ、たしか…私、りょうちゃんたちと初詣に行ったはず……

 周囲に目をやると私が寝ていた布団の横でりょうちゃんとまゆちゃんとゆいちゃんもぐっすり眠っていた。布団も敷かないで寝てるから身体痛めちゃうよ。と思いながら私が使っていた掛け布団をかけてあげる。風邪ひかれたら困るからね。

 「ん…春香、起きたの?」
 「うん…」

 お布団をかけてあげるとりょうちゃんが目を覚ました。起こしてしまったかな。

 「大丈夫?甘酒のせいかはわからないけど、春香酔ってたみたいだから」
 「ちょっと頭いたいけど大丈夫だよ」

 どうやらりょうちゃんに迷惑をかけてしまったみたいだ。記憶ないけど…え、私、甘酒で酔ってたの?お酒に弱すぎじゃない?

 「そっか、ならよかった」
 「うん。ありがとう。わ、私、迷惑かけてなかった?」
 「大丈夫だよ。かわいかったしいつもお世話してもらってばかりだからたまには春香のお世話させてよ」

 そう言ってりょうちゃんは起き上がって部屋から出ていき、コップにお水を淹れて戻ってきてくれた。

 「ありがとう」

 りょうちゃんからお水が入ったコップを受け取ってお水を飲む。頭がキンキンする感じがしたが、りょうちゃんの優しさと相まって一瞬の激しい痛みの後はかなり楽になった。

 「ところで、りょうちゃんとまゆちゃんとゆいちゃんはなんで床で寝てるの?身体痛めちゃうよ…」
 「あ、いや、春香のこと心配で様子見にきたら僕たちも眠くなってつい…」
 「もう…」
 「ん…春香ちゃん起きたの?」

 私が呆れているとまゆちゃんが目を覚ました。うん。起きたよ。迷惑かけてごめんね。と私がまゆちゃんに謝るとまゆちゃんは、本当に大変だったよぅ。と言いながら私にスマホの画面を見せてきた。

 「っ…ぇ……ぅぅ………」

 まゆちゃんのスマホの画面に映し出された私がりょうちゃんにおんぶしてもらいながらりょうちゃんの背中で暴れてりょうちゃんに迷惑をかけている動画を見て私は恥ずかしさから変な声を出してしまう。

 「ま、まゆちゃん…け、消して…」

 恥ずかしすぎるから一刻も早くその証拠を消したい。記憶から抹消したい。

 「え、じゃあ、これいらないんだぁ」

 りょうちゃんにおんぶされながら幸せそうに眠る私の写真…は、恥ずかしい。で、でも…めっちゃ欲しい。

 「ちょうだい…」
 「えー、どーしよっかなぁ」
 「お願い」

 意地悪しないで、ください。めっちゃ欲しいんです。まゆちゃんにめちゃくちゃお願いしたらりょうちゃんにおんぶされながら眠っている写真をもらうことができた。その代わり、当分の間、りょうちゃんの隣はまゆちゃんとゆいちゃんに譲らないといけなくなりそう。







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