お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

恥ずかしい。






 「りょうちゃん、起きて。朝だよ」

 朝、目を覚ますとちょっとだけ顔を赤くしたまゆと目が合う。僕の腕をギュッと抱きしめておはよう。と言ってくれるまゆにおはよう。と返事をする。ゆいちゃんは僕のもう片方の腕を抱きしめながらぐっすり眠っていて、春香は台所で朝ごはんを作ってくれているみたいで、何かを焼く音が聞こえてきた。

 「りょうちゃん、よ、読んだよ…」
 「え、あ、うん……」

 昨日の夜、クリスマスプレゼントの代わりに春香とまゆとゆいちゃんに手紙を書いた。いつもありがとう。と大好き。と、これからもよろしくね。と、僕の想いをいっぱい書いた。だから、こうして、読んだよ。と言われるとすごく恥ずかしい。きっと、まゆも読んだよ。って言うのはちょっと恥ずかしかったと思う。それくらいまゆにいっぱいありがとうと大好き。を伝えたから、少し赤くなっているまゆの表情を見ると、まゆもちょっと照れているのがわかる。それはきっと春香も同じで、だから、いつもまゆと一緒におはよう。と言ってくれるのに今日は台所にいるのだろう。

 「りょうちゃん、えっと、その、ありがと。嬉しかったよ」
 「なんか、恥ずかしいな……」
 「えへへ。書いてある内容もすごーく恥ずかしかったよね。りょうちゃん、どれだけまゆのこと好きなの!?って思っちゃった…春香ちゃんなんか顔真っ赤にしてお布団から飛び出して台所行っちゃうし…」

 え、待って、何それ、僕、そんなやばいこと書いた?え、やばい。めっちゃ恥ずかしい…

 「あ、こら。りょうちゃん、ダメだよ」

 恥ずかしくて、ゆいちゃんの枕元にあった手紙だけでも回収しようとするとまゆに阻止された。恥ずかしすぎるから止めないで。

 「ゆいちゃんにだけお手紙なしは不公平だからね。一度プレゼントしようとしたものを引っ込めるなんて男らしくないよ」

 まゆにそう言われて、ゆいちゃんへの手紙はそのままゆいちゃんの枕元に置くことになった。

 その後、ゆいちゃんを起こすとゆいちゃんはめちゃくちゃ喜びながら手紙を読み始めて手紙を読みながら悶えていた。そんなかわいいゆいちゃんを見ていると癒されるが、めちゃくちゃ恥ずかしかった。

 まゆとゆいちゃんが起きて少しすると、春香が朝ごはんを用意してくれたのだが、春香は僕と目を合わすと顔を真っ赤にして慌てて僕から目を逸らしてしまう。めちゃくちゃかわいかったが、春香から避けられているみたいで寂しい…

 そんな僕と春香の様子を見ながら、まゆとゆいちゃんは春香ちゃんかわいい〜とかヒソヒソ言いながら笑っていた。いや、かわいいけど、お願いだから避けないで!





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