お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

バイト前後




 「えへへ。りょうちゃんとバイト行くの久しぶりだなぁ」

 大学の講義が終わってまゆと合流するとまゆはめちゃくちゃ嬉しそうな笑顔で僕に言う。久しぶり…なのか?

 まゆは金曜日から月曜日までフルでバイトに入って4連勤している状況で僕はアンサンブルの練習で土日バイト入っていなかったが、金曜日は一緒にバイトしてたけど…

 「えへへ。バイトまで少し時間あるし、お茶でもしよ」
 「うん。そうしようか」

 前にまゆとバイト前にデートしていたことが春香とゆいちゃんにばれて怒られかけた(陽菜の容態が悪くなって有耶無耶になった)ことがあってから、バイト前にデートすることはまゆと話し合ってなるべくしないようにしていたが、時間があるからお茶をするくらいは許されるよね。

 そんなわけでまゆと少しだけカフェでお茶をしてからバイトに向かってバイトを頑張る。バイトが終わってからはいつものようにまゆと手を繋いでまゆの車まで歩く。

 「やばい…疲れた……」

 4連勤というだけでかなりきついはずなのに今日は新刊の発売準備とかいろいろやることが多くてめちゃくちゃ忙しかった。

 「まゆ、お疲れ様」

 まゆと車に乗るが、いつもならすぐに運転してくれるまゆが運転を始めてくれない。

 「りょうちゃん、まゆ、疲れちゃったからさ。少しだけ休憩してから運転していい?」
 「うん。もちろんだよ。疲れてる状態で運転は危ないしね…運転、変わってあげられなくてごめんね」
 「気にしないで。まゆ、運転好きだし」

 そう言いながら座席を後ろに倒すまゆ、座席を倒しながら僕に体の正面を向けてから手を伸ばしてギュッと僕の腕を抱きしめてくれる。やばい。めっちゃかわいい。

 「こうしてたら疲れ、一気に取れるからこうしてていい?」
 「う、うん。いいよ」

 かわいすぎて断れるわけがなかった。僕の返事を聞いたまゆはありがとう。と言いながらギュッと僕の腕を抱きしめて目を瞑る。

 数分すると、まゆは眠ってしまっていた。よほど疲れていたのだろう。僕はまゆにブランケットをかけてあげてから春香とゆいちゃんにまゆが寝ちゃったから少し帰るの遅くなるね。と連絡を入れておく。

 こうやって、まゆが疲れている時とか、代わりに運転できたらな。とか思う。免許…取ろうかな。





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