お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

朝のやり取り






 朝、目を覚ますと私の隣で陽菜は私を抱きしめてぐっすり眠っていた。少し離れた場所にいつも陽菜が使っている布団(実際はいつも私の布団で2人で寝てるからほとんど使われてない)を敷いて春香ちゃんが眠っている。

 「りっちゃんさん、おはようございます」
 「あ、ごめん。起こしちゃった?」
 「ちょっと前から一応、起きてました」
 「そっか。おはよう。体調は大丈夫?」
 「りっちゃんさんと春香ちゃんのおかげでだいぶ良くなりました」

 お互いにお互いを強く抱きしめながらそんなやり取りをする。嘘は言っていないだろう。いつもの陽菜だ。

 「良くなったならよかったけど、今日、一応病院行こうね」
 「えー」
 「えー。じゃありません。ちゃんと病院行って、ちゃんと大丈夫。って言ってもらおう」
 「はーい」

 渋々、と言った様子で陽菜は頷く。そんな陽菜を見て、私は陽菜から手を離して布団から起き上がって押し入れに入れていた小さな箱を取り出す。

 「陽菜、動かないで…」

 そう前置きしてそっと陽菜の頭に手を添えて陽菜が頭を動かさないようにしてから陽菜の髪に約束していた物を付けてあげる。

 「うん。めっちゃ似合ってる。めっちゃかわいいよ」

 やっぱり私は自分のためでなく、陽菜のためにヘアピンを買っていたのかもしれない。そう思うくらいめちゃくちゃかわいい。明るい色のお花が陽菜の笑顔とマッチしていてまじで最高。

 「キスされるのかと思いました……」
 「やっぱ返して」
 「嫌です。ありがたくいただきますね」

 陽菜が可愛過ぎたので再び陽菜の頭にそっと手を添えて陽菜が望んでいたように陽菜と唇を重ねた。

 「これで満足?」
 「も、もっと……」

 顔を真っ赤にして更にキスを要求してくる陽菜。かわいすぎるだろ。

 「もっと欲しいの?」

 ちょっといじわるな感じで陽菜に聞いてみると陽菜はもっとぉ。と言いながら私を抱きしめて顔を近づけてくる。私の彼女がめちゃくちゃかわいい。

 「欲しがりさんだなぁ」

 そう言いながら私は陽菜の望みに応える。1度唇が離れるとすぐにもっと。とかあと一回。とか言ってくるのがめちゃくちゃかわいい。

 「もっと」
 「だーめ。そろそろ春香ちゃん起きちゃうだろうしもうおしまーい」

 ちょっといじわるしてからキスしてあげた方が陽菜は喜んでくれるしよりかわいくなるからちょっと焦らしてみる。

 「朝から私は何を見せられてるの?」
 「「…………」」

 寝ていたと思っていた春香ちゃんはいつの間にか起きていてなんかちょっと冷たい目で私と陽菜を見つめていた。私と陽菜は顔を真っ赤にして掛け布団を被って春香ちゃんから姿を隠す。めっちゃ恥ずかしいよぅ。起きてるなら起きてるって言ってよ!!






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