お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

不安





 「陽菜、夜ご飯できたよ」
 「はーい。今日の夜ご飯はなんですかぁ?」
 「すき焼き。陽菜がこの前美味しい。って言ってくれたから…それに、お給料日だからちょっと奮発していいお肉買ったの」
 「やったーめっちゃ楽しみです」

 私がすき焼きの入ったフライパンをこたつに運ぶと陽菜は足をパタパタさせて喜んでいた。かわいい。私は陽菜の取り皿に卵を割ってかき混ぜてから陽菜に渡す。陽菜は笑顔でありがとうございます。と言って受け取ってくれた。

 2人でいただきます。をした後はすき焼きを食べ始めた。食べ始めてから少しすると、陽菜が私の器に私が食べたい具材を取ってくれるようになった。陽菜はちゃんと食べてくれてるかな。と思い陽菜の器を見ると、そこには真っ黄色な卵があるだけだった。

 「陽菜、ちゃんと食べてる?」
 「え、もちろんですよ。陽菜がりっちゃんさんが作ってくれたものを食べないわけないじゃないですか。今日もめちゃくちゃ美味しいです。りっちゃんさん、ありがとうございます」

 なんで、さっきから全然食べてくれないの?と反射的に聞いてしまいそうだけど、私はぐっと我慢した。最近、夜はずっとこんな感じだ。いつもいつも、美味しいです。って言いながらあまり食べてくれない。

 そんな陽菜を見て…私は不安でしかないよ………







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