お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活
朝寝坊
 「ゆいちゃん、起きて…講義遅れちゃうよ…」
 朝、覚悟はしていたが、やっぱりゆいちゃんは起きてくれない。幸い、ゆいちゃんが2人で登校したい。と春香とまゆにお願いして2人は了承してくれたので、春香とまゆが迎えに来てくれて巻き添えをくらうことはないが…
 「ゆいちゃん、単位とか大丈夫なのかな……」
 寝坊して遅刻やサボり常習犯のゆいちゃん。前期はまだよかったが、後期に入って、冬入りしてから布団から出るまで時間がかかるようになっている気がする。
 「ゆいちゃん、起きてよ〜」
 「ん…りょうくん、だーめ。さむぃからぁ。抱きしめてて……」
 あぁ…だめだ。甘え声でそんなこと言われたら可愛すぎて逆らえないよ。いつもなら春香やまゆが甘やかさないの。と止めてくれるが、今日は思う存分ゆいちゃんを甘やかしてあげられる。
 僕は喜んでゆいちゃんの隣で横になってゆいちゃんと同じお布団に入ってゆいちゃんをギュッと抱きしめる。朝から最高に幸せです。
 「えへへーあったかぁぃ」
 あー。もう。だめだ。講義なんてどうでもいいや。って思っちゃうくらいかわいい。かわいすぎて死にそう。
 「あったかいねー」
 「うん。おやすみぃ…」
 「おやすみ」
 いやいや、おやすみなんて言っている場合じゃないだろ。と思ったが、僕のおやすみ。を聞いてすぐにゆいちゃんは再び眠ってしまった。最高に気持ち良さそうに眠る極上の寝顔を見たら起こすことなんてできない。はぁ…春香とまゆに後でお説教されそう……
 春香とまゆには、散々とゆいちゃんと寝坊しないか心配されていて、僕とゆいちゃんは笑顔で大丈夫。と言っていたのだが、全然大丈夫じゃなかった。まあ、でも、こんなにかわいいゆいちゃんを甘やかして怒られるなら本望だ。悔いはない。
 そんなことを考えていると僕もうとうとして、ゆいちゃんにつられて再び眠りについてしまった。
 そして、お昼の時間に僕よりも早く目を覚ましたゆいちゃんの叫び声に起こされた。お昼の時間に起きて、りょうくん、寝坊だよ。どうしよう。とか好き勝手言っているゆいちゃんを見て少しだけため息を吐く。朝、何回も起こしたのに……
 起きてからスマホを確認すると、春香とまゆから起きてる?というメッセージが大量に届いていた。最後に送られてきたメッセージが1時間前だから、たぶん、僕とゆいちゃんが寝坊した。と思っているだろう。きっと、返事をしたら電話かかってきてお説教なんだろうな。と思いながら返事をすると案の定そうなりました。
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