お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

夜の課題





 「よし、課題1つ目終わり…」
 「え?1つ目!?」

 昼過ぎから夕方くらいまでぶっ通しで折り紙課題をやって、夜ご飯を食べてまた少し折り紙を折ってようやく終わったと思って、春香と何しようかな。と思ったら1つ目の課題終わったとか言い出しちゃったよ。

 「課題、もう1つあるんだけど、りょうちゃん手伝ってくれる?」
 「う、うん。もちろんだよ」

 ちょっと残念な気持ちもあったが、春香の頼みは断れないし、頼りにされて嬉しかったし課題を一緒にやるだけでも幸せだから全然いいや。

 「え、えっとね…乳幼児保育についての課題なんだけど…その、ちょっと、わからないことあるから…りょうちゃん、乳幼児役やって……」
 「………どゆこと?」
 「は、早くそこで横になって!」

 春香の命令には逆らえない…けど、え、何?これどういう状況?めちゃくちゃドキドキするんだけど…え、本当に課題なんだよね!?

 「りょうちゃん、ほら、あかちゃんになった気持ちでいてね」
 「ば、バブー」

 僕は何をやっているのだろう。は、恥ずかしい。ていうか、春香さん…えっと、その…スマホで動画撮るのやめよ。本当に課題のお手伝いなんだよね?

 「はいはい。りょうちゃん、かわいいねーいい子いい子してあげる」

 春香に頭を撫でられてあかちゃんになったつもりできゃっきゃと喜んでいるといつの間にか春香は僕がきちんと映るようにスマホを録画モードに切り替えて設置していた。やめて、恥ずかしい。

 「りょうちゃんはかわいくていい子だねーたかいたかいしてあげる」

 いやいや、それは無理でしょ。と思っていると、春香は本当に僕を持ち上げようとしていたが、手をプルプルさせても、僕を持ち上げられなかったので途中で諦めた。かわいすぎる。

 「あれ、りょうちゃんお腹すいちゃったのかなぁ?え、えっと…その…うぅ…えっと……おっぱい……飲む?」
 「これ、絶対課題じゃないよね!?」

 春香が暴走し始めたので僕は慌てて春香を止める。これは絶対課題じゃないもん。顔を真っ赤にして服を捲り始めていた春香を僕は慌てて止める。

 「ごめんなさい…りょうちゃんが可愛すぎてつい……やりすぎました……」
 「課題は本当なの?」
 「う、嘘……かわいいりょうちゃん見たかったから…ごめんなさい……」
 「怒るよ」
 「ごめんなさい……」
 「さっきの動画消してくれたら許す」
 「そ、それは嫌だ……」

 春香は慌ててスマホを抱えて、絶対消さないアピールをする。かわいいけど恥ずかしいから消してね。

 「消さないと許してくれないなら…許さなくていいもん」

 僕が春香のことを許さないわけがないとわかってそんなこと言ってるな。本当に許さないよ。怒るよ。

 「春香、お願い…」
 「えへへ。もうまゆちゃんとゆいちゃんに送ったから手遅れだもん」

 テヘペロ。みたいな表情をしながら春香はまゆとゆいちゃんに先程の動画を送った画面を見せてくる。これは許せん。

 「え、ちょっと…りょうちゃん…」
 「僕だけ恥ずかしい思いするの嫌だから、春香にも恥ずかしい思いしてもらうよ」
 「え、りょうちゃん…だめ……」

 ダメと言いながら全く抵抗しない春香を好き勝手いじってあげました。ぐへへ。今日も春香はめちゃくちゃかわいかったです。






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