お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

真剣な話





 「ねえ、りょうちゃん、昨日はさ、まゆちゃんとどんなことしたの?チュってした?ペロペロした?それ以上のことした?」

 僕に抱きついてそんなことを言う春香がかわいすぎる。誘惑やべえ。

 「りょうちゃん…わ、私と……何したい……?」

 顔を真っ赤にしながら僕にそうやって聞いてくる春香が可愛すぎる。やばい。かわいさチート級。

 「春香、まだお昼過ぎだからさ。ゆっくりしようよ。そ、そういうことはもっと遅い時間にさ…そ、そうだ。お散歩でもしようか」
 「やだ。今日はりょうちゃんとずーっとここで2人きり。一歩も部屋から出ないから…ね……」

 やばい。かわいすぎる。かわいすぎて抱きしめちゃう。まじで天使。

 「わかった。えっと、じゃあ、何しようか」
 「課題やるからりょうちゃんお手伝いして」
 「え、あ、うん。いいよ」

 時間はたっぷりあるとは言え、この状況で課題をやるといい始める春香、真面目だなぁ。

 「えっと、折り紙の課題やるから…折り紙切ったりするの手伝って欲しいかな」
 「うん。いいよ」

 保育系の学部に通う春香らしい課題だ。すごく楽しそうだけどすごく大変そう。折り紙を100種類、折り方の途中過程などの詳細を書いたり貼ったりしながらスクラップブックにまとめる課題は楽しそうだけど、めちゃくちゃきついと思う。春香は計画的にやっているが……まゆはどうなんだろう。締め切り前日に慌てる姿が目に浮かぶ……

 「りょうちゃん、今だけはさ…私だけを見て、私だけを考えてよ…」
 「え。あ、うん。ごめんね」
 「いいよ…」

 まゆのことを考えた瞬間、春香に寂しそうに言われて反省する。今は、春香だけを見よう。春香との2人きりの時間なのだから……

 「2人の共同作業…だね。」

 春香の課題のお手伝いを始めてしばらくすると、春香は顔を真っ赤にしながら僕にそう言ってくる。かわいい。

 「そうだね」
 「もしもさ、りょうちゃんと私が結婚とかしたら…ずっとこうやって共同作業できるのかな」
 「春香とずっとこうしてられたら僕は幸せだな。そうなるように、これからも春香を大切にしたいな」
 「りょ、りょうちゃんは…さ……将来のこと、どれくらい考えてる?」

 折り紙を折る手をピタリと止めて春香は僕の顔を見て話をしてきた。すごく、真剣な表情で真剣な話を……

 「4人は嫌?」
 「嫌じゃないよ。でも、本当にずっと4人でいられるのかな。って不安もあるの…」

 春香は暗い表情でそう言う。不安になる理由なんて、たしかにいくらでもある。4人でいる。ってことは、悩みの種も4人分になってしまう。その悩みの種はあっさり、僕たちの関係に亀裂を入れてしまう。今までだって、いっぱいあった。だけど、乗り越えた。4人で…だから…これからも……

 「このままさ、私とまゆちゃんが卒業して働き始めて、りょうちゃんとゆいちゃんも卒業して働き始めてさ、できるだけ4人の職場を近くにして、今みたいに4人で生活できたとしたらさ、数年後に生活が安定したら…そ、その…あ、あかちゃんとか……育てたくなるじゃん……一度に3人は無理だからさ……そう言う時とかどうするのかな。とか、あと、け、結婚はどうするの?とか…結婚式はどうするの?とか、いっぱい考えないとじゃん……りょうちゃんはどれくらい考えてる?」

 春香はすごくしっかりしていて、僕なんかよりも多くのことを考えてくれている。これからも4人でいるために。だから、怒ったのだろう。僕が、まゆとだけ抜け駆けしたような行動をしたから。

 真剣な春香の問いになんて返せばいいのか、少し考えて僕は答えを述べた。






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