お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

どこ?





 「りょうちゃん、これつけて」

 まゆの車に乗るとアイマスクを渡された。

 「え?」
 「はーやーく」

 まゆに可愛らしい声でそう催促されると逆らえないので僕は黙ってアイマスクを付けた。僕がアイマスクを付けるとまゆは車のエンジンをつけて運転を始める。

 「まゆ、どこ行くの?」
 「なーいしょ」

 かわいいかよ。なんか、まゆのテンションが急に高くなった気がする。今からどこに行くのだろう。

 「りょうちゃん、着いたよ」

 アイマスクをしながらまゆとお喋りをしているとまゆにそう言われる。アイマスクを外していいか尋ねるとだめ。と即答された。

 「りょうちゃん、今からまゆがそっち行くからまゆの言う通りに歩いてね」

 まゆが車の扉を開けてそっと僕と手を繋ぐ。まゆに引っ張れて車から降りてまゆに引っ張られてどこかわからない場所をまゆと2人で歩く。正直ちょっと歩くのが怖かったが、まゆが丁寧にエスコートしてくれたのでどこかにぶつかったり転んだりすることはなかった。

 少し歩くと自動ドアが開くような音がしてしばらくするとエレベーターに乗るような音がした。今、本当にどこにいるんだ?

 エレベーターから降りて少し歩くとまゆが少し待ってね。と言って僕から手を離す。そして、ガチャリと言う音が聞こえた。そして再びまゆが僕の手を握って、僕を引っ張って歩き始める。

 「りょうちゃん、ストップ。靴脱いで…あ、まゆが脱がせてあげるね」

 少し歩いてからまゆにそう言われて、まゆに靴を脱がしてもらう。今、本当にどこにいるの?わからなさすぎてちょっと怖いんだけど…

 「えっと、ちょっとそのまま待ってて」

 まゆにそう言われて、しばらくボーっとしながら待っている。待っている間、もしかして目隠ししたまま放置ドッキリ的なことやられてないよね?とか真剣に考えていた。

 「りょうちゃん、お待たせ…」
 「もう目隠し外していい?」
 「うん。いいよ」

 まゆに許可をもらったので僕はアイマスクを外す。ずっとアイマスクで視界を塞がれていたから、アイマスクを外した瞬間、すごく眩しかった。

 「りょうちゃん、ごめん」

 僕がまだ、どこにいるか認識できないでいるとまゆに体を押されて僕は倒れ込む。倒れた先には柔らかいものがあり痛くはなかったがびっくりした。

 ふかふかのベッドの上に倒れたことを僕が認識すると同時にまゆが僕に飛び乗るように抱きついてきた。

 見たことない部屋、ベッド、僕とまゆ2人きり…しかも、まゆの服装がなんか、さっきまでとは違いちょっと際どい感じになっている。あれ、なんか、やばい気がする……







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