お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

お泊まりの夜





 「りっちゃんさん!陽菜といちゃいちゃしましょう!」
 「どストレートにバカなこと言わないの。今日、退院したばかりなんだから今日はゆっくりしなさい」
 「じゃ、じゃあ、お風呂!一緒に入りましょう!陽菜の家のお風呂広いから2人でもゆっくり入れますよ」

 まあ、こんな広い豪邸だし、お風呂も広いんだろうなぁ。お風呂掃除とか大変そう…などと考えていると陽菜ちゃんは強引に私の腕を引っ張り、私の着替えとかが入ったバッグを持ってお風呂場に強制連行された。まあ、お風呂一緒に入るくらいならいいか…

 「あぁ…りっちゃんさんの身体をやっと見れる……」

 お風呂場の脱衣所で興奮気味に言われて少しゾッとする。この子、やばいわ…陽菜ちゃんは息を切らしながら私の服にそっと手を当てて私の服を脱がし始める。いつの間にか、一緒にお風呂に入る時はお互いがお互いの服を脱がせると言うことが定石になっていた。陽菜ちゃんに服を脱がしてもらうとドキドキして、陽菜ちゃんの服を脱がせる時もドキドキする私はかなりやばいやつだと思う。

 「りっちゃんさん、相変わらずいい胸ですね…」
 「ひゃっ…」

 服や下着を全部脱がされた後、陽菜ちゃんに胸を揉まれてびっくりする。びっくりするけど、悪い気分はしない。むしろ気持ち良さを感じている私は完全にやばいやつだ。

 「りっちゃんさん、陽菜も脱がせてください…」
 「うん」

 私はいつものようにドキドキしながら陽菜ちゃんの服を脱がせていく。

 「陽菜、痩せたね…」
 「あはは…まあ、病院食ばかり食べてましたから」

 よく見ると腕とかには点滴とかの跡も残っていて陽菜ちゃんの身体が本当に弱いことが伝わってきた。

 「明日からいっぱい美味しいもの食べようね」
 「はい。あ、陽菜、りっちゃんさんが作ってくれただし巻き卵食べたいです」
 「いくらでも作ってあげるよ」
 「やった!楽しみにしてます〜」
 「他にリクエストはある?」

 お風呂場に入りながら私は陽菜ちゃんに尋ねると陽菜ちゃんは、私が作ったものなら何でもいい。と言ってくれる。嬉しいなぁ。愛情いっぱい込めて美味しい料理いっぱい作ってあげよう。

 そう考えながら、陽菜ちゃんの身体を洗ってあげる。久しぶりに陽菜ちゃんの身体を洗ってすごくドキドキする。私が陽菜ちゃんの身体を洗い終わると、今度は交代で私が陽菜ちゃんに身体を洗ってもらう。

 「あっ…ちょっと…はるなぁ…そこだめぇ……」
 「えへへ。陽菜が入院してる間いろいろ溜まってたんじゃないですか?りっちゃんさんが満足するまで相手してあげますよ」
 「きょ、今日はダメ。いきなりそう言うことされると保たないから…しばらくはゆっくり…ね……」
 「りっちゃんさんがそう言うならわかりました」

 陽菜ちゃんはそう言って大人しく私の身体を洗ってくれた。その後は2人で湯船に入る。陽菜ちゃんの家はすごく広くて陽菜ちゃんと肩をひっつけて足を伸ばしてゆっくりお湯に浸かることができた。

 「りっちゃんさん、髪乾かしてくださーい」
 「はいはい」

 お風呂から出て陽菜ちゃんの部屋に戻り、クッションに座らせてもらっていると、私の前にちょこんと座ってドライヤーを渡してきた。かわいすぎるわぁ…

 「髪、伸びたね…」

 髪の毛を洗っていた時も思ったが元々長い髪が結構伸びたと思う。

 「たしかにそうですねーそろそろ切らないとです。りっちゃんさんはどれくらいの長さにして欲しいですか?」
 「今まで通りがいい」
 「じゃあ、そうしますー」

 陽菜ちゃんは笑顔でそう言う。素直でかわいい。

 「りっちゃんさん、今日は陽菜と一緒に寝てくれますよね?」
 「もちろんだよ」
 「やったー」
 「もう寝る?疲れてるでしょう?」
 「入院中ずっと寝てて寝飽きてます」
 「そっか、じゃあ、どうする?」
 「えへへ。早くりっちゃんさんと一緒に寝たいからまだ寝ないけどもうお布団入りたいです」
 「わかった」

 私は陽菜ちゃんと一緒に陽菜ちゃんのベッドで横になる。陽菜ちゃんのベッドはフカフカでめちゃくちゃ寝心地がいい。いいなぁ…このベッド欲しい…

 お布団に入ると陽菜ちゃんは今までの我慢を解放するような勢いで私をギュッと抱きしめる。ちょっと苦しいけど、こうして久しぶりに陽菜ちゃんに抱きしめられて気分はいい。

 私も陽菜ちゃんをギュッと抱きしめて陽菜ちゃんの頭をゆっくり撫でて幸せを感じる。

 「今日は絶対離しませんから」
 「じゃあ、私も今日は離さない」

 そう言ってお互いにギュッと抱きしめ合う。その瞬間が本当に幸せだった。大好きな人の温もりを間近で感じられる幸せに引っ張られて、私と陽菜ちゃんは勢いのままキスをする。

 「もう一回…」
 「いいよ」

 何度、もう一回と言われただろうか。こんなにも私を求めてくれて、私を愛してくれて、本当に嬉しかった。なので、私は拒絶することもなく何度も何度も陽菜ちゃんとキスをした。一度、キスを交わす毎に幸せを感じる。

 「りっちゃんさん、大好きです」
 「私もだよ」

 そう言って何度も何度もキスをしてお互いをギュッと抱きしめ合って、その日はなかなか眠ることができなかった。






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