お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

途中休憩





 「あ、まゆ、りょうちゃんと春香ちゃんのご実家行くのにお土産用意するの忘れてた」

 渋滞に捕まりそうになったので、渋滞を避けるために近くのサービスエリアに入り、ちょっと遅めのお昼ごはんとまゆの休憩をする。もう昼食の時間からは結構外れているはずなのにサービスエリアはそこそこ混んでいた。

 フードコートやレストランがあるエリアに向かう途中に、お土産エリアを通るとまゆが慌て始めた。別にお土産なんて用意しなくていいのに…

 「まゆちゃん、大丈夫だよ。りょうちゃんの家と私の実家用のお土産はちゃんと用意しておいたから」

 めちゃくちゃ気が利く。春香すごい……

 「え、春香ちゃんまじ神様…ありがとう」
 「気にしないで大丈夫だよ」

 春香は笑顔でまゆに答えて歩き始める。

 「お昼ごはん、フードコートかレストランどっちにする?」
 「うーん。まゆはどっちがいい?」

 春香が僕に尋ねるが、この後の運転時事があまり把握できていないので、判断をまゆに委ねる。

 「うーん。結構渋滞してそうだから、もう少しゆっくりしてから行った方がスムーズに行けるかも…着くの夕方になっちゃうけど…」
 「まあ、渋滞してるなら仕方ないよ。お母さんに夕方に着く。って連絡しておくね」
 「うん。お願い」
 「じゃあ、ゆっくりできるみたいだし、お昼ごはんはレストランで食べようか」
 「賛成」
 「私も賛成」

 3人の意見が一致したので、僕たちはレストランに入る。レストランは景色が良くてメニューも豊富だった。

 「私は親子丼にしよ…」

 春香がいち早く注文を決める。僕は海鮮丼のざる蕎麦セットにした。僕と春香の注文が決まり、まゆの注文が決まるのを待つが、メニューが多くてめちゃくちゃ悩んでいた。悩んでいるまゆもかわいい。

 「決まったよ」
 「何にするの?」
 「天丼に冷たいうどんのセットにする。海鮮丼か親子丼か天丼でめちゃくちゃ悩んでた」
 「えー、そうなの?じゃあ、僕の海鮮丼と少し食べ合いっこしよ」
 「私の親子丼も少し分けてあげる」

 まゆの注文が決まり、注文をして料理が運ばれてきた後は3人でシェアをし合って3つの料理を楽しんだ。料理を食べ終えた後のお会計は僕の財布から出した。元々、春香と、運転してもらっているまゆには出させるわけにいかないよね。とレストランに入ってからLINEでやり取りをして、一旦、僕が払うから春香はまゆに財布出させないようにさせて。とお願いした。そのお願いの通り、春香はお会計の間、まゆを止めておいてくれた。お会計が終わった後、春香が半分出す。と言ってきたが「レシートなくしちゃった…金額覚えてないからいいよ」と意地でも受け取らなかった。一度、りっちゃんさんに奢られた時のりっちゃんさんの奢り方を真似てみたが、これ、かなり便利だわ。

 僕だけにお金を出させたことに納得いかないのか、春香とまゆが不貞腐れた表情をする。かわいいなぁ。

 「春香、まゆ、勝手なことしてごめんね。機嫌なおして…」
 「デザートは私が出すから…」
 「じゃあ、まゆは…」
 「まゆはダメ。運転してもらってるから出させられない。これだけは本当にダメ。わかった?」
 「う、うん…じゃあ、今回は甘えようかな…」

 まゆは財布を鞄にしまい、春香の奢りでデザートにフードコートでソフトクリームを注文した。サービスエリアにあるソフトクリームにハズレはないと思うのは僕だけかな?

 「まゆ、ほっぺについてるよ」

 美味しそうにソフトクリームを頬張るまゆのほっぺにくっついていたソフトクリームを指で拭き取りペロリと指を舐めるとまゆが顔を赤くしながらありがとう。と言ってくる。まじでかわいい。

 そのやり取りを見ていた春香がわざとらしく咳払いをしてからわざとほっぺたにソフトクリームをつける。何これ、めちゃくちゃかわいいよ。

 「春香、ほっぺについてるよ?」
 「え、うそー、りょうちゃん、とってー」

 わざとらしい。演技下手くそか…そわそわして足をバタバタさせているところとかもう可愛すぎて抱きしめたくなる。僕が先程まゆにしてあげたことと同じように春香のほっぺについたソフトクリームを指で拭き取りペロリと舐めると春香は顔を真っ赤にしてえへへ。と言っていた。春香もまゆもほっぺた触られただけで喜びすぎでしょ。かわいいなぁ…

 そんな感じで休憩を楽しみ、再び車に乗って数時間、夕方になり、周囲はオレンジ色に染まるくらいの時間に、僕たちは僕の実家に到着した。






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