お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

幸せな日常②





 「りょうちゃん、おーきーて」
 「ん……」

 可愛らしい声が耳に入ってくると、両腕が少し圧迫される感覚があった。

 「「りょうちゃん、おはよう」」
 「まゆ、春香、おはよう」

 朝、目を覚まして僕はまゆと春香に声をかける。昨日は、春香から名前を呼んだから今日はまゆから名前を呼ぶことにする。

 今日は1限から授業があるため、昨日よりも早い時間に起きて僕たちは昨日の朝のようなルーティーンを繰り返す。

 そして、大学に向かい、お昼まで授業を受けてお昼を3人で食べてから3限の授業を受ける。

 3限の授業が終わり、僕はまゆと春香と合流する。まゆと春香と手を繋いで大学の受付に向かい、バイトの春香を見送り、僕とまゆは2人きりになる。

 「今日はどうする?」
 「ピアノ弾きたーい」
 「うん。じゃあ、ピアノ弾きに行こうか」

 僕とまゆは手を繋いでピアノ練習室に向かう。金曜日は4限に授業がなくて、5限に授業がある。そのため、4限はまゆと一緒に過ごす。

 こういう空き時間の過ごし方はさまざまだ。大学内のカフェでお茶したり、図書館でレポート課題をしたり、ホールで楽器を吹いたり、ピアノ練習室でピアノを弾いたり、お散歩をしたり、普通にお喋りしたりさまざまだが、今日はピアノ練習室でピアノを弾くことになった。

 この数ヶ月、僕はまゆ、春香、りっちゃんさんの3人にピアノを教えてもらっていて、今ではそこそこ上達した。ピアノ練習室でまゆと一緒にピアノを弾いたりして楽しんでいると4限はあっという間に終わってしまう。

 この後、僕は5限の授業があるが、まゆは授業がない。だが、5限後に僕とまゆはバイトに向かうため、まゆはこっそり僕が受けている授業を僕の隣で一緒に受けている。

 5限の授業が終わり、僕とまゆはまゆが運転する車でバイトに向かう。金曜日はバイト前に帰って着替える時間がないので、金曜日はバイト姿で行動していたりする。車の中ではまゆと一緒に受けていた5限の授業の話をしたりしている。

 そうするとあっという間にバイト先の駐車場に到着する。車から降りて僕とまゆは手を繋いで歩く。普段はゆっくり歩くのだが、今日は道が混んでいてバイトが始まる7時ギリギリの時間なので駆け足気味で本屋さんに入る。

 金曜日のバイトは平日のバイトなので結構ゆったりしている。土日だと忙しくてドタバタするが、平日はお客様の流れがゆっくりなのでゆとりを持って作業することができる。

 休日だと忙しくお客様対応していたらあっという間に時間は過ぎ去るが、平日バイトのブックカバーを折っていたらいつの間にか時間が過ぎ去っているバイトも嫌いではない。

 金曜日バイトは翌日からの休日バイトに備えて割とブックカバーを折り続けることが多い。単純作業だが、丁寧にきちんとこなす。集中しているとあっという間に時間は過ぎていく。

 そうして閉店時間になり、バイトが終わると僕とまゆは手を繋いで駐車場に向かい、車に乗ってアパートに帰宅する。

 「りょうちゃん、まゆちゃん、おかえりなさい。今日もお疲れ様」
 「ただいま。春香もバイトお疲れ様」
 「春香ちゃん、ただいま」

 バイトで疲れている僕とまゆを春香が笑顔で出迎えてくれる。この瞬間はかなり好きで、かなり幸せを感じられる。

 春香も今日、バイトで疲れているはずなのに、帰ったら春香がバイト後に用意してくれた温かいごはんがすぐに食べられる。本当に幸せなことで、本当にありがたい。春香に感謝をしながら美味しく食事をいただいて、いつものようなルーティーンに戻る。

 今日は3人で一緒にお風呂に入って、お風呂から出た後にいつものように2人の髪を順番に乾かしてあげる。

 金曜日は次の日が休日ということもあり、割と夜更かしすることが多い。対戦ゲームで夜更かししたり、映画やアニメ、ドラマを観たりする。今日はこの前借りた映画のDVDの残りを一気見して楽しんだ。

 金曜日は夜更かしすることが多い。当然、1週間のストレスや疲れを取るために、僕たち3人はそういうことをすることが多かったりもするが、まゆと春香が女の子の日は必ず控える。まゆと春香の大切な身体を傷つけたくないからね。まゆと春香は同じくらいの時期に女の子の日になることが多いので、どちらかが女の子の日にどちらかとそういうことをする流れにはならない。必ず、2人とできる日を選ぶようにしているし、もし、どちらかだけとそういうことをしたら必ず片方ともそういうことをするようにはしている。

 今日はゆっくり映画を観て夜更かしした後はゆっくり眠りについて1週間の疲れを取ることにした。

 まゆと春香、大切な2人に抱きしめられて2人の温もりを感じながら今日も眠る。

 僕とまゆと春香がバイトがある日のルーティーンはこんな感じだ。

 例え、どのようなイベントがある日でも、夜に大好きな最愛の2人の温もりを感じて眠り、最愛の2人の温もりを感じて目を覚ますことだけは変わらない。





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