お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

王様ゲーム②




 「4番と2番と3番の人の胸揉ませて」

…………………ま、まゆ先輩、それはさすがにアウトだと思うけど……
 まゆ先輩が王様になり、春香、りっちゃんさん、ゆいちゃんを睨みながら命令を口にした。4番が春香で2番がりっちゃんさん、3番がゆいちゃんだった。何で数字わかったんだろう…怖い……

 王様の命令は絶対と半ば強引に押し切りまゆ先輩は春香の胸を揉み始めた。もちろん服を着た状態で…だよ。
 「にゃ…まゆ…ちゃん……だめぇ…」
 かわいい。春香の反応かわいい。と思いながら見ているとまゆ先輩に睨まれた。怖い……胸に恨みがあるように春香の胸を揉みまくるまゆ先輩怖い……まゆ先輩に胸揉まれて春香めちゃくちゃ感じてるし……ていうか、僕が揉む時より感じてる気がする……ていうか、これ、僕が見ていていいのか?
 春香の胸を揉み終え、まゆ先輩はりっちゃんさんに目を向けた。そして襲いかかるようにして胸を揉む。
 「あっ…まゆちゃん…ちょ…だめ…」
 「脂肪の塊め……」
 甘い声を出すりっちゃんさんにまゆ先輩は怖い声で呟く。まゆ先輩怖い……
 りっちゃんさんの胸をしばらく揉んだ後、まゆ先輩はゆいちゃんを睨む。そしてゆいちゃんに襲いかかる。なんか、もう、見ていてはいけない気がする。
 僕とさきちゃんは何を見せられているのだろう。という感覚でまゆ先輩が暴走しているのを見ていた。
 「何で私は揉まれないのかなぁ?」
 ちょっとイラついた感じの声でさきちゃんがボソッと呟く。さきちゃんはまゆ先輩と同じくらい…だからなぁ……

 「まゆ、落ち着いて…」
 さすがに見ていられなかったので胸を揉みまくっていたまゆ先輩を僕は止めた。
 「うぅ…」
 僕がまゆ先輩を止めるとまゆ先輩は涙目だった。え、そんなに胸が羨ましいの??
 「ちょ…まゆ…泣かないで…胸が小さくてもまゆはかわいいじゃん。僕は今のままのまゆが大好きだよ」
 「………胸が小さいは余計」
 そう言われてまゆ先輩に頭を叩かれた。痛い。
 「あ…ごめん……」
 「いいよ。全然痛くなかったから大丈夫。僕の方こそデリカシーのないこと言ってまゆを傷つけちゃったね。ごめんね」
 「気にしないで…りょうちゃんに大好きって言ってもらえてまゆ、本当に嬉しかった」
 そう言ってまゆ先輩は僕に抱きついてきた。僕がまゆ先輩を抱きしめてあげると周りの方々はニヤニヤとこちらを見つめている……春香を除いて………
 「りょうくん、優しい…彼氏感がすごい……」
 「だね。見ててドキドキする」
 ゆいちゃんとさきちゃんはソワソワしながらこちらを見ていてりっちゃんさんはニヤニヤしているが春香だけは不満そうな表情だ。
 「まゆ、ちょっとだけいい?」
 「うん」
 僕はまゆ先輩に許可をもらって春香に手招きをする。すると春香は嬉しそうにこちらにやってきた。僕と春香とまゆ先輩は3人で抱きしめあう。
 それを見てりっちゃんさんとさきちゃんはきゃーきゃー言っているがゆいちゃんだけは羨ましそうに春香とまゆ先輩を見つめていた。

 まゆ先輩の暴走によりこれ以上は危険ということで王様ゲームは中断された。
 王様ゲームが終わり僕は春香と一緒に旅館の自動販売機コーナーに飲み物の買い出しに来ていた。
 「春香、大丈夫?」
 「大丈夫じゃないよぅ…まゆちゃん、結構強く揉んできたから結構痛かったんだよね……」
 「まゆも胸なんか気にしなくていいのにね…」
 「えー、りょうちゃんがそれ言う?まゆちゃんはね。妬いてるんだよ。私とまゆちゃんがりょうちゃんとそういうことする時にりょうちゃんが私の胸ばかり見てるから…」
 「え…」
 そんなことはない……はずだが……絶対にないとは言い切れない……だって、春香の胸すごいんだもん……柔らかいしほどよく大きくて心地いいんだよ……
 「ここだけの話、りょうちゃんはどっちの方がいいのかなぁ?大きいか小さいか…」
 「うーん。ほんとうにどっちでもいいんだよね。だって、小さくてもまゆはめちゃくちゃかわいいしさ、まゆくらいの小ささってすごく可愛らしくてあれはあれでいいんだよね…」
 「りょうちゃんやらしいなぁ…」
 「えー、聞いといてそんなこと言わないでよ」
 「ごめんごめん」
 みんなの分の飲み物を買って鞄の中にしまい、春香と手を繋いで部屋まで歩く際に笑いながらそんなやり取りをしていた。
 「………春香、悪いけどさ、先に戻っててもらっていいかな?」
 「うん。いいよ。あ、荷物預かるよ」
 「重いけど大丈夫?」
 「うん。これくらい大丈夫。じゃあ、私、先に部屋戻ってるね」
 「うん。ありがとう。よろしくね」
 僕は春香に飲み物が入った鞄を渡す。結構重いので春香に持たせることになってしまい申し訳なかったが仕方ない。僕から鞄を受け取った春香はすぐに部屋に戻ってくれた。
 「僕に用ってことでいいんだよね?」
 静寂が訪れた。
 「場所…変えようか…ここで話すのはちょっとあれでしょ、あっちにソファーがあったからそこに移動しよう」
 僕たちは旅館のソファーがある場所に移動した。ソファーに座り相手が話し始めるのを待つ。






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