お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

誕生日の夜





 「りょうちゃん…今日はさ、いっぱい甘えていい?」
 「今日だけだよ」
 甘え声で僕に聞いてきた春香は僕の返事を聞いてやった!と嬉しそうな表情をする。
 そして春香はじゃあ…と呟いて僕にお願いしてきた。まず、最初のお願いは膝枕させて欲しい。だった。そのくらい全然問題ないので春香の頭を膝の上に乗せる。すると、春香はこの前みたいにして…と言ってきたのでこの前みたいに頭を撫でてあげたり首をそっと触ってあげたりして春香を可愛がってあげる。この前みたいにすごく気持ち良さそうですで幸せそうな表情の春香を見て僕もすごく幸せな気持ちになれた。
 しばらくそのやり取りを楽しんだ後、僕と春香は一緒にお風呂に入ってお互いの身体を洗いあってお風呂から出た後に少しだけ2人で気持ちいいことをした。
 「ねえ、りょうちゃん。今日はこのままりょうちゃんの部屋でりょうちゃんと一緒に寝ていい?」
 「うん。いいよ」
 「ありがとう」
 気持ちいいことが終わった後、息を整えた春香が僕に尋ねて、僕はそれを了承した。僕が了承した直後に、春香は今日疲れちゃったからもう寝たい。と言ったので僕は部屋の電気を消した。もうすでに0時を過ぎていたので僕も眠くなっていた。なので、春香がもう寝たい。と言ってくれて助かった。
 部屋の電気を消した後、僕は春香の隣で横になる。僕がベッドの布団に入ると、春香はすぐに僕に抱きついてきた。今日はいつもみたいに腕を抱きしめるのではなく、僕の身体を思いっきり抱きしめてきた。春香は僕を抱きしめながら少し顔を赤くしている。春香の心臓の鼓動がドクンドクンと激しく躍動していることが伝わってきて僕もドキドキしてしまう。春香が、こうやって僕を思いっきり抱きしめてくれるなんてすごく嬉しい。だから、僕も春香の気持ちに応えたかった。
 「え、りょうちゃん…」
 春香を思いっきり抱きしめ返して僕と春香の顔が間近で向かい合い、春香はすごく恥ずかしそうな顔をする。
 「あ、ごめん。嫌だった?」
 「え、違う。嫌じゃない。だからやめないで…このまま…ちょっとびっくりしただけだよ。びっくりしてすごく幸せな感情になれて…その…うまく言えないけど……ちょっと恥ずかしいけどすごく幸せ。ずっとこうしてたい」
 「じゃあ、今日はこのまま寝ていい?」
 僕が春香に尋ねると春香は少しだけ驚いた表情をする。そして、すごく幸せそうな表情で、うん。いいよ。と答えてくれた。
 それからずっと僕と春香はお互い抱きしめあったまま眠ろうとするが、緊張してお互い眠れずにいた。
 「りょうちゃん…好き…」
 「え…」
 「えへへ…りょうちゃんのドキドキしてる激しさ増したね」
 突然春香に好きと言われてすごくドキドキした僕を見て春香はニヤニヤしながら言う。悪戯っ子のような憎たらしい表情をしていたがそれでもかわいいと思う。
 「春香、好きだよ。大好き」
 「え…もう…」
 「春香も僕と同じくらいドキドキしてるね」
 「うるさい…」
 春香にやられたことの仕返しを春香にすると春香は顔を真っ赤にして頬を膨らませる。一見、不満そうな表情に見えるが、よく見ると少しにやけていてすごく嬉しそうな表情をしていた。もう。かわいすぎかよ……
 「りょうちゃん…好き…大好きだよ」
 「僕も春香のこと大好きだよ」
 そんなやり取りをしながら僕と春香は何度も口づけをした。もう完全にバカップルである。
 「でも、りょうちゃんとこういう関係になれる日が来るとは思ってなかったな…高校卒業して地元から離れた大学に行くことになって、もうあまり関われないだろうなって思ってたし…それに去年ね。寂しくてずっと後悔してた。りょうちゃんに想いを伝えなかったこと…だから、りょうちゃんと一緒に下宿することになって…なんていうかいろいろ暴走してたよね…私…」
 「そんなことないよ。春香らしかった」
 「私らしいって何よ?」
 「ちょっとおっちょこちょいで、意外とバカで普段大人しいのにいざって時はちゃんと行動できて、本当に頼りになること…春香と暮らすことに不安があったけどさ…春香が変わってなくてすごく安心できたんだ」
 「へー、りょうちゃん、私のことバカって思ってたんだ…」
 「事実じゃん」
 僕がそう言うと春香は先程のように頬を膨らませてもう知らない。寝る。と言い目を瞑るが、やはり口元はニヤけていて幸せそうだった。
 もう知らない。寝る。と言った春香にそっか。おやすみ。と返事をして最後に春香にそっとキスをした。僕が口を離すとお返しと言うかのように春香も僕にキスをしてきた。
 お互いにキスをした後、最後にもう一度だけキスをして、お互いにおやすみ。と言いあって眠りについた。僕はすぐには寝付けなかったが春香は割とすぐに眠ってしまった。僕を抱きしめる春香の力が少し弱くなったので、僕も春香を抱きしめる力を弱める。春香の寝顔を見てかわいいなぁ…と思っているといつの間にか僕も眠っていたのだった。







コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品