お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染の同居生活

りゅう

膝枕で目を覚ました後…





 「りょうちゃん寝ちゃってる…かわいいなぁ…」
 数時間ほど眠り、目を覚まし目を開くとりょうちゃんの寝顔が視界内にあった。大好きなりょうちゃんの寝顔…見ているだけでドキドキする。
 「りょうちゃん……」
 りょうちゃんの寝顔が可愛すぎて、私は頭の向きを変えて体の向きを変え、りょうちゃんを両腕で抱きしめた。もちろん、頭はりょうちゃんの膝の上に置いたままだ。顔の向きを変えたことにより、私の視界にはりょうちゃんのお腹の辺りが間近に写る。
 「りょうちゃんの匂い…」
 昔からよく身近で感じていた匂いだ。とても優しい感じの匂い…私と同じ洗剤を使っているのに、何故匂いが違うような気がするのだろう…不思議だ…
 スマホで時間を確認するともうすぐお昼の時間だ。でも、りょうちゃんはまだ寝てるし…もう少しだけこの幸せな時間を味わっていてもいいよね。と思っていたら私は再び眠ってしまった。

 僕が目を覚ますと春香はまだ寝ているようだった。いつのまにか春香は顔を僕のお腹に押し付けるような向きに変えていて、僕を優しく抱きしめていてくれた。こういうところが本当にかわいい…と思いながらしばらく春香を起こさないように頭をそっと撫でてあげていた。
 ふと、今の時間が気になり僕はソファーの上に置いてあるスマホを取ろうと体を動かすと思っていたよりも激しく体を動かしてしまい衝撃で春香が起きてしまった。
 「起こしちゃったね。ごめん…まだ、寝てて大丈夫だよ」
 「ん…りょうちゃん……あ、えっと…ごめん…」
 起きた春香は僕を抱きしめていた腕を慌てて離した。いつも僕を抱き枕にして寝ているのにこの反応はなんだろう…
 「別にそのままずっと抱きしめてくれててもよかったんだよ」
 「恥ずかしい…よ……抱きしめてほしいなら、りょうちゃんが私を抱きしめて…」
 「いいの?」
 「いい…けど…」
 春香に許可をもらった僕は遠慮なく春香をギュッと抱きしめた。僕に抱きしめられた春香は顔を真っ赤にして恥ずかしがるが、かなり嬉しそうな表情だった。
 「りょうちゃん…やっぱり恥ずかしい…から…やめて……」
 「もう少しだけ…」
 「いや…恥ずかしいよぅ…」
 春香はそう言いながらソファーの上で横になった。僕は春香に引っ張られるようにして春香をソファーと僕の体で挟んでしまった。ソファーの上で横になっても僕は春香を抱きしめるのをやめられなかった。それは春香も同じようで、恥ずかしい。もう終わり。と口では言っているが僕の体をギュッと抱きしめて離そうとしない。そんな春香が本当にかわいらしかった。
 「ねえ…りょうちゃん…ちょっと重い…」
 「あ、ごめん」
 春香にのしかかるようにして抱きついていたため、春香には僕の体重分の負荷をかけてしまっていたみたいだった。僕は慌てて春香を抱きしめるのをやめて春香から少し離れた。
 「大丈夫?痛くない?」
 「ちょっと痛かった…それに…恥ずかしかった…だから…仕返し…」
 春香は僕にそう言い、僕をソファーに押し倒してそのまま、僕の上に乗っかって僕を抱きしめる。完全に先程と立場が逆転した。
 「やられたら倍返しするから…」
 春香は悪戯っ子のような笑みを浮かべて僕が着ていたTシャツを下から軽くめくる。そして剥き出しになった僕のお腹に頬を当てて頬擦りを始めた。春香の柔らかい頬の感触が次から次へとお腹の周りを刺激してめちゃくちゃ気持ちいい。
 「ちょっと…春香…何してるの…」
 「仕返し…恥ずかしかったから…りょうちゃんにも恥ずかしい思いしてもらう…だから、これくらいじゃ足りないよね」
 春香はそう言いながら僕のお腹の周囲に軽く唇を当てた。最初はそれを繰り返すだけだったが少しずつエスカレートしていき、お腹の周りを舌で触り始めてゆっくりとお腹周りを舐め回し始めた。
 「ちょっと…春香…本当に……ダメ……」
 「えへへ…今のりょうちゃんめちゃくちゃかわいい顔してるよ。気持ちいい?」
 「気持ちいいけど…恥ずかしい……」
 「もっと気持ちいいことする?私とりょうちゃんでお互いに恥ずかしくて気持ちいいことしちゃう?」
 「それは…」
 本音を言えばこのまま勢いで春香の言う気持ちいいことをしてしまいたかった。
 「どうしたいの?」
 僕の欲望に追い討ちをかけるように春香は少しだけ嫌らしい表情で僕に尋ねる。
 「したい…」
 「ん?何を?」
 「気持ちいいこと…」
 「そっかー」
 春香は嬉しそうに微笑んで再び僕のお腹周りを舐め回す。そして、手で僕の弱いところを少しだけ刺激する。これだけで十分気持ちがいい…
 「じゃあ、続きはまた今度してあげるね。そろそろお昼ご飯作らないと…」
 僕の気持ちいいことへの期待がめちゃくちゃ膨らんだタイミングで春香は悪魔のような笑みを浮かべてソファーから立ち上がり台所の方へ向かい出した。めちゃくちゃ期待してしまっていた僕がつい、え?と声を漏らしたのを聞くと春香は期待してたの?と満面の笑みで尋ねてきた。
 「春香の意地悪……」
 「そんなこと言ったら一生この前みたいなことしてあげないよ」
 「じゃあ、まゆにしてもらう…」
 「りょうちゃんの意地悪……また、今度…ちゃんとしてあげる。今からはダメ…心の準備できてないしお昼ご飯作らないといけないから…お昼ご飯作ってる間…自分の部屋行ってきていいよ」
 「春香と一緒にいたいからいい…」
 このモヤモヤとした体の快感を発散したい気持ちはあったが、そんなことよりも僕は春香と一緒にいたかった。
 「嬉しいこと言ってくれるね。ありがとう。意地悪してごめんね…」
 「いいよ。気にしてないから…」
 僕は春香が昼食を作る手伝いをして、手際の良い春香があっという間に作ってくれた昼食の親子丼を2人で美味しくいただくのだった。





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